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夜の雨は、重く、沈んでいた。

街の光がぼんやりと滲んで、雨粒がアスファルトを叩いていた。

ザー…という音が、まるで世界の全てをかき消すように響いている。

相川は、学校の裏の屋根付きのベンチに座っていた。 制服の裾は、すでに濡れていて、髪の先からも雫が落ちる。

目の前のスマホには既読の文字。

―たける…。

既読はつくのに、返信がない。

相川こうま

…おかしい、

相川が呟くと、隣の真堂が腕を組んだまま低く言った。

真堂そうた

…あいつが何も言わずに休むなんてな、

花丸先輩は黙って煙草の箱をいじっていた。 吸うわけでもなく、ただ、箱の角を指で弾く。

花丸先輩

いやァ〜な予感、すんだよね。

相川こうま

ほな、行きますか

その言葉に、ためらいもなかった。

花丸先輩が小さくため息をついて、立ち上がる。

花丸先輩

どーせ、止めても行くんっしょ〜?

相川こうま

…当たり前っす。

相川が濡れた前髪をかきあげ、低い声で言った。

三人は傘をささずに歩き出した。

雨はどんどん強くなった。 真堂の横顔は、街灯に照らされて硬く、険しかった。

真堂そうた

もし、本当になにかあったとしたら…

相川こうま

そのときは、俺たちで止めるっす、

花丸先輩がうつむきながら言った。

花丸先輩

部活で、あ~んな楽しそうに笑って、いっつも元気で。

花丸先輩

あの笑顔、守りたいよね〜

真堂そうた

守るっすよ。

真堂が短く答えた。 静かな怒りと、決意が混ざっていた。

曲がり角を過ぎる度、街の光が少しずつ遠くなっていく。

たけるの家は住宅街の奥。 街灯の光も届かないような静かな場所にある。

真堂が呟いた。

真堂そうた

…間に合ってくれ

三人の足音が水を蹴る音と混ざり、夜の雨に消えていく。 濡れたアスファルトに映る街灯の光が揺れていた。

たけるの家が見えた時 誰も言葉を発さなかった。

ー遠くから聞こえた…

大きい物音、悲鳴、叫び声。

ーやめて!!!

たけるの声だった。

相川こうま

っ…!!

相川が飛び出そうとするのを、真堂が抑える。

真堂そうた

待て、!無闇に行くな!!

相川こうま

でもっ…!!!!たけるがっ…!!

花丸先輩

警察呼ぶ?

真堂そうた

…間に合わない!!

花丸先輩

今すぐ止めないと!!

ーもう、やめて!

その声が聞こえた瞬間 相川はドアに向かって全速力で走った。

相川こうま

はぁっ…はぁっ…!

ノックもせず、全力でドアを蹴る。

ドンッ!!!!!!

玄関が激しく揺れ、扉が少し開いた。

相川こうま

たけるっ…!!!!!!

中から、酒と血の混じったような匂いがした。 リビングの奥。倒れているたけると、髪が乱れているたけるの母。

あんたたち…だれぇ…?

低く、掠れた声。

花丸先輩

辞めてください!!!!!

真堂そうた

これ以上やったら、警察呼びます!

警察ぅ…?あんたらがっ…何を知ってんのよぉぉぉぉお!!!!!!!

女は叫び、手にしていたリモコンを投げた。

ガシャーン!!と壁にぶつかり、破片が飛び散る。

たけるは怯える体で必死に声を絞り出す。

桐生たける

こわい、怖いよっ…こうまぁっ…

相川こうま

もう大丈夫や。俺がおる。

相川はその肩を抱き寄せた。

女がにじり寄る。

あんたたちがっ…この子を壊したのよ!!!!!!!!!!!部活、?友達、?全部…全部…!!!全部あんたたちのせいじゃない!!!!!!!!!!

真堂の怒りが、抑えきれず、叫んでしまう。

真堂そうた

こいつを壊したのはお前だぁあ!!!!!!!!!!!

真堂そうた

こいつの…たけるの人生っ…!お前のせいでずっっと苦しかったんだぞ?!

真堂そうた

お前はっ…!!!!!母親失格だ!!!!!!!!

真堂の怒鳴り声が、室内に響く。 静まりかえる室内。

花丸先輩

今だ!相川!!

相川こうま

たける、抱っこするで!!

花丸先輩の合図に相川はたけるをお姫様抱っこして、外に走っていった。

花丸先輩

後を追うよ!真堂くん!

真堂そうた

…うす

くっそ短い救出作戦編でしたが、いかがだったでしょうか??

まじで短くて、暗い話ですんませぇぇぇえん!!!!主は暗い話が…ダイスキなんです!!(;O;)

許してください!!!もう描きません!!!!!

♡&コメントよろしくお願いします🙏

ではまた次回!!!!ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!

この作品はいかがでしたか?

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