wrwrdが荒廃した世界で生き残る話

『ソレ』は突然落ちてきて、 私達のあらゆる物を奪い去って行った

緊急速報です。 現在、巨大な隕石が地球に 急接近しています！ 今すぐ安全な場所へ避難してください‼︎

刹那、無数の隕石が 地球に降り注ぎ

いとも簡単に数多の生命を奪った。

文明も何もかも滅んだ後、 人類に残されているのは 衰退のみ。

生き残る術もなく

地球上から人類は消滅した。

…………

そう。

消滅したハズだった。

ねぇ、起きて？

貴方もこの物語に必要なの。

主人公………なんていう そんなお飾りは要らないけれど

だってこの“物語”は 貴方達が創り上げるのだから。

どんなに辛くてもがいて 死にたくなっても

どんなに幸せで嬉しくて 手放したくなくても

平坦な物語なんてつまらない

エンドロールも永遠も この物語では訪れることは無いけれど。

貴方も選ばれたからには

それなりの代償が 必要なの。

さぁ、楽しい楽しい 私の為だけの物語。

せいぜい私を退屈させない様に

もがき苦しみなさい。

トントンはガバッと起き上がる。

どくどくと素早いリズムを刻む心臓を 落ち着かせながら トントンは呼吸を整えた。

すると、

心配そうな顔が此方を覗き込んでくる。

グルッペンがいる事に疑問を持ち 周囲を見渡した彼は

ようやく気づいた。

行った事も、見た事もない場所に 自分達がいる事に。