君の名前を（4）

今回のお話しは来弥編です

渡米から1年後

アメリカ

ソフィアは学校でのクラスメイトだ

ソフィアは俺のことをすごく好きでいてくれるみたいで好意がひしひしと伝わってくる

でも、俺は…

日本に残してきた那月のことしか愛していない

良介はサッカーのチームメイト

こっちに来て唯一の日本人の友達

日本語で話せるから俺も気が楽なんだ

アメリカに来てから必死で英語を学んだ

半年くらい経ってやっと英語で意思疎通を交わせるようになった

部屋に行って着替えて洗濯物を出しに行く

部屋に戻って机に飾ってある写真を手に取った

可愛いよな、ほんと

写真の中の那月が俺の隣で笑ってる

俺がいつも那月の隣にいたから那月に告白してくるやつなんていなかった

付き合ってない頃から俺と那月はラブラブって冷やかされていてクラスでも公認の仲だった

那月の声が聞こえたような気がした

那月に会いたい

日本に戻ってあいつを抱きしめたい

アメリカでの生活も楽しい

でも、俺の隣には那月の存在が必要不可欠だ

頼むから待っててくれ

必ず強くなって日本へ戻る

那月の所に帰るから──

3年後

那月には新しい彼氏がいた

那月はもう俺のことなんか好きじゃない

4年も放っておいて今さら彼氏ヅラ、か

那月の今の彼氏に俺はそう言われた

その通りすぎて何も言えなかった

那月は前よりもすごく可愛くなってた

忘れるなんてできるかよ

自業自得だ

考えてみれば都合のいいこと俺は言ってたんだ

そりゃ那月に愛想も尽かされる

俺は一生一人で生きていく

那月以外とは幸せになれない

でも、那月の隣にはもう俺以外の男がいる…

次回へ続く

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