テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
朝の博麗神社は静かだった
掃除をしていると、風鈴がなる。
私はほうきを止めなかった
魔理沙が来なくなってから。
特別なことは何も起きてない
ただ、それだけだ。
霊夢
誰に聞かせるわけもなく、そう言った。
それでも、魔理沙の言葉を思い出す夜もあった。
でも、泣かなかった。
魔理沙が幸せなら それでいいと思った
そう思えた自分を。
嫌いにならずにいられた。
境内の隅に
日当たりのいい場所がある
空を見上げる
なんの変哲もない。
青い空
霊夢
誰もいない空に
小さく言う
失恋は、霊夢から何かを奪った
けど、全ては奪われなかった
魔理沙が来ない神社で。
それが不幸かどうかなんて
もう考えなかった
それでも_朝は来る
朝の神社に
見慣れた靴音がした
魔理沙
振り返ると、魔理沙が立っていた
久しぶりなのに、
「 久しぶり 」
なんて、言えなかった
魔理沙
霊夢
そんなどうでもいい会話
沈黙が落ちる。
気まずさはなかった。
ただ、踏み込めない線が
ただそこにあった
魔理沙
魔理沙が言う
霊夢
嘘じゃなかった
魔理沙は幸せそうで
゛私゛は壊れていなかった
それだけで充分。
魔理沙
魔理沙に問われる
霊夢
魔理沙は笑った
霊夢も少しだけ笑った
恋人には戻れない。
けど、それが2人の選んだ道だった
霊夢は一人で空を見上げる
霊夢
小さく呟いた
失ったけど、失ってない。
一瞬だけ止まり、掃除を始める
魔理沙が
またふらっと来るかもしれない神社で。
恋は終わった
けど、関係は生きてた
ーーそれが
この失恋の
唯一の救いだった。
あなたは
幸せだったと思いますか?
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!