深夜0時
商店街の端にある 、小さなカフェバー
制服の上からエプロンを着た私は
閉店準備をしていた
ひとり暮らし
学校の後にここで働くのが私の日課
生活費も家賃も全部自分で稼いでいる
カラン カラン
こよみ
… いらっしゃいませ
顔を上げた瞬間 、目が合った
見つめられた
動けなくなった
目を離してはいけない 、といわれている様だった
蘭
ひとり?
蘭
がんばってるね -
こよみ
いえ 、すぐ店長がきます …
蘭
そっか
蘭
前から気になってたんだよね
蘭
キミのこと
こよみ
え 、… ?
蘭
ま 、いいや
蘭
名前は?
こよみ
こよみ ……
こよみ
朝霧 、こよみ …
蘭
ん 、はい
そう言って彼は私に紙切れを渡した
電話番号 …… ?
蘭
高校はさすがにやべぇかなって思うけど 、 ( 笑
蘭
ま 、俺だし
蘭
気か向いたらかけてよ
蘭
こよみちゃん
ドキ
彼は 、ふっと笑って出て行った
残されたのは ただ" 危険な香り "だけ
"危険"って心では分かるのに
あの人のコトを知りたい思ってしまっている私がいる
朝霧 こよみ 16歳
灰谷 蘭 24歳
「 甘い嘘と 、危険な香り 」