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第七話

第1話 - 誑かす女

111

2023年08月15日

#BL

#ゴールデンカムイ

リーベ

忠成

第何話？七話？

忠成

すたーてぃん

札幌

杉元

ハア…

キロランケ

消防も警察も死傷者は見つけられなかったらしい

キロランケ

地下室の死体も、がれきで埋もれてしまったようだ

キロランケ

2人の死体があるとすればそこかもな

杉元

爆発の直前まで、家永と牛山も2階にいたと白石が言っていた

杉元

地下に埋もれたとは思えん

アシリパ

2人とも、無事避難できたかもしれないな

忠成

アシリパそれずっと持ってんな

杉元

そのはんぺん、捨てなさいよ？

キロランケ

白石の野郎、買ったばかりの爆薬を吹き飛ばしやがって

アシリパ

あいつどこいった？

忠成

白石〜！

杉元

どうせススキノだろ？あのエロ坊主

白石

ここだぜ〜

キロランケ

…爆薬を買い直す金が必要だ

杉元

どうする？

アシリパ

この近くの長沼にコタンがある、私の親戚がいる村だ

アシリパ

そこで狩りをして金を作ろう

アシリパ

見ろ杉元、かかってる

杉元

ホントだ

アシリパ

チロンヌプだ

アシリパ

キタキツネが捕れた

アシリパ

棒で殴って仕留める

杉元

一撃でお願いねー？

ドスッ(殴る音)

杉元

う…(目を瞑る)

忠成

あー…

アシリパ

この罠は、古い油樽に三寸くぎを打つ

アシリパ

キツネが底に残った油を舐めようと頭を突っ込むと、引っかかって抜けなくなる仕掛けだ

アシリパ

赤毛のキツネは暖かくなって出てくると、人間に悪さをすると言う言い伝えがある

アシリパ

だから、イカッカラ・チロンヌプ、たぶらかすキツネとも呼ぶ

アシリパ

キツネの皮は、一枚一円くらいで売れる

アシリパ

カワウソも同じで、ヒグマだと、今年は五円くらい

アシリパ

エゾリスはもっと安くて二十銭くらい

白石

キツネ一匹で酒が6升ってところか

杉元

お前が爆薬を台無しにしなきゃ、今頃は…

白石

イヒヒッ☆

杉元

腹立つなこいつ…

忠成

殴ってもいいか？

白石

やめてぇ！？

キロランケ

杉元それにな、この男は札幌で…

白石

キロちゃん！？それ言わないでえ？(キロランケの口を手で塞ぐ)

キロランケ

(手をどかして)アシリパから金借りて競馬で全部すったんだぜ

白石

キャハー、言っちゃった！

パスっ(ストゥを手に当てる音

白石

あ…

アシリパ

あのお金、博打に使ったのか？

杉元

樽の底の油舐めろ

白石

嫌だー！

白石

う…ハアッ

白石

だあ…ああ…

白石

痛い！

キロランケ

しばらくここに滞在するしかねえな

忠成

だな〜

アシリパ

この人はフチの弟で、6人いる兄弟の1人だ

アシリパ

今日は、このチセに泊まらしてくれる

フチの弟

(アイヌ)思いがけない人たちが最近は来るねぇ！

アシリパ

"この間も、不思議な女がこの村に現れ、いついてる"

アシリパ

"過去や未来が見えるというその女のせいで"

アシリパ

"村のみんながおかしくなっている"

フチの弟

お？

アシリパ

ちょうど来た

アシリパ

"インカラマッという名の女だ"

インカラマッ

ステキなニシパたちがいらっしゃいますね

白石

白石由竹です、独身で彼女はいません

インカラマッ

あら、頭から血が出てますよ

白石

くぎのついた油樽を被せられたんです

インカラマッ

私、傷のある男性にとても弱いんです

インカラマッ

そちらの兵隊さんもとても男前ですね

杉元

ああ、そりゃどうも

アシリパ

(アイヌ語)杉元は汁物にウンコを入れて食べる

インカラマッ

まあ、臭くないんですか？

杉元

あ…アシリパさん今杉元とオハウとオソマ並べたよね！

杉元

また俺がウンコ食うって言ったでしょ！

アシリパ

言ってない

忠成

フフッw

杉元

忠成も笑うな！

インカラマッ

ちょっと待って

インカラマッ

あなたたちは…小樽から来たんじゃないですか？

白石

ええ、どうしてそれを？

杉元

ん？

アシリパ

(杉元に耳打ち)大叔父の親戚が小樽に多いと誰かに聞いたんだ、きっと

杉元

なるほど

インカラマッ

私、見えるんです

インカラマッ

あなたたちは誰かを…あるいは何かを探してる

白石

ウソでしょ、すごい！そのとうりです！

インカラマッ

私、占いが得意です

インカラマッ

ニウオクといって、アイヌは事の大小にこだわらず、

インカラマッ

判断に迷った時は、占いで決めます

インカラマッ

結果は神の意志として、疑うことなく従います

インカラマッ

シラッキカムイ、占いに使うキツネの頭骨です

インカラマッ

これは私の先祖から代々伝わるもので、最も霊力の強い白キツネの頭です

インカラマッ

まず、下顎を頭の上に乗せ、ゆっくり落とします

インカラマッ

骨が落ちた具合で物事を占うんです

インカラマッ

歯が上になれば良い兆しです

インカラマッ

あなたたちの探し物が見つかるかどうか

インカラマッ

占いましょう

カンッと音を立てて、シラッキカムイは落ちた

インカラマッ

歯が下を向きました

インカラマッ

希望は持てません、不吉な兆候を感じます

インカラマッ

予定は中止すべきでしょう

白石

…マジかよ

アシリパ

何にでも当てはまりそうなことを、あてずっぽうで言ってるだけだ、私は占いなんかに従わない

アシリパ

私は新しいアイヌの女だから

インカラマッ

そうですか

インカラマッ

あくまでも占いであって指示ではありませんから、

インカラマッ

ところで、探しているのは

インカラマッ

お父さんじゃありませんか？

インカラマッ

あてずっぽうですからお気になさらずに

アシリパ

イカッカラ・チロンヌプめ

キロランケ

あの女の占いは不思議とよく当たるので

キロランケ

村の連中がいろんなものを貢いでおかしくなってるんだそうだ

アシリパ

そうやってあちこちの村を渡り歩いているのだろう

忠成

(不思議とよく当たる…か…)

忠成

(なら俺のこともわかるのかな？)

アシリパ

やっぱり白石はどこにもいない

杉元

…ったく

忠成

どこいったんだあの坊主…

キロランケ

わかったぞ

キロランケ

やつの居場所が

杉元

どこだ？

長沼競馬場

白石

インカラマッちゃん、がっつり俺を稼がせておくれ！

インカラマッ

面白い！いいでしょう！

白石

さあて、馬を選ぼうぜ、インカラマッちゃんの出番だ！

白石

(四番の馬を見て)あの馬はどうだ？

インカラマッ

あ…出ました、あの馬です

インカラマッ

シラッキカムイは4番が吉と出ています

白石

ホント？間違いなく？

インカラマッ

私のシラッキカムイはウソをつきません

インカラマッ

白石さん、いいものがあります

インカラマッ

これはエカエカというお守りです

インカラマッ

手首に巻きつけておけば災難を免れます

白石

ありがとうインカラマッちゃん

インカラマッ

二十銭です

白石

え？

白石

よっしゃ、頼む！これで負けたらすっからかんだぜ

白石

4番こい、4番こい

白石

行け！行け！

白石

いいぞ！来てる来てる！！

白石

そのままあ！

白石

あ…勝ったよ、ホントに勝ったよ

白石

すげえよインカラマッちゃん！

インカラマッ

アハハハッ

白石

次のレースも頼むぜ！

インカラマッ

白石さん、いいものがあります

白石

え？

インカラマッ

これはイケマの根です

インカラマッ

とても嫌な匂いがするもので魔除けに使われていました

白石

おいくらですか？

インカラマッ

七十銭です

白石

くださーい！

インカラマッ

次に勝つ馬は2番です

白石

よーし、頼むぞ、2番来い！

アシリパ

いた、脱糞王と赤キツネ

杉元

おい白石

白石

あ？

白石

ああん？

忠成

えっ…

白石

おう、貧乏くさいのがいると思ったらお前らか

杉元

白石てめえ

杉元

アシリパさんに借金があるくせにまた競馬とは、いい度胸してんな

白石

借金？

白石

ああ、いくらだっけ？二円？三円？

白石

オラ拾いな！

杉元

ああ、何？こいつ

アシリパ

目を覚ませ白石！(ストゥで殴る

白石

ギャハッ

アシリパ

占いで博打をするなんて、必ず痛い目に遭うぞ

アシリパ

このキツネ女にたぶらかされるな！

白石

誰がキツネ女だ無礼者、インカラマッ様と呼べ

忠成

イケマの根のせいでお前息まで臭くなったか…

キロランケ

次に勝ちそうなのは3番か4番だな

白石

キロランケも占いやるの？

キロランケ

俺は小さい頃から馬に乗って育った

キロランケ

馬に詳しいから、日露戦争でも

キロランケ

工兵部隊の馬の世話を任されていたぐらいさ

インカラマッ

確かにキツネの頭骨も、3番が勝つと示しています

白石

3番ですね！買ってきます！

杉元

またこの野郎！

キロランケ

ん？

忠成

なんだそれ、帽子？

キロランケが帽子をかぶる

忠成

お、似合ってんじゃねえか

男性

ここにいたのか、高崎

男性

捜したぞ！

キロランケ

何？

忠成

高崎ぃ？

男性

おい、全然違うだろバカ！

男性

高崎はこんなヒゲ生えてねえだろ？服装もアイヌじゃねえか

男性

ああ…

キロランケ

どうかしたのか？

男性

その帽子の騎手が逃げちまった、あんた馬に乗れるかい？

男性

はあ？

男性

騎手は八百長を馬主に指示されて逃げたのさ

男性

馬主はヤクザの親分さんでね

男性

人気のない馬を勝たせようって計画だ

男性

失敗すれば報復される

男性

こいつにはレース前に水をたくさん飲ませる

男性

そうすりゃガクンと遅くなる、あんたは普通に乗ってりゃいい

忠成

…(なんつーひでぇ話だ…)

キロランケ

…

キロランケ

お前だって勝ちたいだろうに

馬のいななき

男性

ほらちゃんと抑えとけよ

キロランケ

ん？あいつら何やってんだ？

忠成

管で何やってんだ？

男性

あの馬を勝たせるんだ、水にマムシの粉を混ぜて、ゴムの管を鼻に突っ込み、無理やり流し込む

男性

間違って管を気管に入れて死んじまう時もあるんだがね

忠成

(馬を丁寧に扱えないのかこのバカ造が……)

忠成

(1発殴りたいところだが、抑えておかなければ…)

キロランケ

おい

杉元

うん？

杉元

だれ？

アシリパ

あ…

白石

もしかして…

キロランケ

お前ら俺に賭けろ

アシリパ

ヒゲが…

忠成

キロランケ、どっちも格好良いだろ？

杉元

あ、そう…

杉元

で、どういうわけだ？

キロランケ

細かい話は後だ、最終レース、3番の馬に乗る

キロランケ

俺が勝つぜ

白石

インカラマッ様

白石

占ってくださいませ、迷える私めをお導きください！

インカラマッ

わかりました

インカラマッ

シラッキカムイが3番は勝たないと示しています

白石

う…うう…

アシリパ

白石、もうそこまでにしておけ

アシリパ

占いというのは、判断に迷った時に必要なものだ

アシリパ

私たちのこの旅に迷いなんかない、だから、占いも必要ない

インカラマッ

シラッキカムイは6番が勝つと示しました

白石

6番ですね、全額賭けてきます！

杉元

白石この野郎！

白石

ぐわっ…

杉元

爆薬の金くらい残しておけ！

白石

嫌だ、俺は勝負するんだ、インカラマッ様！買ってきて！

インカラマッ

わかりました

アシリパ

待てー！

忠成

俺も一度だけ賭けてやろう

杉元

おいッ忠成ふざけんな！

忠成

大丈夫だ、俺はキロランケに賭けるから

杉元

…わかった

アシリパ

キツネ女！

インカラマッ

ん…

インカラマッ

止めにきたんですか？

インカラマッ

もう買っちゃいました、全額6番、でも外れたほうがあなたには好都合なんじゃないですか？

アシリパ

ハッ…

インカラマッ

あの方たちが大金を手にしてしまったら、アシリパちゃんに協力するでしょうかねぇ？

インカラマッ

あなたの目…

インカラマッ

お父様と同じきれいな色ですね

アシリパ

ああ…

忠成

(ここで買うのか…)

忠成

よし、買えた(まあ、そこまで額を賭けたわけじゃないし、いいだろ…)

忠成

あ…アシリパ

インカラマッ

また会いましょうね、アシリパちゃん

アシリパ

あ…

忠成

アシリパ！

アシリパ

忠成！

忠成

大丈夫か？何かあったのか？

アシリパ

……

アシリパ

大丈夫だ、戻ろう。

キロランケ

この馬の名前は？

男性

烈風だ、いいかい？勝たせるのは6番だ

男性

6番を1着にしねえと、俺たちぶち殺されるぜ

男性

この水、烈風に全部飲ませておけよ

キロランケ

行こうか、烈風

ﾊﾞｼｬｯ(バケツの水がこぼれる

レース開始

キロランケ

(ﾊﾞﾁｯ)あ…

忠成

キロランケ…！

杉元

キロランケが出遅れちまった

白石

そ〜らやっぱり

キロランケ

う…

騎手

(前の方)邪魔すんなてめえ！

騎手

ぐはっ…

キロランケ

ん…

烈風が転がっている騎手を飛び越える

キロランケ

行け！烈風、突っ走れ！

男性

おい見ろよ！

男性

なんだあの3番の乗り方！

キロランケ

ハッ

忠成

おお

アシリパ

あ…

アシリパ

この一枚だけ3番だ

キロランケ

行け、烈風！行け行け！

騎手

ん？

男性

あいつ何やってるんだ！

男性

やめろやめろ！

白石

ダメー！

杉元

行けー！キロランケ！

忠成

あいつすげえな…。

キロランケ

行けぇぇえ！！

キロランケ

さっさとずらかるぜ、

キロランケ

今頃大損したヤクザの親分が俺を捜してる

キロランケ

ん？白石は？

杉元

あそこでぶっ壊れてる

アシリパ

置いていこう

アシリパ

どうせ追ってくるだろう

忠成

やったな！キロランケ！

キロランケ

おう！

(建物が燃えている

土方

ん？

尾形

探し物はこれかい？

土方

何が狙いだ？

尾形

ここまできたのは、入れ墨のウワサを偶然耳にしたからなんだがね

尾形

床屋で見かけた時、すぐ分かった

尾形

俺は鶴見中尉の下で働いていたから、あんたらのことはよく知ってるぜ

尾形

腕の立つ用心棒は要らねえかい？

尾形

土方歳三さん

白石

お〜い

アシリパ

脱糞王、夢から覚めたか？

白石

ああ、悪い夢を見ていたようだ〜

白石

博打なんかに手を出すもんじゃねえな、反省したよ〜

忠成

ホントか〜？

杉元

てめえ、何も反省してねえな

キロランケ

とっとと準備しろ、網走は遠いぞ

白石

その前に…

杉元

うん？

白石

とっておきの情報を聞く気はねえか？

杉元

またろくでもない話じゃねえだろうな？

白石

まあ聞いてくれ

白石

ススキノのかわい子ちゃんから聞いた話では…

回想

家永

ひと月前、ホテルに1人の男が来た

家永

その男は泥棒で、ある家に侵入した時、異常なものを見たそうだ

家永

そこでは死体から人間の剥製が作られていて

家永

ヤクザのくりからもんもんではない、奇妙な入れ墨の皮もあったと

白石

その家が夕張にあるんだと

白石

網走の計画だって上手くいく保証はないんだからよ

白石

道すがら、囚人や刺青人皮の情報が手に入るなら、そこへ向かって見るべきだと思うんだよな

杉元

夕張か

忠成

行ってみる価値はあるな

杉元

(こちらが手にした入れ墨の暗号は5人分)

杉元

(鶴見中尉が少なくとも刺青人皮を一枚持ってる)

杉元

(あちらは増えただろうか)

杉元

ん？

アシリパ

…フッ

杉元

ああ…

忠成

終わりです〜

忠成

ここで一つ言いたいことがありまして

忠成

主は受験生なので受験が近くなると更新頻度が落ちるかもしれません、ご了承ください

忠成

じゃあ、また

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リーベ

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