one who is destined to be ..

ｺﾝｺﾝｯ .. " 失礼します ..ｯ "

ｶﾞﾁｬｯ ..

.. ありきたりな言葉で表すには勿体ないが , 可愛い .. ただそう思った , それが第一印象, そしてこの先も変わらないであろう ｲﾒｰｼﾞだ ..

多少 ｻｲｽﾞが大きいのか , 灰色の ﾊﾟｰｶｰ を燃え袖にして , 頼りなく被った ﾌｰﾄﾞから見える瞳は ｸﾘっとしている.

何かの小動物化の様に警戒しているのか , 恐る恐る部屋に入り , ｷｮﾄﾞｯ としていて , 見ているこちらが不安になりそうだ.

社長のもとに駆け寄っていたが , 急に僕が視界に入ったのか , 驚いた声をあげ , その反動で躓いたのか , こけそうになりながらも体制を持ち , 危なかった .. と胸をなでおろしている一人の少年.

"ｸﾞｶﾞ"と呼ばれたその子は , 僕より体が一回り小くて .. ﾐｽﾀｰｱｺﾞﾋｹﾞ.. じゃない , 社長にそう言われ . 急いで ﾊﾟｰｶｰ の裾を握り締めている ..

いや, ｽｰﾂ は大きすぎるとか言っているが,どう考えてもその ﾌﾞｶﾌﾞｶ そうな ﾊﾟｰｶｰ も ｻｲｽﾞが大きそうだけど ..

じっくりと見つめられ , 気まずく居心地が悪いが , ｷﾗｷﾗ と好奇心で輝いた目で見つめられるのも悪い気はしない ..

というか .. 先ほどから ﾐｽﾀｰｱｺﾞﾋ ..じゃなくって, 社長の事を父さんって呼んでいるが .. もしかして .. 社長の息子さん .. ?

へぇ .. 数学15点だったのか ..

言えない .. 流石に言えない , この前の数学の ﾃｽﾄ で僕は15以下だったってことを .. 言えない ..

ﾊﾟｰｶｰ の燃え袖で顔を隠し , 何故か恥ずかしがっているような ﾁｮﾝ･ｼﾞｮﾝｸﾞｸ さん , いちいちすべての仕草が可愛い ..

社長は黒 ﾒｶﾞﾈ ｵｼﾞｻﾝ をつれて , 部屋を出て行ってしまった .

突如 , あまりよく知らない年下の子と二人きりにされ ,, 若干の気まずさが漂う .

ﾏﾈｰｼﾞｬｰ って .. 大人がするものだと思っていたけれど .. 僕より二つ下の子に任せていいものなのだろうか , と .

こちらにおずおずと ﾍﾟﾝ と用紙を差し出してくる ﾁｮﾝ･ｼﾞｮﾝ ｸﾞｸ さんから紙などを受け取り , 一通り目を通して , ｻｲﾝ を書く .

ずっと ﾌｰﾄﾞで顔を隠したまま , 燃え袖で顔を隠したままの ﾁｮﾝ･ｼﾞｮﾝｸﾞｸ さんに声をかけるが , 恥ずかしそうに俯いて何でもないです , で返される .

ううん ~ やりにくいなぁ ..

いっその事 , 強制的に ｼﾞﾐﾅ を連れてくればよかったな , とか思いながら .

二人で ﾀｸｼｰ に乗る, 僕が済んでいるあたりじゃ, 田舎すぎるため, ﾀｸｼｰ などめったに見かけないというのに, 流石 ｿｳﾙ だ.

隣に目をやると, ﾊﾟｰｶｰ をこれまたやはり燃え袖にして, 頼りなく両ひざに手を置いている ﾁｮﾝ･ｼﾞｮﾝｸﾞｸ さん.

.. 同性だけど,, この仕草をやられるとなぁ ..

僕が映画の脇役をするって .. ? 信じ難い事実を言い放され, 驚きに言葉が出なくなってしまう.

先程からずっと顔を ﾀﾞﾎﾞっとした ﾊﾟｰｶｰ で覆っていて, 恥ずかしがっている様子なのだが ,, その様子がなんとも可愛らしい小動物のようだか ..

よく聞き取れなかったのだが, 途端に ﾊﾟｰｶｰ の袖から少し見える顔が赤くなってゆく ﾁｮﾝ･ｼﾞｮﾝｸﾞｸ さんの反応が見れて正直困惑している ..

何に対して恥ずかしがっているのか, 照れているのか .. よくわからないけれど.

窓の外を眺めていたようすの ﾁｮﾝ･ｼﾞｮﾝｸﾞｸ さんが戸惑うように声をあげた, ｿｳﾙ と比較してあまりにも田舎すぎるから興味深いのだろうか ..

ﾀｸｼｰ は僕の学校や家のある馴染み深い町に来ていた.

先程からしきりに窓の外を気にかけている様子の ﾁｮﾝ･ｼﾞｮﾝｸﾞｸ さん ..

僕より二歳年下なのに .. 一人暮らししているなんて .. 凄いなと思いながらも, それと同時にどれだけ寂しいのだろうかと考えている自分が居た.

ﾊﾟｰｶｰ の袖で覆っている顔が, いずれはしっかり姿を見せてくれるくらい仲良くなれたらなぁと思った.

純粋に .. もっと知りたいな .. そう感じたんだ.

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