テラーノベル
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2019/06/13
同じ時間、同じ場所に彼女がいた。 彼女は僕と目が合うとぱぁっと無垢な瞳を輝かせたが そして、また元の無表情に戻ると 膝に抱えていた破れた文庫本を、そっと僕に差し出した。 すると彼女らそこに描かれているイラストを次の順番で指さしていく。 赤いランプ、毒の入った釜、鎖で固定された箱 「?それ、好きなのか?」 聞くと彼女は首を横に振った。 「まあいいや。絵本持ってくるなんて珍しいな、いつも小難しい小説ばっかなのに」 なんて茶化して、家に帰って風呂に入ってるときに察した。 彼女の伝えたかったことを。
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