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꒰𑁬琴音໒꒱ 𓏸*˚
50
コメント
19件
もう、本当に辛い…幸せになって欲しかった! 5分で憂鬱になりましたね
ウッ……やめてくれぇ… 尊敬しますホントに
鬱だ……
少女、氷室水乃里と出会ったのは、 人気のない深夜の公園だった。
?
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一斗
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水乃里
水乃里
彼女との出会いは、このクソみたいな俺の人生を大きく曲げてくれた。
一斗
一斗
水乃里
水乃里
水乃里
ほんの気まぐれのつもりだった。
0か100かでしかの物事を捉えられない、 ゴミ同然の父親の愚痴を、誰かに話してすっきりしてしまいたかった。
一斗
一斗
一斗
一斗
一斗
一斗
水乃里
水乃里
一斗
一斗
一斗
一個下、それかちょうど同年代の女子に、 自分が一番言われたかった言葉を言われただけで、呼吸がこんなにも楽になるなんてことを、俺はその時初めて知った。
太い縄で固く縛られていた心が、手に血が滲むほど強い力で無理やり解くのではなく、 誰かの言葉で、こんなにも呆気なく解けることを知った。
こんな経験は、初めてだった。
一斗
水乃里
一斗
一斗
水乃里
案の定、氷室水乃里の家庭環境も まともな家庭とは程遠いものだった。
水乃里
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
水乃里
水乃里
水乃里
水乃里
酒に溺れた父と、宗教に狂った母。
姉を失った幼い娘のことなど忘れ、氷室水乃里の両親は壊れていった。
水乃里
水乃里
水乃里
水乃里
優しかった母に牙を剥かれ、 頼れる父に敵意を向けられ、 幼い彼女はどれほど傷付いていたことだろう。
失敗作の俺には、 目の前で「寂しいの」「痛いの」と涙をこぼす少女に、気の利いた言葉などかけられる筈もなかった。
一斗
水乃里
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
一斗
一斗
水乃里
一斗
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
水乃里
一斗
母親の嘲笑も、クラスの女子の笑い声も、全部が不快で堪らなかった。
それなのに、氷室水乃里の笑い声だけは、不思議と苛立たなかった。
水乃里
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
水乃里
水乃里
水乃里
一斗
ほんの気まぐれのつもりだった。
ほんの気まぐれの、つもりだった。
一斗
水乃里
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
氷室水乃里に、 「もし良ければ、傍に居てほしい」などと告白まがいのことを言われたときは、流石に俺も驚いた。
まだ13のくせに、生意気に髪を金髪に染め上げ、他人から奪い取ったバットを常に持ち歩いている俺と、
危険だと分かっているのかいないのか、深夜に一人で公園のベンチに座っている、警戒心のない氷室水乃里。
お互いの心の穴を埋めるには、 ちょうど良かった。
深夜に氷室水乃里と会うようになってから、俺の人生は一変した。
水乃里
一斗
水乃里
一斗
水乃里
一斗
水乃里
一斗
水乃里
一斗
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
薄ぼんやりとした月明かりだけを頼りに、お互いの体温を分け合う夜。
それがどうにも心地良くて、いつしか俺の大切なものになっていった。
水乃里
水乃里
一斗
一斗
水乃里
一斗
一斗
水乃里
水乃里
水乃里
一斗
好奇心旺盛で真っ直ぐで、でも素直じゃない氷室水乃里のことが、愛おしくて堪らなかった。
父の暴力を止めるどころか、一緒になって叩いてくる母よりも、 俺のことを失敗作だと罵る父よりも、 俺に似て出来損ないの弟よりも、 ろくに話したこともない妹よりも、
好きという言葉じゃ表せない程、氷室水乃里への気持ちは大きかった。
大切だった。何よりも。
大切だった、のに。
水乃里
一斗
一斗
一斗
一斗
水乃里
水乃里
頭が真っ白になった。
こうなる可能性を考えなかったわけじゃない。でもどこか他人事で、「きっと大丈夫だろう」と高を括っていた。
水乃里
水乃里
水乃里
俺が馬鹿だった。
深夜に女子中学生が一人。 危険なのは目に見えて明らかだった。
どうしてもっと早く来てやれなかった? どうしてもっと早く助けられなかった? どうしてもっと早く気が付けなかった?
警察の職質から二人で逃げた時、気が付けなかったか?深夜の徘徊は危険だと、皆分かっているようなことを、どうして気が付けなかった?
結局、何も変わっていない。 父が言っていたように、俺は失敗作で出来損ないで、どうしようもないゴミカス野郎だ。
水乃里
水乃里
水乃里
水乃里
水乃里
水乃里に、 「一緒に死んでほしい」と言われて、
どうしてそこで断らなかったのだろうか。
「俺はまだ死にたくないんだ」と 「一緒に生きていたいんだ」と 「お願いだからお前は生きてくれ」と
俺のエゴを押し付けていたら、 未来は変わったのだろうか。
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
水乃里
一斗
水乃里
一斗
一斗
水乃里
水乃里
水乃里
薄れゆく景色の中、赤く染まる水乃里の唇が、微かに動いたのを見た。
水乃里
水乃里
水乃里
その光景が、その音が、 脳裏にこびりついて離れない。
一斗
一斗
一斗
一斗
一斗
一斗
CHARACTER 菅野未一斗 / 氷室水乃里