願イ喰ラフ獣達

私には大好きな人が居た

毎日毎日あの人の事を考えてしまう

これは恋だ、そう思った

…ある日、心を決めて 告白する事にした

この後の言葉を、今も鮮明に覚えている

私の1番聞きたくなかった言葉

何を言われたのか理解するのに 時間がかかった

頭の中が真っ白になって 軽いパニック状態だったのかもしれない

私は先輩の首を絞めていた

先輩は動かなかった

かろうじて死ぬ事は無かったが 先輩は私の事を見てくれなくなった

後悔したがもう遅かった

先輩がお店に入った

パシャ

先輩が楽しそうに喋っている

パシャ

先輩が料理と飲み物を頼んだ

パシャ

先輩が料理を食べている

パシャ

先輩がトイレに行く

パシャ

先輩が食べ終わった

パシャ

先輩が会計をする

パシャ

先輩がお店を出る

パシャ

先輩が図書館に入る

パシャ

先輩が本を取る

パシャ

先輩が本を読む

パシャ

先輩が本を読み終わる

パシャ

先輩が本を借りる

パシャ

先輩が図書館を出る

パシャ

先輩が階段を登る

パシャ

先輩が鞄から鍵を探す

パシャ

先輩が扉を開ける

パシャ

先輩が部屋の電気を点ける

パシャ

先輩がカーテンを閉める

パシャ

先輩は頭も良くて勘も良いから

私が毎日先輩について行って 写真を撮っている事は知っていた

そのせいでノイローゼ気味だから もう辞めてくれと何度も言われた

辞めるわけが無い

…痺れを切らしたのか呼び出された

あれ？

何でだろう

どうして私

先輩が私に掴みかかる

大好きでしたよ、先輩

私は満たされたかった

私の心から好きな物で

でも中々相手が見つからなかった

もう諦めようとした

でも、人狼ゲームに参加したお陰で

私の運命の人に出会えた

私は確信した

"これは恋だ"、と

【✴︎DEATH LIVE✴︎】

美兎は椅子に座らされている

近くには沢山のカメラがあり シャッター音がなったり Live配信をされたりしている

暫く時間が経つと突如床が開き そのまま落下して行く

下はトランポリンの様になっていた

落ちても怪我は無かった

男達が出てきて 「踊って」と口々に言う

しかし美兎は踊らず 動きだす気配もない

怒った男達は 落ちていた石を拾い 美兎に投げつけ始める

ガッ　ガッ

石が当たり続ける

既に美兎は血塗れだ

それでも反応の無い美兎に男達は

ライターに火をつけ こちらに投げつけて来た

ステージが火の海となる

煙で咳き込み 火の熱さで大量に汗をかいている

ステージのセットが燃えて 既に崩壊しかけている 天井が落ちるのも時間の問題だ

美兎はカメラ越しにこう言った

その瞬間セットが崩れ

美兎はセットの下敷きになった