夕方になり、大学が終わったぼくはスーパーで買い出しをしてから家に帰って来た。
ガチャッ
大森
玄関を開けると、リビングから夕焼けの明かりが漏れているだけで電気は付いていなく薄暗かった。
藤澤
ぼくが靴を脱いでいると、なぜか慌てた様子の涼ちゃんが自分の部屋から顔を出した。
藤澤
藤澤
仕事が中々終わらなくて…と申し訳なさそうにする涼ちゃん。
大森
大森
ぼくはそう言って、涼ちゃんを部屋に押し戻すと、真っ直ぐキッチンに向かった。
と言っても、そんなに難しい物は作れないので、 今日のメニューは、豚肉とキノコの丼ぶり! 涼ちゃんの好きなキノコは奮発して何種類か買ってきた。
喜んでくれたら良いなと思いながら作っていく。
慣れない料理に苦戦しながらも、後はご飯に盛り付けるだけの所で、涼ちゃんがリビングに入ってきた。
藤澤
匂いに釣られて来ちゃった!と笑う涼ちゃん。
大森
藤澤
大森
ぼくは持ってたどんぶりを涼ちゃんが待つテーブルに置いた。
藤澤
藤澤
食べる前からニコニコな涼ちゃんを見て、 作って良かったと思ったし、なぜかぼくまで嬉しくなる。
大森
二人で手を合わせて“いただきます”をして一口食べてみる。
藤澤
大森
ちょっと自分の事、天才かもしれないと思うくらい美味しいけど、正直これは焼肉のたれが優秀なだけだと思う。 でも、涼ちゃんが美味しいって言ってくれてすごく満足だった。
藤澤
口に頬張りながら笑う涼ちゃんが、年上なのにとても可愛く思えた。
お互い完食した所で、ぼくは冷蔵庫に向かって、小さめの箱とお皿とフォークを持ってくる。
大森
自分はチョコレートケーキ、涼ちゃんにはショートケーキをお皿に乗せて渡した。
藤澤
大森
藤澤
大森
藤澤
大森
藤澤
大森
藤澤
急にぼくが笑いはじめたから、涼ちゃんが不思議そうな顔でぼくを見る。
大森
藤澤
涼ちゃんも笑い出して、さらに可笑しくなって、二人で笑いあった。
大森
藤澤
大森
今日行ったお店は苺が乗ったケーキしかなかったから、自分の分の苺を、涼ちゃんのケーキの苺の横にぐっと乗せた。
藤澤
涼ちゃんは苺が2つ乗ったケーキを見て面白そうに笑った。
藤澤
大森
藤澤
謎が解けたよ!と言って涼ちゃんは笑った。
コメント
3件
「涼ちゃん!食べて、苺!」が、可愛い❗