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夕方になり、大学が終わったぼくはスーパーで買い出しをしてから家に帰って来た。

ガチャッ

大森

ただいまー。

玄関を開けると、リビングから夕焼けの明かりが漏れているだけで電気は付いていなく薄暗かった。

藤澤

お帰り!

ぼくが靴を脱いでいると、なぜか慌てた様子の涼ちゃんが自分の部屋から顔を出した。

藤澤

もうこんな時間?!

藤澤

ごめん!今日は僕が夕飯作ろうと思ってたのに!

仕事が中々終わらなくて…と申し訳なさそうにする涼ちゃん。

大森

大丈夫!

大森

今日はぼくが作るから、涼ちゃんは仕事頑張って!

ぼくはそう言って、涼ちゃんを部屋に押し戻すと、真っ直ぐキッチンに向かった。

と言っても、そんなに難しい物は作れないので、 今日のメニューは、豚肉とキノコの丼ぶり! 涼ちゃんの好きなキノコは奮発して何種類か買ってきた。

喜んでくれたら良いなと思いながら作っていく。

慣れない料理に苦戦しながらも、後はご飯に盛り付けるだけの所で、涼ちゃんがリビングに入ってきた。

藤澤

めちゃくちゃいい匂い〜。

匂いに釣られて来ちゃった!と笑う涼ちゃん。

大森

ちょうど出来たとこだから、座って待ってて。

藤澤

は〜い!
元貴のご飯久しぶりだなぁ。

大森

はい!どうぞー。

ぼくは持ってたどんぶりを涼ちゃんが待つテーブルに置いた。

藤澤

わあ!キノコだ!

藤澤

しかも色んなキノコ入ってる!嬉しい!

食べる前からニコニコな涼ちゃんを見て、 作って良かったと思ったし、なぜかぼくまで嬉しくなる。

大森

味は焼肉のたれだから美味しいはず!

二人で手を合わせて“いただきます”をして一口食べてみる。

藤澤

美味しい〜!

大森

うまっ。

ちょっと自分の事、天才かもしれないと思うくらい美味しいけど、正直これは焼肉のたれが優秀なだけだと思う。 でも、涼ちゃんが美味しいって言ってくれてすごく満足だった。

藤澤

元貴、天才だね!

口に頬張りながら笑う涼ちゃんが、年上なのにとても可愛く思えた。

お互い完食した所で、ぼくは冷蔵庫に向かって、小さめの箱とお皿とフォークを持ってくる。

大森

涼ちゃん、今朝は嫌な態度取っちゃってごめんなさい。

自分はチョコレートケーキ、涼ちゃんにはショートケーキをお皿に乗せて渡した。

藤澤

えっ、

大森

なんか、朝イライラしちゃって…
嫌な態度取っちゃったのがずっと気になっててさ…

藤澤

そんな!僕こそごめんね。

大森

え、なんで涼ちゃんが謝るの?

藤澤

若井君の事、勝手に泊めちゃったの良くなかったなって思って。

大森

そんな!全然大丈夫だよ!
それに、元はと言えばぼくが悪いんだし!

藤澤

でも…!

大森

……ぷっ、ふふっ

藤澤

急にぼくが笑いはじめたから、涼ちゃんが不思議そうな顔でぼくを見る。

大森

ごめんっ、なんかお互い謝り合って、変なのって思っちゃって…ふふっ。

藤澤

ふふっ、確かに。

涼ちゃんも笑い出して、さらに可笑しくなって、二人で笑いあった。

大森

ケーキ食べよ?

藤澤

うん!

大森

涼ちゃん!食べてぇ、苺!

今日行ったお店は苺が乗ったケーキしかなかったから、自分の分の苺を、涼ちゃんのケーキの苺の横にぐっと乗せた。

藤澤

わあー!懐かしい!

涼ちゃんは苺が2つ乗ったケーキを見て面白そうに笑った。

藤澤

お皿に乗っければいいのに、小さい時もこうやって、わざわざケーキの上に苺を乗っけてきたんだよ。

大森

えー?だって、苺はケーキの上にあるもんでしょ?

藤澤

ははっ、そう言う事だったんだぁ。

謎が解けたよ!と言って涼ちゃんは笑った。

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312

コメント

5

ユーザー

多分だけどこのもっくん ダイエット中かな? (伝われ!!)

ユーザー

「涼ちゃん!食べて、苺!」が、可愛い❗

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