ふたりのおもい

俺は昔から女性より男性に惹かれることが多かった

初めて明確な好意を抱いたのも男性だった

男性が好きということで一線を引かれることがあるということがわかっていた

おれはその事が誰にもバレないように生きてきた

それでもやはり欲は湧く

1度だけ男性専用の出会い系で相手を探しホテルに行こうとしたことがあった

アプリで何度かやり取りしたその人は直接会っても良い人でこの人ならいいかもしれないと思った

その人に連れられてホテルへ入ろうとした時

一番見られたくない相手に会ってしまった

俺は言葉を失った

手を引かれても足が動かなかった

そう言って手を振りほどくと俺は颯斗の方に行くでもなく走ってその場を後にした

次の日

分かっていた事だが仕事に行くと颯斗に呼び出された

本人を前にすると昨日一晩考えた言葉は一言も出てこなかった

上手く言葉が出ない

やっと出た言葉はとても冷たいものだった

颯斗から出た言葉におれはとても恥ずかしくなった

穴があったら入りたい

確かにその通りだ

自分の欲のためにとても危険なことをしていたのだ

その後颯斗が言ったことはもっと俺を驚かせた

確かに颯斗の言うことは理にかなっている

本当にいいのだろうか

それでも俺は好奇心に駆られ思わず

と返事をしてしまった