小さな町の外れにある劇場 小さな町には浮いたとても大きな劇場 劇場内もとても豪華で美しい 丁寧に漆の塗られた座席 気品溢れる赤いベルベットのシート 劇場内の様々なところに施されている 金細工 その全てが非日常を切り取り垣間見るには ぴったりな場所
その劇場で、月に一度 街も寝静まった時間に 上演される演目がある。 「Mad Tea Party」 その演目は様々な狂った世界が 演じられていた
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本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。
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今夜も狂気と愛憎の世界を皆さんをお連れ致します。
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案内人はわたくし、狂った帽子屋が努めさせて頂きます。
パチパチパチ
狂った帽子屋
今夜ご案内させていただきますは、ある美しく優しい少年のお話。
狂った帽子屋
美しい少年の狂気の世界をお楽しみくださいませ。
ブーーーーーーー
劇場にカーテンコールが響き渡り幕が上がる どんな狂ったお話が繰り広げられるのか… 狂気の世界へ…ようこそ…
ある町外れの小さな農家の家。 そこには農夫と少年が2人だけで 暮らしていた。
お父さん
シン。シンどこにいるんだ
シン
ごめんなさい今帰ってきました。
お父さん
どこに行っていたんだ。
シン
水が無くなっていたから井戸まで水を組みに行っていたんです。
お父さん
そうか。
お父さん
私にちゃんと言ってから行きなさい。
シン
ごめんなさい。
お父さん
はぁ、まあいい。
お父さん
シン。こっちに来なさい。
シン
はい。
少年、シンは座っている男の膝の上に 腰を下ろした。
お父さん
あぁ、お前は本当に美しい。
こんなにも美しい人間を私は見た事がないよ。
こんなにも美しい人間を私は見た事がないよ。
お父さん
髪も、足も、手も全てが美しい。
シン
〇〇〇さん…もう辞めてください…
お父さん
名前で呼ぶな!!
男はシンに向かって今まで向けていた うっとりした声ではなく大きな声を上げた
シン
ひっ…ご、ごめんなさい!
男が勢いよく立ち上がり、 シンは男の膝の上から落ち、そのまま座る。
お父さん
父さんと呼べと何回言えば分かるんだ!!
なぜそんなにも聞き分けが悪い!
なぜそんなにも聞き分けが悪い!
シン
本当にごめんなさい!父さん!
お父さん
お前には再教育が必要だ。こっちへこい!
シンの髪の毛を鷲掴み、家の奥の暗い部屋へシンを引きずって行った。