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カランコローン. . .
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
(淡い紫色の本を取り出す)
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
むかし、むかし。
とある所に、 しあわせな三人家族が おりました。
優しく、子供に甘い、心配性の母親と 優しく、時に厳しい、とっても頼れる父親と そんな両親を酷く愛している 優しい少年でした。
そんな少年の名前は、 小雨 夕陽 といいます。
夜に沈む太陽のように、 誰かの目を惹き、 誰かを救い、 誰かに愛される子になってほしい と言う意味を込めて、付けられた名前でした。
彼は、自分の名前が大好きでした。 ですから、名前の由来も大好きでしたし、 勿論、太陽も夕日の景色も愛していました。
本当に、心底、 自分の名前を 愛していました。
ですが。
とある日の、ことでした。
その日は、いつにもまして夕日が綺麗な日でした。
信号の、向こう側。 海に、夜に沈んでいく太陽を追いかけて
もっと、綺麗な夕日を見ていたくて。 名残惜しくて。 沈まないでほしくて。
少年は、太陽の方へと手を伸ばし、 駆け寄りました。
“猛スピードで 突っ込んでくるトラックに気が付かずに。”
目が覚めた頃には、全てが終わっていて。
母親が泣いていて、 祖母が「貴方だけでも生きていてくれて良かった」と頭を撫でてくれて、 担任の先生が、「今はゆっくり休んでね」とお見舞いに来てくれて、
そんな誰かの言葉と、いくら待っても姿を見せない父。やがて、少年は悟りました。
その通りでした。
彼の父は、車道に飛び出した少年を身を挺して守り、そのまま帰らぬ人となったのです。
愛する父を殺したのは、 優しい母が愛した夫を殺したのは、 しわくちゃの手で撫でてくれる 祖母の一人息子を殺したのは、
紛れもない、彼自身でした。
その事実に気付いた彼は絶望しました。
絶望して、吐いて、悔やんで、暴れて、叫んで、泣いて、泣いて、泣いて
自分自身を 責め続けて
あれほど大切だった自身の名前を、 恨み、憎むようになりました。
こんな名前を付けた両親のことも、 嫌いになりそうで
そんな自分が吐くほど嫌で、許せなくて、 何度も何度も、自分を責め続けました。
それでも、たった一人の家族……母の為に笑顔を繕って、父の死の事は口にせず、 思春期の学生らしく、厨二病のフリをして、 ずっと、ずっとずっとずっと笑顔で。
彼は今でも、 父を殺した“悪魔”として、生き続けています。
生きる意味など、 とっくに失ってしまったと言うのに。
……パタン。
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
コメント
23件
彼をどうしても元気づけるために「あなたが生きてよかった」とか「無理しないでね」とか励ましてるまわりがあまりにも優しすぎて泣きそう。いい子よ、あなたは
私には曇らせ耐性があるので、こんなので心は動かないんですよね…www わりぃ、やっぱつれぇわ……
棗ちゃんってクッソ可愛いよね 可愛いのが悪いんだよね 君も過去重いもんね 本当に結構ちゃんとした胸糞だもんね