テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
カランコローン. . .
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
(赤と黄色のグラデーションの 厚い本を取り出す)
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
むかし、むかし。
とある所に、 四人家族が おりました。
そこの両親は、 妹ばかり可愛がる酷い親でした。
姉のランネは、いつも後回し。 放っておかれ、誕生日すら祝ってもらえない。
ランネは、ずっと寂しさを感じておりました。 それでも、言葉にせずに、黙って両親からの愛を望んでいました。
何故、何も言わなかったのかって?
簡単な理由です。 嫌われたく、なかったからです。
何かを言ったら、何かを望んだら、 役に立とうと行動したら。
「お前は邪魔だ」「迷惑だ」と一蹴され、 目も合わせてもらえなくなるのです。
彼女は、彼女はそれが、 苦しくて悲しくて、辛くて堪りませんでした。
少女は 愛に飢えていました。
ご飯も、お洋服も、きちんと与えてもらいました。親としての役割は、果たしてもらいました。
ですが、それだけでは足りなかったのです。 もっと愛してもらいたかったのです。 愛されたかったのです。 妹の事も、愛してあげたかったのです。
そんな ある日のことでした。
その日、少女は誕生日でした。 めでたい、めでたい誕生日でした。
ですが、彼女の両親は、「おめでとう」の一言もかけてくれませんでした。 名前すら呼んでくれませんでした。
たまらなくなった彼女は、家を飛び出しました。 いつも暇を潰していた公園で、泣き崩れました。
そんな時でした。
優しい、優しい少女が、 声を掛けてくれたのは。
その子の名前は、“コトリ”と言いました。 小鳥みたいに美しい声の持ち主でした。
彼女は、愛されなかったランネに、沢山の愛情を注いでくれました。 友人になってくれました。親友になってくれました。家族になってくれました。
ランネは、次第にコトリに依存していきました。 家族に愛されなくても、見向きもされなくても、大丈夫になってきました。
笑顔が増えましたし、毎日を楽しく過ごしていました。その時だけは、幸せでした。
彼女さえいれば、他に何もいらない。
いらなかった、のに。
突然、 彼女が、ぱっと姿を消してしまったのです。
ランネは焦りました。たった一人の家族が、居なくなってしまったのですから。
勿論、沢山、たっくさん探しました。 森の中、川の底、路地裏の影、家の屋根………
でも。 でも。 何処を探しても、見つからないのです。
あの子は、いなくなったのです。
コトリはいなくなりました。 愛をくれる家族が、いなくなりました。
ランネは 一人になりました。
それから、何年か経ち。ある日、ランネは信じられない光景を目にしました。
それは、 家族の でした。
ランネ以外の家族が、心中したのです。 父の仕事で、何かトラブルがあったようでした。
知りませんでした。 父が荒れ、ずっと悩んでいたのも 母がそんな父のフォローに疲れ切っていたのも 妹が出来損ないの駄目人間になっていたのも
全部全部、 彼女にとってはどうでもいいことでした。
もう何もかも、どうでも良かったのです。
彼女の家族は、もういません。
彼女を愛してくれる人は、もういません。
彼女は、ずっと、 ずっと、一人なのです。
生まれた時から、ずっと。
……パタン。
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
(ピラッ)
とある日、成長したランネの元に、“希李菜”と言う少女が現れました。 どことなく、雰囲気がコトリに似ている、不器用で優しい女の子です。 彼女は、ランネを崇拝していました。 酷く、酷く愛してくれました。 次第に、ランネは希李菜に惹かれていきました。 ですが、もう、心の底から誰かに依存する事はしません。 だって、誰かの優しさに縋ってしまったら 居なくなった時、辛いのですから。
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
棗ーナツメー
コメント
39件
だから誰かさんの家にいたんですね。納得です
誕生日も祝ってもらえなかったなんて、可哀相に… じゃ、代わりに私が祝うね。 誕生日おめでとう!誕生日おめでとう!誕生日おめでとう!誕生日おめでとう!誕生日おめでとう!
中人)……あぁ好きぃ……推せますね……百合百合感じる……、……あのヤンデレな子と似てたのですね……お幸せに……(?)