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rara🎼
キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 緑様虐められ注意⚠️
rara🎼
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昼下がりの保健室は、静かな風が抜けるような時間が流れていた。
すちはいつものように、窓際の机でスケッチブックを広げていた。
鉛筆の先から流れるように描かれていくのは、今日の理科で扱った「消化器系」の図。
だが、それは単なる写しではなかった。
胃の中には、無数の黒い針のような線。
腸の奥に、何か詰まっているような影。
臓器の外側を囲むのは、鈍く光る何か__
名前の無い重圧のような何か。
なつ
保健室のドアが半開きになり、国語教師・なつがひょこっと顔を出した。
なつ
すち
なつはラフなシャツの袖をまくりながら、すちの隣に腰を下ろすと、スケッチブックを覗き込んだ。
なつ
なつ
なつ
すち
すち
なつ
なつ
なつ
なつはスケッチブックの端を指で軽くトントン叩いた。
なつ
なつ
すち
なつ
なつ
なつ
なつ
なつは教科書の一節を開き、そこにある短い詩を読み上げた。
かたちのないものに かたちを与えたい 与えたとたん それは逃げて それでもまた 僕は描く
なつ
なつの声は軽いけれど、その奥には確かな重みがあった。
なつ
なつ
すち
なつ
すち
なつ
なつ
なつは目を細めて、スケッチブックにすちの言葉をそのままメモした。
なつ
なつ
なつ
すち
すちの口元が、ふっと柔らかく緩んだ。
誰かと一緒に“何かを作る”こと。
それは、教室では与えられなかった居場所だった。
一方その頃、教室の後ろでは、昼休みのガヤガヤした空気の中で、また一つ“嘲笑”が交わされていた。
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
笑い声が、クラスの奥から小さく響く。
誰も止めない。
誰も、そこに違和感を持たない。
沈黙が、それを肯定している。
教師も、忙しそうにしているフリをして、見て見ぬふりをする。
ここには、正しさも痛みも、居場所すらない。
ただ、日常のように繰り返される無関心があるだけだった。
放課後、保健室には、またみことがやって来た。
みこと
すち
みこと
そう言ってみことが差し出したのは、一枚のプリント。
そこには短い英文が数行だけ並んでいた。
I couldn’t say what I wanted. So I drew instead. But drawing, too, was not enough.
みこと
すち
みこと
みこと
みこと
みこと
みことの目は優しいままだったけど、その奥に浮かんだものは、すちが今感じている痛みと、きっとよく似ていた。
みこと
みこと
すちはその詩を見つめながら、小さく呟いた。
すち
みこと
みこと
みこと
その夜。
すちは家に帰り、自室の机の上にスケッチブックを開いた。
その一ページに描かれたのは__
大きな教室。
窓際の席に、一人の生徒がぽつんと座っている。
その周囲に描かれた生徒たちは、みんな顔が無い。
笑っているのか、怒っているのかすら、分からない。
ページの端に、小さな文字が書かれていた。
だれも、ぼくを、見ていない
ぼくは、ここに、いない
そして、ページの裏。
そこには、保健室の絵。
あたたかい湯気の立つ湯のみと、五冊の教科書。
そこに描かれた六人の背中には、まだ表情がなかったけれど__
何かが、確かに始まりかけていた。
第5話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡60
rara🎼
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