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rara🎼
nmmn注意⚠️ 緑様虐められ注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️
rara🎼
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朝。
保健室のカーテン越しに、柔らかな光が差し込んでいた。
すちは、日課のように机にノートとペンを用意する。
「学校にいる」という事実が、少しずつ“苦痛”ではなく“静けさ”に変わっていくのを、すち自身が一番感じていた。
そこに、コツ、コツ、と靴音を響かせてやってきたのは__
いるま
いるま
社会教師・いるま。
鋭く冴えた目をしながらも、どこか気遣いのある態度。
保健室の机の上に、プリントを数枚、音を立てずに置く。
いるま
いるま
すちは黙って頷き、プリントに目を落とす。
《すべての人は法の下に平等である》
《自由とは、自分勝手に振る舞うことでは無い》
すち
すちの口から、ぽつりと疑問が漏れた。
いるまは軽く片眉を上げる。
いるま
いるま
いるま
いるまは椅子に座り直すと、ペンを取りだし、白紙の紙に大きく丸を描いた。
いるま
いるま
そう言って、丸の中央に小さな点を打つ。
いるま
いるま
すち
いるま
いるま
すちは静かにペンを握った。
白紙に書かれた「権利」と「義務」という言葉の間に、そっと線を引く。
__生きるということは、選ぶこと。
それが、いるまの授業の答えだった。
昼休み。
保健室のカーテンを揺らしながら、こさめがやってきた。
今日は数学は無いが、ふらっと差し入れを持って訪れたのだ。
こさめ
こさめ
すち
保健室の小さなテーブルに、三人分のカップとティーバッグを並べてくれていたのは、もちろんらんだ。
すち
すちがぽつりと漏らすと、こさめが微笑んだ。
こさめ
こさめ
すち
こさめ
そんな風に軽口を交わせるようになったことが、すちにとっては小さな奇跡だった。
その頃、教室の廊下では、教師と生徒の会話が断片的に聞こえていた。
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
いじめっ子
それを聞いていた担任教師は、眉を顰めるでもなく、ただ無表情で廊下を通り過ぎて行った。
その背中に、生徒たちは小声で笑う。
いじめっ子
いじめっ子
この教室には、まだ“誰も気付かないふりをすること”の方が正しかった。
放課後の保健室。
すちはスケッチブックに、今日の授業の内容を絵で描いていた。
円の中心に、大小様々な点。
点と点を結ぶ、細い線。
その一つひとつの中央に、小さく「問う」という文字が添えられている。
いるま
背後から声がして、いるまが机に肘をついて覗き込んできた。
すち
いるま
いるま
すちは照れたように、ページを閉じた。
すち
すち
いるま
いるま
いるまは軽く肩を叩いて、荷物をまとめながら言った。
いるま
すち
夜。
すちは、自室の机で、こっそりひとつ絵を描いていた。
それは、今日の教室を遠くから見つめている少年の後ろ姿。
ガラスの壁の向こうで、笑い合うクラスメイト達。
その輪の中に、少年の姿はなかった。
でもその絵の片隅に、小さく描かれたもうひとつの部屋。
そこには、六つの椅子と、並んで座る大人たち。
そして、中央に座る少年の表情には、ようやく少しだけ__
“色”が差していた。
第6話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡70
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コメント
2件
あっ好きですもうほんと好き語彙力がたりないぐらいめちゃ好きです!♡500押させていただきました! それと関係ないですがフォロバありがとうございます!