灰谷兄弟の妹は梵天に

蓮side

当時20歳

ﾄｺﾄｺﾄｺﾄｺ

ﾀﾞﾝｯ(肩があたる)

ﾄｺﾄｺﾄｺﾄｺ

ｶﾞﾁｬﾝ

薄い木の扉が閉まった途端、

私は一気に気が緩んだと同時に

凄く嫌な予感がした

自分の１番嫌いな、嫌な事をさせられるのではないか

何か大事なものに危害が加わるのではないか

もういい、考えるのやめよ

15分後

ｶﾞﾁｬｯ

うっかりしてた

早くここから逃げないと

鍵、あいつのポケットにある

他に出れる方法は

あそこだ！

ﾊﾟﾘｰﾝｯ

出来るだけ人混みに

あっちか

スピード感がありすぎて、

自分でも何が起きているのか分からなかった

ｶﾀﾝｺﾞﾄﾝ ｶﾀﾝｺﾞﾄﾝ

今は取り敢えず、これぐらいしか出来ないけど

ここまでくれば大丈夫

そんな漫画の中みたいな事を思っていた

本当は怖くてたまらないけど

どうにかして自分を安心させたかった

その後も、梵天に入るまで何度も見つけられて

捕まって

逃げては脅され

いつ、どうなるかわからないまま

ただただお兄ちゃん達を探す日々を過ごした

約1年前

当時25歳

ここはどこ？

なにしてたっけ

どうしよう

あれだけ逃げてたのに

せっかく梵天に入ったのに

ここで入ったら私は完全に裏切り者だ

それだけはしたくない

どうしよう

△△は大きいグループだから、今言ったことは本当にやりざるをえない

でも…

いや、ここで入れば皆

そうだ！

続く