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“コッチニ来ナヨ”
嗚呼、きょうも死神さんが 喚んでるよ
俺を向こう側に連れて行こうとするの
大我
北斗にメールを送る
すると、すぐに来てくれる
北斗
大我
ほら、予想通りに来てくれる
大我
北斗
ねぇ、北斗、 北斗なら分かってくれるでしょ
違うよ、そうじゃないの
大我
北斗
違う、違うの、そうじゃなくて、
大我
目の前が歪んで見えて、 自分の手に温かいものが触れるまで 泣いた事には気付かなかった。
そこに残ってたのは
俺のこのやりどころのない気持ちと
眉を下げて、明らかに動揺する 北斗の姿だった。
北斗には分かってくれるでしょ!!!
分からないよ、俺には
大我が何を考えているかなんて 分からない
大我と出会って、大我を好きになって
笑あって、食卓を囲んで、
大我との思い出はたったの 4日間だけど 零れるほど沢山ある
でも、俺は何も知らなくて 苦しむ原因も、流す涙の源さえも。
助けてるつもりだった
大我を幸せに出来ていると思った。
でも、違ったんだね違ったんだね 俺は助けてるつもりだっただけで 本当に伸ばした手は大我に 届いてなんかなくて
助けを、幸せを、大我の目の前に、 餌のように
チラつかせてるだけで 苦しめていたんだ。
でも、大我が好きなはずの 俺じゃなくて
、、死神さんを見つめる大我が 大嫌いだった。
見惚れているような、 惚れているようなその瞳も
全部全部俺の、 大嫌いなモノだった。
俺たちの2人の歯車が 綺麗に壊れて
“儚”く散って、
大我
俺だって、嫌だ。 実質浮気じみた事をされているんだ
大我
俺だって苦しい。 現実を見ると、俺の片思いな気がして
大我
フェイク 俺だって逃げたいよ。その偽物から
大我
大我
北斗
すると、 “死 にたい”彼が微笑んで
“愛した”彼は君が望むのは 俺が手を差し伸べる事では 無かったと気付く。
大我
大我
嗚呼、そうか。
北斗にとっての死神は大我だった。
北斗
手を差し伸べ、愛する彼を助ける 事が使命だと 信じきって、生きていた。
でも大我が求めていたのは 助けの手でも、救い出す言葉 でもなくて
北斗を連れて行く事だった。
大我
北斗
2人で手を繋ぐ。 風が程よい屋上に立つ 2人の手はほんのり暖かかった
お互い微笑み合う。
止めようとする、人間を無視して、 2人だけの世界
ゆっくりと落ちていく。
最後に見た君は、微笑んで、
『「愛してるよ。」』