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マーキング

1 - のだかぶベースのうさかぶ。のだかぶだけど風味程度。宇佐美視点。

♥

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2023年04月15日

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事務所の掃除は舎弟の務めだ。兄貴達が出勤してくる前に、掃除を済ませるのが常だ。

今日も例に漏れず、廊下の拭き掃除に取りかかった所で、兄貴分である小峠の兄貴が出勤してきた。

何時ものように、小峠の兄貴に挨拶をしようとした瞬間、俺の足はモップに引っ掛かり、躓いてしまった。

そして、前方にいた小峠の兄貴の胸に飛び込んでしまう。

宇佐美純平

○△×□▼@////

俺は声にならない声をあげた。

小峠華太

おっと、宇佐美大丈夫か?

俺は小峠の兄貴に対して、憧れ以上の気持ちを抱いている。 早く離れなければと頭では分かっていても、こんな偶然でもなければ、小峠の兄貴に抱きつく機会なんて、この先二度と訪れないかもしれないので、もう少しだけ、小峠の兄貴の感触を味わいたいという邪な考えが、俺の行動を鈍らせる。

宇佐美純平

ん?

抱きついた小峠の兄貴の体から漂う匂いに何か違和感を感じ、すんすんと鼻を鳴らし、小峠の兄貴の匂いを嗅ぐ。

小峠華太

宇佐美?

宇佐美純平

小峠の兄貴、煙草の銘柄変えました?

小峠華太

いや、変えてないが?それに、今日はまだ一本も吸ってない

宇佐美純平

そうですか

宇佐美純平

俺の気のせいかな?

小峠華太

もしかして臭いか?

宇佐美純平

いや、断じて、小峠の兄貴に限ってそんな事ありません!いつもいい匂いがします!

つい勢い余って、本音を言ってしまった。しかも、同性から言われたら、キモがられる台詞を。俺が兄貴と同じ立場ならひいている。ひかれたらどうしようと思いながら、チラッと小峠の兄貴の顔色を窺う。

小峠華太

そうか、それなら良かった

小峠華太

それよりも、少し顔が赤いけど大丈夫か?

特に小峠の兄貴は気にする素振りもなく、反対に俺の心配をしてくれる。

宇佐美純平

だ、大丈夫です

頬から伝わる熱に、今、自分がどんな顔をしているのか、鏡をみなくとも容易に予想がつく。

小峠華太

それならいいが、あんまり無理するなよ

それだけ言って、小峠の兄貴は去っていった。 小峠の兄貴の方が、仕事量も多くて大変なのに、舎弟の俺にも気遣ってくれる。そんな優しいとこが何より好きだと、俺はまた小峠の兄貴に惚れ直してしまう。

ただ、小峠の兄貴が通り過ぎた後に、ふわりと例の匂いが香った。

強烈な程の違和感ではないが、何時もの匂いと違っている。やはり、俺の気のせいではなかったようだ。そうなってくると、どうしても匂いの正体が気になりだす。小峠の兄貴の事となれば尚更だ。

宇佐美純平

あれ?でも、この匂いも知っているような気がする・・・

しかし、小峠の兄貴から、今日匂ってきた香りにもどこか覚えがあった。自分の記憶を頼りに、思い出しにかかる。

宇佐美純平

どっかで嗅いだことあるんだよな

例えるなら、重厚なラム酒っぽい匂い。

宇佐美純平

あ!野田の兄貴の煙草の匂いだ!だから、嗅いだ事あったんだ

宇佐美純平

あれ?でも、何で朝から、小峠の兄貴から野田の兄貴の煙草の匂いがするんだ?それに今日は野田の兄貴休みだったはず?

謎が一つ解明されたと同時に、今度はまた新たな謎が生まれた。そして、この日、一日考えたけど、 結局、答えは見つからなかった。

ただ後日、衝撃的な事情と共に、俺の失恋が確定する事になるのだが、この時の俺には、まだ知る由もなかった。

おわり

あとがき 目に見える物だけが、マーキングとは限らない。匂いも有効なマーキングの一つ。 実は、なぐかぶのマーキング話の書きかけがあるんだが、お蔵入りしそうなんで、今回のだかぶで使ってみたっていうのが理由。なぐかぶは、華太の髪から南雲と同じシャンプーの匂いがする事と、華太は御3家兄貴とも体の関係ある設定なんで、この話とは、まるっと内容も設定も違う。南雲ニキ初登場時に書き始めて、今まで放置してるんだよね(;´д`)いつかは完成させたいんやけど、まあ無理やな。 普段は、のだかぶ、わなかぶメインに書いてるけど、チャットノーベルで書くと、やっぱり、しっくりこんのんよな。終わりかたもぐだっとるしな。でも、反対になぐかぶは相性いいんよな。ただ単に、なぐかぶが短編向きなのかな(´・ω・`)?

おまけ

須永陽咲也

いいんすか?華太を野放しにしてて

野田一

あん?何がだ?

須永陽咲也

色んなとこで、女も男も見境なく、華太ホイホイしてますけど~

野田一

なんじゃい、そんな事か。そんなもん、心配いらねえだろ。俺のもんだと分かってて手を出す、うすらトンカチやかいるかい

野田一

それに俺は俺の物に、名前を書いておく主義な野田

須永陽咲也

やっぱり、あのマーキングはわざとなんですね~。最初から、そうだと思ってました~

野田一

我ながら天才的なマーキング方法なのだ

流石は策略家。 野田が労せずとも、華太が歩くだけで、華太から漂う匂いが、野田の物であると周りに知らしめるのだ。

おわり

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