俺が幸せになる番

数年前、拓海がまだ小さい頃の話だ。

ここからなんだ。俺達の家庭が崩壊し始めたのは…

その後、母は浮気をし、 芋子は俺を毛嫌いするようになった。

拓海だけだったんだ。俺のそばにいてくれたのは

でもそれが気に入らなかったみたいで、 拓海が中学校に入学する頃には拓海への扱いも変わって行った。

それを知った俺は居ても立っても居られなくなり、 拓海を夜に呼び出した。

拓海は少し考えた後にこう答えた。

流石に拓海が高校に上がれば扱いも変わるだろう、 そう思っていた俺が馬鹿だった。

拓海への扱いは酷くなるばかり。

俺は耐えられなくなり、遂に妻を責めたんだ。

俺が出て行ったら拓海が大変な思いをするかもしれない

そのせいで離婚できずにいたが、

遂に俺は捨てられたんだ

その“彼”がどういう人なのかは知らない。

だが、拓海を欲しがるのだったら拓海への扱いも 考えてくれると思った。

俺は途中で離婚届にサインをする手を止めたり 進めたりし、心の整理をつけた。

俺は泣きながら前よりももっっと詳しく事情を話した。

そう考えているうちに俺は眠ってしまった。