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花言葉

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花言葉

1 - 花言葉

♥

35

2020年05月20日

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春人

おはよう

春人

また何か聞きに来たのかい?

春人

…へえ、花言葉を選んで物語を一つ?

春人

そっか、変わった宿題だね。

春人

現代文の先生が花好きだから?

春人

そうなんだ、良いね。

春人

実は僕も花言葉たくさん知ってるんだ。

春人

じゃあ…今日は

春人

僕が花言葉を調べるようになったきっかけでも話そうかな。

      

春人

5年前、僕には恋人が居たんだ。

千秋

来年もここに来ようね。

春人

そうだね。

千秋

あのね

春人

うん?

千秋

今日実はプレゼントがあるの

春人

そうなの?

千秋

うん、着いてきて。

春人

わかった。

水族館を出ると、肌にまとわりつく様な蒸し暑さと 真っ白な日差しに包まれた。

つばの広い帽子から垂れ、風になびく彼女の髪の毛は夏の日差しによく似合った。

楽しそうに僕の手を取る彼女と 共に歩き、 僕たちは色とりどりの花が並ぶ 小さな花屋へ着いた。

千秋

ここです!

千秋

ちょっと待ってね、今買うから

春人

彼女は小柄な店員の女性と楽しそうに話しながら、可愛らしいオレンジ色の花のミニブーケを買った。

千秋

おまたせ、はいこれ。

千秋

3年記念のプレゼントです

春人

…!ありがとう。

春人

ごめん、記念日なのすっかり忘れてた…

千秋

だと思った!

彼女は情けない僕を怒らなかった。

千秋

忘れてるから、サプライズにしようと思って。

千秋

小さな花束くらいしか無いけど。

春人

いや…すごく嬉しい。
本当にありがとね。

彼女は満足したように頷いた。

千秋

マリーゴールド。

千秋

花言葉、知ってる?

春人

知らない、なんていうの?

千秋

自分で調べて。

彼女は照れくさそうに笑って、長い髪の毛を少しいじった。

家に帰ると、僕はすぐに彼女が くれた花達を花瓶に生けた。

次会うときに、僕も絶対に何か プレゼントしよう、 そう心に決めて。

春人

花言葉…

僕はマリーゴールドの花言葉をインターネットで検索した。

春人

変わらぬ愛

春人

健康

さっきじゃあねと手を振ったばかりの彼女に、また会って 抱きしめたくなった。

春人

…そう、

春人

それから花言葉を調べるようになったんだよね。

春人

でもね、

春人

まだ続きがあるんだ。

春人

聞いてくれるかい?

次のデートは無かった。

もう、手を繋げない。

抱きしめる事もできない。

彼女は犬の散歩中に、信号無視の車に跳ねられた。

彼女は小さい頃から共に過ごしてきた飼い犬のリュウを庇って 帰らぬ人となってしまった。

僕は絶望に暮れた。

追いかけて死んでやろうかと 思った。

それでも

きっと彼女は僕に後追いなんて 求めない。

ちゃんと生きてくれなきゃ、 と笑う彼女が目に見えた様な 気がして。

僕はそれからリュウを引き取って、 3年半共に暮らした。

もう老犬だったリュウは、 それでも散歩が大好きだった。

リュウは寿命を終えて、眠るように 天国へ行った。

それからは一人暮らし。

彼女の写真の横に 色んな花を飾った。

彼女に続いてリュウも居なくなってしまってから一ヶ月過ぎた頃

庭の真ん中に、植えた覚えの無い2つの芽が出たんだ。

月日と共に、その芽は育って 葉っぱも生えずに上へ伸びて

秋になって蕾が開いたんだ。

彼岸花だった。

春人

彼女もリュウも秋の生まれでね。

春人

二人して、花が好きだった。

春人

庭の真ん中で咲いた二輪の彼岸花は凄く綺麗で、

春人

でもそこに球根は無いし、何で咲いたのか分からなかったんだ。

春人

だけど彼岸花の花言葉を知って

春人

きっとあの彼岸花は

春人

彼女とリュウからの最後のメッセージだと思ったんだ。

春人

彼岸花の花言葉は

春人

「また会える日を楽しみに」

     

春人

その彼岸花達は球根を残さずに枯れたんだ。

春人

幽霊花という別名もある花だから

春人

僕は妙に納得したんだよ。

春人

彼女の写真?

春人

まだあるよ、ほら、そこに。

春人

リュウの写真も隣に飾ってる。

春人

今はブルースターの花をそえてるんだ。

春人

花言葉は幸福な愛。

春人

…良い物語が書けそうかい?

春人

それは良かった。

春人

また何か聞きたくなったらおいでよ。

春人

凡人の僕の話で良ければ。

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