春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
春人
千秋
春人
千秋
春人
千秋
春人
千秋
春人
水族館を出ると、肌にまとわりつく様な蒸し暑さと 真っ白な日差しに包まれた。
つばの広い帽子から垂れ、風になびく彼女の髪の毛は夏の日差しによく似合った。
楽しそうに僕の手を取る彼女と 共に歩き、 僕たちは色とりどりの花が並ぶ 小さな花屋へ着いた。
千秋
千秋
春人
彼女は小柄な店員の女性と楽しそうに話しながら、可愛らしいオレンジ色の花のミニブーケを買った。
千秋
千秋
春人
春人
千秋
彼女は情けない僕を怒らなかった。
千秋
千秋
春人
彼女は満足したように頷いた。
千秋
千秋
春人
千秋
彼女は照れくさそうに笑って、長い髪の毛を少しいじった。
家に帰ると、僕はすぐに彼女が くれた花達を花瓶に生けた。
次会うときに、僕も絶対に何か プレゼントしよう、 そう心に決めて。
春人
僕はマリーゴールドの花言葉をインターネットで検索した。
春人
春人
さっきじゃあねと手を振ったばかりの彼女に、また会って 抱きしめたくなった。
春人
春人
春人
春人
春人
次のデートは無かった。
もう、手を繋げない。
抱きしめる事もできない。
彼女は犬の散歩中に、信号無視の車に跳ねられた。
彼女は小さい頃から共に過ごしてきた飼い犬のリュウを庇って 帰らぬ人となってしまった。
僕は絶望に暮れた。
追いかけて死んでやろうかと 思った。
それでも
きっと彼女は僕に後追いなんて 求めない。
ちゃんと生きてくれなきゃ、 と笑う彼女が目に見えた様な 気がして。
僕はそれからリュウを引き取って、 3年半共に暮らした。
もう老犬だったリュウは、 それでも散歩が大好きだった。
リュウは寿命を終えて、眠るように 天国へ行った。
それからは一人暮らし。
彼女の写真の横に 色んな花を飾った。
彼女に続いてリュウも居なくなってしまってから一ヶ月過ぎた頃
庭の真ん中に、植えた覚えの無い2つの芽が出たんだ。
月日と共に、その芽は育って 葉っぱも生えずに上へ伸びて
秋になって蕾が開いたんだ。
彼岸花だった。
春人
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