殺 人 鬼 家 族

その夏

俺は高校三年生で

人殺しだった

――最近

俺の、大事な大事なコレクションたち

その皮膚の冷たさが

増したように感じるのは

気のせいだろうか

傍若無人なコレクター

趣味はもっぱら人体収集

それが俺、我野翔

その日も作業場に向かった俺が見たのは、俺と同じ人殺しだった

『あっ！そうたくんのゆびすごいきれい！』

『欲しいなぁ～！』

人の形が好き

あの目がキレイ

あっ、あの手飾りたいなぁ

そうした欲望を押し込めた結果、俺は人を騙すのが上手くなった

俺はおかしい

『ショッピさんは特別ですから！』

俺もわかんないよ

でも、もしかしたらわかりあえるかもって

そう思ったりして

床に押し付けられて

目の前にはナイフと泣きそうなレパの顔があって

首を絞められて

ドッ

目が覚めるとそこは俺の部屋で

髪は少し短くなっていた

なんで、どうして

いっぱい溢れて

わけわかんねーよ

なんでこんなに上手くいかないんだろ