このお話は、とある男の子の女の子のお話
誰も知りやしない
君と、僕のお話...
僕は、「忌み子」らしい
だから小さい頃から近くの大人に暴力を受けている
生きているのが罪 だから 死ね
という言葉を聞き、その身に余る罰を受けた
僕
最初はそんなことを思っていたが、こうも毎日暴力を受けているとこの気持ちも消えていった
僕
でも、たまに、優しくしてくれる人がいた
雨上がりに一人で歩いていると女の人が手を繋いで歩いて帰った
けど、優しくなかった
僕に暴力をふっている人達と仲良くお酒を飲んでいた
それを思い出して、手の温かさが一瞬にして消えた
僕
でも、僕は知らない
叱られたあとの優しさも、
さっきの本当に優しい手の温もりも本当に知らない
ある日、少女が声をかけてきた
君
僕
君
君
僕
君は躊躇わず声をかけてくれた
これが僕たちの出会いだった
僕
僕
君
君はポケットから紙と鉛筆を取り出す
君
僕
僕
君
君
僕
僕
君
これが僕たちの出会いだった
それから僕たちは毎日のように遊んだ
ある日、その「幸せ」は打ち砕かれた
大人達
大人達
大人達
僕
君
その時、僕は思った
僕
僕
君
気づいたら僕は君に手を引かれていた
そして僕たちは夕日の光の中に入った
僕たちは何も知らない
これからどうすればいいのかも、
...君の名も
でも、今は...今だけはこの時間を大切にしたいと思った