風花の舞う日

誰も居ない？珍しい…俺1番？

シンと静まり返るオフィス。いつもならもうみんな来てる時間なのに…

そこに電話が鳴る

メモで 今どこか聞いて？と言われる

永代橋の手前だって。 まだ4駅前 動き出しても 20分以上はかかる

こんな時にふっかさん 居ないのは辛いな… あの人ならすぐに 飛んでいくんだろうけど……

メール画面を見せる。

カタカタ……

ちょうどその頃…満員電車内

大変長らくお待たせ致しました。 現在渋谷駅にて発生致しました 人身事故の関係で 約1時間の遅れが出ております。 現在前の車両が○○駅を 発車したとのことですので 当車両 信号確認取れ次第 まもなく発車致します。 お急ぎの所 ご迷惑をおかけしております。 次は○○でございます。 ○○線はお乗り換えです。

ふと、顔を動かすと ドア付近で立っている 詩織の姿が目に入る…。 青白い顔…いかにも具合が悪そうだ

電車が動き出して 尚更フラフラする詩織 ドア一つ分の距離がもどかしい。 次の駅で動くことを決める

駅に到着する。 ドアが開く。

力が抜けるように膝から崩れそうになる

身体を支える。 そのまま近くにあった ベンチに座らせる。

反応無し 目が虚ろ…。 唇がチアノーゼ出てる？

肩で息をしてる。 過呼吸か？ 始まった…… 外で急に酸素が入ってきたからか…

瞬きをし少し目に生気が戻る

まだ焦点合ってないな…

立ち上がり歩き出そうとする

タクシーに乗り込む

携帯を見るとLINEが何件も入ってる

ごめんなさい。 ちょっと具合悪くなって。 タクシーに乗り込んでます。 メール今気づきました… まもなく会社に到着します。 ご心配おかけしました。

会社前到着

ガチャ 鍵を締められる🔑 鍵は課長しか持ってないから仕方なく 食事に行くしかなくて。 社食でも良かったんだけど、 今日はいつもの イタリアンに行こうと決めた。

しばらくして……

料理が運ばれてくる

尋問されてるみたい…なんか怒ってる？

こんなに騒がしいのに たった一言しか発してないのに 2人の声だけ 何故鮮明に聞こえるんだろう？ 出会ってはいけない二人 ただ自分が 真実を知りたくないだけ… きっとここに来る 同じ顔した彼はなんて言うの？

スタスタと歩いていく。 何となく理解はしていた。 頭の片隅で…… 当たって欲しくないと思いながら この手の閃きはハズレない。 う～気まずい…。

カツレツを口に入れ 喋れない環境を作る。

ホントは味なんて もうわかんない。 でも無理して笑ってしまおう。 隠れた問いの答えはきっと分かってる。 何かあったんだなって。 また気まずくなるの嫌だから。 知らないふりを決めたんだよね？

兄弟って怖い… あの人の弟ならきっと見透かされてる でもズカズカ心の中に入ってこない それが彼なりの優しさ 私から話さない限り聞いてこないよね？

それから他愛もない話で 誤魔化し合って 時計を見合って戻ることを 決める頃には 彼の存在は店には無かった。