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予想外なきっかけ

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予想外なきっかけ

1 - 予想外なきっかけ

♥

31

2024年06月15日

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ある日突然出会った、いや再開した

ポケカメン

はぁはぁ、はぁ…

ばぁう

…ポケ、カメン…

ポケカメン

……ばあ、う…?

何もすることがなく暇でなんとなく外を散歩していたら前から遠くから見てもわかるほどヘトヘトの状態になりながら必死に走っている人影が見えてその人影は俺の存在に気づいたのか一度足を止めて膝に手を着いて一生懸命空気を取り込んでいる人影の正体

今じゃもう関係を断ち切った世界で最も嫌いな相手、ポケカメン

会いたくなかった。もう一度も顔を見たくないとそう思ったから無理やりにでも関われないようにと今まで徹底していたのにまさかこんな形でまた再開してしまうだなんて

ポケカメンの俺の名前を呼ぶ声を聞いてすぐに帰ろうと振り返って歩き出せば震えた声で待って、と袖を引かれた 最初は驚きからその手を振りほどこうとしたがポケカメンの顔を見た途端そんな気はなくなった

靴は履いておらず着ている白いTシャツは薄く酷くよれていてほぼ服として機能していない。幸いTシャツがよれているため裾が膝上くらいまで伸びており陰部が見えることはないがズボンを履いているようには見えず見た感じきっと来ている衣服は下着とこのTシャツ一枚だけだろう

体は痩せ細り髪は乱れ顔を真っ青にして汗をかいている。露出されている鎖骨から見える昔と全く変わらない妙な程に白く穢れのなかった綺麗な肌には傷跡や赤い跡があり、さらに首と手首と足首にはぐるっと一周赤い痣のようなものができていた

菫色の目は涙で潤んでいるが光はなく虚ろだがどこかまだ希望を求めているような、まるで辛い中必死に生きて生きて生き抜いてもう誰かに助けを求めることしかできない、そんなように体と目を微かに震わせていた

ばぁう

……

ポケカメン

…っ、たすけてっ、たすけて!!ばぁう…!いや、こわいの…たすけてッ…いやだ、やだぁ…こわいよ……

そんなポケカメンの姿に呆然として何も話せないでいると掴んでいた袖をシワができるほど強く握り締め顔を下に向け幼子のような語彙もなく拙い言葉遣いで縋り付くように助けを求めてくる

今のポケカメンに何があったかなんてわからないがとりあえずここまで泣きつかれてしまっては放ってはおけない、何より周りからの視線が痛くポケカメンの格好もあるため少々いたたまれない気持ちになってくる

正直嫌いでもう関わるなとも言われている相手を連れ出すなんていい気はしないが、致し方ないだろう

そんな複雑な思いのままあの頃より相当細くなった肩と膝裏に腕を回してあの時では全く考えられない程軽くなった体を持ち上げた

ポケカメンを連れてきた先は決してリスナーからしても活動者からしてもポケカメンじゃありえないほど考えられないような場所。STPRの事務所

正直自分の家が最善かとは思ったが生憎俺が外出していた理由はあくまでただの散歩で自分の所持している物はスマホと財布だけ。家の鍵や大事な荷物が入ったカバンはこの事務所に置いて外に出てしまっていたためここに連れてこざるを得なかった

てるとくん

あ、ばぁうくんおかえ…

てるとくん

え…?

受付を通りエレベーターに乗って事務所の階まで上がりたまたま入口付近にいたてるちゃんに声をかけられたがそれはすぐに驚きの表情へと変わった

てるとくん

え、ぽけ、く……、え?

ばぁう

…さっき散歩中に会った

どうやら事務所に向かっている途中に寝てしまっていたようで現在ポケカメンの意識はすっかり夢の中だ

だが問題はここからだ。見つかったのがポケカメンと関わりがあったてるちゃんだったからまだよかったが他の人達に見られたらほんとに何が起こるかもわからない

てるとくん

え、ばぁうくんどうしちゃったの?なんでここに連れてきて…

ばぁう

荷物とか全部ここに置いてきちゃったから取りに来なきゃ家に帰れないんだよ、でもやっぱり見つかったらやばいよな

てるとくん

まぁそりゃそうだろうね…どうしよっか…

てるとくん

ていうかポケくんどうしたの?なんかあったの?しかもばぁうくんはポケくんのこと…

ばぁう

散歩してたら突然現れて泣きつかれた。助けて、怖い、って。めっちゃ周りの人見てたし道のど真ん中だったから放っておくのはあれだったから連れてきた

てるとくん

泣きついて、……なんかあったのは間違いなさそうだね

ばぁう

さぁ、俺は知らない

てるとくん

…相変わらずだなぁほんと

てるとくん

それより、ポケくんどうしよっか。僕だったからまだあれだったけどもし他の誰かに見られたら

ばぁう

…まぁまず間違いなくパンデミックが起こる

てるとくん

何始まるかわかんないしね…とりあえずさっき僕が使わせてもらってた個室に…

ぷりっつ

ばぁうくん?てるとくん?

てるとくん

ぷ、ぷりちゃん…!!?

ばぁう

やべっ…、

ぷりっつ

どうした…の……、

ぷりっつ

え…え、??

俺の腕の中で少し苦しそうに眠っているこの男をどうしようかとてるちゃんと二人で頭を傾げていると突然声をかけられた 振り向いた先には同じこの事務所に所属しているもう一つのグループのメンバーである緑色担当の彼、ぷりちゃんだった

てるとくん

ぷりちゃん違うの!え、えっとね…えっと…

ぷりっつ

は、え…なん…え??

ばぁう

…一旦落ち着け。ちゃんと話す

ぷりっつ

……

ぷりっつ

…なる、ほど…?

ばぁう

ここに連れてきただけでどうなるかもわからないのに会わせる訳にはいかないよなって二人で話してたんだよ

ぷりっつ

うーん…それもわかるけど、言った方が良さそうだけどね、それに多分隠し切るのは難しいんじゃない?

ぷりっつ

そもそも今日は会議の予定があったから全員ここに集まってるわけだし、この後ばぁうくん達も含めてみんなで集まらなきゃいけないでしょ?こんな状況下で隠し通すほうが難しいでしょ

ぷりっつ

もしポケカメンさんが俺らの会議中に目を覚まして事務所内を歩き回ったりなんてことがあったらそれこそパンデミックじゃない?

ばぁう

でも、こいつもこいつで会いずらいようなのもいるだろ?それこそちぐとか…

ぷりっつ

ちぐは大丈夫だと思う、あの頃ちぐが一番信用してて一番好きだったのはポケカメンさんだったと思うし…

てるとくん

…ばぁうくんが言うにはポケくんは混乱状態みたいな感じだったんだよね?だとしたら来たこともない場所で一人残されたらポケくん自身も何があるかわかんないし…ぷりちゃんの意見も…

ばぁう

…わかった。とりあえずポケは個室に運ぶ。そこに呼んでも良さそうな人だけ呼んであとどうするか考えよう

ぷりっつ

わかった!俺呼んでくる!

てるとくん

あ、僕も行くよ!ばぁうくんポケくんよろしくね!

ばぁう

うん

ばぁう

…てこと、なんだけど…

ななもり。

…そう、なんだ……

てるちゃんとぷりちゃんに連れられて来たのはなーくん、ころちゃん、そうま、ちぐの四人だった。ポケと何らかの関わり合いがあるメンツだ

四人は個室に入ってポケの顔を見るなりなーくんは入口で固まってしまいころちゃんは感情の読めない表情で部屋の中で立ちすくんでいる。そうまは俯きながら何か考え込むようにブツブツと独り言を呟いていてちぐはベッドのそばに膝立ちしてベッドに手を付き困惑の表情でポケを見つめていた

それぞれ混乱している四人に経緯を話せば皆気まずそうな少し複雑な表情をして俯いていた

ちぐさ

…ポケ、、

ななもり。

……とりあえず、全員にこの状況を伝える。ポケカメンくんが起きる時間によるけど今日の会議の予定は一時中断ね

ななもり。

ばぁうくん

ばぁう

あ、

ななもり。

わざわざ運んでくれてありがとうね、あの部屋じゃ小さくて全員入り切らなかったから

ばぁう

いや、全然

あの話の後、俺はポケをさっきとは違うもっと広い個室へと運び、俺以外にあの場にいなかったメンバーを呼びに行ってもらった

てるとくん

説明は来る前にしたよ。ポケくんは大丈夫そう?

ばぁう

てるとくん

……泣いてる…?

ちぐさ

!…ポケ!!

てるちゃんがポケの顔を覗き込みそう呟くとちぐがまたポケに駆け寄ってきた ポケは眠りながらも涙を流し身体を震わせ時々辛そうに顔を顰めていた

ちぐさ

ポケ…、、

ころん

…助けてって言ってきたんだっけ

ばぁう

うん

そうま

…メンバーは一緒じゃなかったのか?

ばぁう

一人だった。辛そうに一人で走ってて俺の顔見た途端泣き出して…

ぷりっつ

メンバーと何かあったとか?

ちぐさ

…………

あっと

ちぐ?どうした?

ちぐさ

…まだ、わかんないけど…もしかしたら……

ちぐさ

ポケはメンバーに監禁されてたのかも

しゆん

はっ?監禁って…、え?

ちぐさ

あの五人はポケに対して大分過保護だった

ちぐさ

ポケが少しでも怪我をしたら有り得ないくらいバタバタ動き出したり、ちょっと撮影に遅刻しただけで何かあったのかもってわざわざ全員で迎えに行ったり

ちぐさ

ポケが他の活動者とコラボする度になにかされなかったかって質問攻めしたりなんてこともあったし俺が加入した時、メンバーは毎日のようにポケのことを好きになるなって言ってきた

ちぐさ

あの五人はポケのことが好きなんだよ、恋愛的な意味で。ポケに誰にも近寄ってほしくないし誰とも関わってほしくないって思ってる

ちぐさ

俺の知ってる限りだけど、五人のポケに対する愛は異常なくらい重い。ポケは別にそんなことなかったしただ純粋にみんなが好きって言う感じだったけどね」

ちぐさ

だからもしかしたらそれがエスカレートして……

莉犬

………監禁…、

ちぐさ

で、でもただの憶測だし、あってるかどうかは…

ななもり。

いや、あるかもしれない

ななもり。

数年前。2023年辺りかな、突然ポケカメンくんのSNSアカウントが全部更新されなくなったんだよね

ななもり。

もしちぐさくんの考えがあってるとすればきっと携帯とかパソコンも没収されてるだろうし辻褄はあう

さとみ

2023年って、もう二年も前じゃん

そうま

じゃあ、もしかしたらポケは二年前から…

ポケカメン

……ん、、…

ちぐさ

!ポケ!!

ポケカメン

………ち…ぐ、さ……、?

ばぁう

起きた?

ポケカメン

……ば、う……

ポケが目を覚ました。焦点の合わない昔よりさらに光のない暗くなった菫色の瞳をこちらに向けている

ちぐさ

ポケ!大丈夫?

ポケカメン

……なんで、、ちぐさ、がいるの…?

ちぐさ

驚かせてごめん…ここSTPRの事務所なんだよね

ちぐさ

ばぁうくんがポケを連れてきたの

ポケカメン

…、、そっか……

ちぐの言葉を聞き辺りを見回した後体制を横向きにして毛布を更に深く被りながらそう呟いたポケに少し驚く。てっきり飛び起きて大声でもあげるものだと思っていたから、ポケカメンとはそういうやつだ

でもそれと同時にそんな反応ができるほど今のこいつには元気と余裕がないんだろうと考えると少し心臓が締め付けられたような気がした

「「「……」」」

起きたもののなにか話す気も起きず数分の間その場に沈黙が訪れた。誰も声を出したりせずただじっと時だけが過ぎていく

そんな少し気まずい空間を破ったのはほんとに昔まだニコキャスすらできていなかった頃一緒に配信したことのある水色の彼だった

ころん

ポケはさ、ばぁうくんに助けてって言ったんだよね

ポケカメン

ころん

何があったのか話して

ポケカメン

………

だが、そんな彼の言葉にもポケは返答しなかった

(……ダメか…) その場にいた誰もがそう思ったときポケが口を開いた

ポケカメン

め………ば…

ちぐさ

?ポケ?

ポケカメン

…めん、ばー…、、

酷く小さく絞り出したような声と一目見てとれる程辛そうな表情にまた胸が締め付けられた

ころん

メンバーと何かあったの?

ポケカメン

ポケカメン

……めんばー、……おれ………ぁ、

ばぁう

…ゆっくりでいい。ゆっくりで、いいから

説明をしようとしながら身体を震わせ恐怖に蝕まれているポケを黙って見ていられず頭に手を乗せながらそう言えば少し深呼吸をした後起き上がろうとしたのですかさず体を支えてゆっくりと座らせた

すると何を思ったのか突然Tシャツを脱ぎ始めその場にいた全員がギョッとしちぐが止めようとしたがそれは出来ずに全員がポケの姿を見て絶句した

無数の赤い跡とてっきり傷跡だと勘違いしていた噛み跡が体の至るところにつけられていて思わず目を塞ぎたくなる

ちぐさ

…ポケ、、これ……、、

ポケカメン

…メンバーにつけられたんです

ポケカメン

撮影があってみんなで集まってて撮影が終わってみんなでごはん行こうみたいな話をしている時に意識が途絶えて、気がついたら見たことない部屋に閉じ込められてました

先程までは言葉を覚えたばかりの幼子のように稚拙だった言葉遣いが少し冷静さを取り戻せたのか感情も抑揚もなく淡々と言葉を並べていく

ポケカメン

その日からずっとそこで生活させられてきてもうどれくらい月日が経ったのかもわからなくて、暴力は一度も振るわれなかったけど、襲われ続けて、何を言ってもメンバーは聞く耳を持ってくれなくて

ポケカメン

ただずっと部屋の中でいつ扉が開くことかと怯えながら毎日生き続けて

ポケカメン

逃げ出そうとしても上手くいかなくてもし逃げれたとしてもいつも結局連れ戻されて

ポケカメン

今こうして逃げれてるのもおかしいくらいで

ポケカメン

きっともうじき、またメンバーがくる

ポケカメン

帰ろうって…連れ戻される……

どうやらちぐの予想は当たっていたらしい ポケは数年前からずっとメンバーに監禁され毎日のように犯される日々を過ごしていたらしい。幸い暴力などは一つもなかったみたいだがこいつの体はキスマークと噛み跡でいっぱいで正直見ていて痛々しい

ポケの悲惨な姿と状況に誰もが驚愕してしまいまた沈黙が流れたがすぐにその沈黙を破ったのはポケのすぐそばにいたちぐだった

ちぐさ

ほんこんさんは?

ポケカメン

…しゃちょう……

ポケカメン

社長は…俺を助けようとしてくれて…

てるとくん

ほんこんさんは今どこにいるの?

ポケカメン

……わかんない…

ちぐさ

…俺、電話してくる!繋がるかはわかんないけど…

ちぐさ

ポケ待っててね!

ポケカメン

あ、ちぐさ、……

ポケカメン

あっきぃ

…ポケカメンさんの携帯とかは?

ポケカメン

閉じ込められた時にはもう自分の手元にはなかったので…

そうま

まぁ、そうだよな…

質問にもポケは淡々と答え何かを話す気も起きず黙っていると扉が大きな音を立てて開き焦ったようなちぐが携帯を片手にポケに近寄る

ちぐさ

…ポケ!!電話繋がった!!

ポケカメン

!…

ポケカメン

……しゃ…ちょ、う…?

ほんこん

『ポケ!!無事だったんだ!』

ちぐの携帯からほんの少しだけ漏れて聞こえてきた驚いたような安心したような大きい声はすごく懐かしかった

ほんこんさんの声に安心したのか糸が切れたようにポケは涙を流し始めた

ポケカメン

ほんこ、んさん……、、おれ…

ほんこん

『ちぐさからざっくり説明は聞いた。今まで助けられなくてごめん』

ポケカメン

…いえ、おれも……迷惑、かけて…ごめんなさい……

ほんこん

『迷惑なんて思ってないから。今そっち向かうからちぐさ達とちゃんと待ってろ、いいな?』

ポケカメン

……はい…

ほんこん

『ん、いい子。ちぐさに変わってくれる?』

ポケカメン

わかった…

どんな会話をしていたのかはわからないがきっと安心しているんだろう、ちぐに携帯を渡し顔を隠すように手で覆い俯いて身体を震わせながら泣き始めたポケの隣に座り背中を摩る

ほんこん

『急にこんな大変なこと手伝わせてごめん。すぐ迎えに行くからそれまでポケの事よろしくね』

ちぐさ

…はい

ほんこん

『あ、あと……ななもりさんに変わってもらえる?』

ちぐさ

え……あ…えっと…、、

一体何を言われたのかわからないが少し困ったような表情を見せなーくんを見つめだすちぐになーくんは不思議そうにしながらも何か悟ったような表情でちぐの携帯を取った

ななもり。

……もしもし

ほんこん

『あ、ななもりさん。突然すみません』

ななもり。

いえ、こちらもポケカメンくんの状況を聞きましたし理解してますので

ほんこん

『そうですか……わかってはくれてると思いますが今ポケは不安定です。あまり問い詰めたり変に言葉を投げかけるのはやめてもらえると』

ななもり。

…はい

ほんこん

『あと、ポケはいいやつです』

ななもり。

……はい

ほんこん

『…今車を出しました。すぐに向かうので少しの間ポケをよろしくお願いします』

ほんこん

『それでは』

どんな会話をしていたのかはわからないが少しなーくんの顔が曇ったような、そんな気がした

通話を終えたらしくなーくんの耳から遠ざけた携帯の画面は明るくなっていてそれはちぐに渡された

ちぐさ

…なんの話だった?

ななもり。

…突然でごめんなさいっていうのと、すぐに向かうからポケカメンくんのことよろしくっていう話

ちぐさ

そっか、

ばぁう

……

ふと隣にいるポケを見るとまだ泣き止んでおらず嗚咽しながら体を縮こませて涙を流していた

ばぁう

…着れた?もう入っていい?

ポケカメン

うん、大丈夫…

少しの会話を後に扉を開くとブカブカのパーカーを着て黒い長ズボンを手に持っているポケがベッドに腰掛けていた

ばぁう

あれ?ズボンは?

ポケカメン

…緩くて、落ちちゃうから…

ばぁう

ああ、……ん、まぁいいか。パーカー長いし

ばぁう

ポケはそれでも大丈夫?

ポケカメン

うん、全然…

ポケが泣き止んだ後、今着ている服は色々よくないからとこの中で一番背の高いそうまのパーカーとズボンを借りて着てもらったのだがどうやらサイズが合わなかったらしい

まぁ幸いパーカーのサイズもポケには合わず裾の長さが膝上まであるため問題はないだろう

身長も4cm差でSNSにあげられていた写真を見ていた限りポケも程よく痩せていたためそこまで大差もなく大丈夫かと思っていたのだが何せ今のポケの体は痩せこけてしまっているため腹回りも腕も足も少し触れただけで折れてしまいそうなほどだ、無理もない

ばぁう

みんな会議室にいるから、行こう

ポケカメン

……

ばぁう

!……

俺の言葉にこくんと頷きベッドから降りて裸足の足でぺたぺたと俺の横まで駆け寄り少し遠慮気味に手を握ってくる その手は前より細くて白くて良くない意味で骨ばっていて本当に折れてしまうんじゃないかと心配になりその手を握り返すことを躊躇すればポケは目に涙を溜め不安そうに俺の目を見てくる

その目には不安や悲しい、などという感情が溢れていて戸惑いながら自身の震える手を誤魔化すように優しめに、でも離さないと意味を込めながら握り返しポケの腕を引いて会議室に向かった

そうま

あれ、ズボン履けなかった?ごめんな

ポケカメン

ううん…大丈夫

ななもり。

靴と靴下、貸してあげられたらよかったんだけど、29cmサイズはなかったみたいで…裸足のままでごめんね

ポケカメン

いえ…ありがとうございます……さっきは、取り乱してごめんなさい

ななもり。

ううん。事情もあるししょうがないよ

あの後数分泣き続けて少し落ち着いたポケにそうまが服を貸しみんなで事務所内のエントランスに移動し大きな机を囲って椅子に座っている

ななもり。

とりあえずそっちの社長さんが来てくれるって言うならポケカメンくんも安心だよね

ポケカメン

…そうですね

ななもり。

彼が来るまでいろいろ話したいと思って

ななもり。

無理のない範囲でいいから質問に答えてもらえる?

ポケカメン

…はい

るぅと

……いいですか?ポケカメンさんは、どうして今日はメンバーの皆さんから抜け出せたんですか?

ポケカメン

…今日はみんなの機嫌がよかったんです

ポケカメン

買い物に行くからほしいものなにかあるかって聞いてきて

ポケカメン

特になかったのでそう伝えたらいい子に待っててねって言われてそのまま五人で家を出ていきました

ポケカメン

最初はいつも通り大人しくしてたんですけど少し寒気を感じてドアの方を見たらドアが少しだけ開いてて、そこから勝手に抜け出しました

ポケカメン

まぁ逃げたところで…って感じなんですけどね……

ななもり。

………そのことについてなんだけどね

ななもり。

さっきポケカメンくんが着てたあの服、どうしようもないから撤去しようと思ったんだけどその時見つけたものがあって…

少し気まずそうにしながらなーくんが話だし取り出したのは白い布に張り付いたものすごく小さい黒い物体

ジェル

……これって…

ななもり。

多分、GPSかなにかだと思う。放っておいたらきっとメンバーの人達はここに来ると思ったから壊そうとしたんだけどどうにも硬くて壊せないんだよね

てるとくん

そんなに硬いの?

ななもり。

うん。トンカチでも叩いてみたけどそれでもダメだったからなかなか壊せないような作りになってるのかも

ななもり。

それに原理はわからないけど服から外すのも難しくて仕方ないからこの部分だけ切り取って持ってきた

ポケカメン

GPS……、

ちぐさ

…ポケ怖い?大丈夫?

ポケカメン

えっ、?ぁ、ううん。それは大丈夫

ポケカメン

でも……

ばぁう

でも…?

ポケカメン

……いつから、だったのかな、…

「「「……」」」

きっとポケのこの言葉の意図はメンバーは一体いつからそんな気持ちを持っていたのだろう、ということだろう

ちぐがちょこらびを抜けてからもう約三年は経っている。だがちぐは五人のポケへの愛情の可笑しさに気づいていたということはそれは三年より前。まさかニコキャス時代の時から?でも、その時はそんな雰囲気は全くなかった気もするが

ななもり。

…まぁ何にせよ、どうにかしなくちゃいけない問題だよね

ななもり。

言っちゃえば犯罪行為なわけだから、それを見て見ぬふりすれば俺らにも罪が問われる

ななもり。

それに、今のポケカメンくんを無理やり引き返すのも良心が痛むし気が引けちゃうからね

ポケカメン

……おれは、

ほんこん

っポケ!!!

ポケカメン

!!……

ポケの言葉を遮るようにバンッと扉を開く大きな音とポケの名前を呼ぶ懐かしい声。みんなして驚き、振り向いたその先にいたのはちょこらびの社長であるほんこんさんだった

ポケカメン

…ぁッ……っほんこんさっ…!!

ほんこん

ポケっ…!

ほんこん

……………よかった、、…ほんと……、

ポケカメン

ほん、…ほんこんさぁ……っ…

ほんこんさんが来た途端糸が切れたように声を上げて涙を流し始めた

ほんの少し涙を流しながらもポケの全部を包み込むように抱きしめるほんこんさんとほんこんさんの腕の中で安心したように嗚咽しながら涙を流しているポケ。場違いかもしれないけど傍から見た二人は恋人のようで少し心が痛くなる

朝は俺に助けを求めて俺ばかりを見ていたのに、やっぱり普段から一緒にいる人とじゃ全然違うのだろうか

ほんこん

無事でよかった…ポケ

ほんこん

……この度は色々、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした

ななもり。

いえ、今の状況は十分に理解しているつもりです。俺らは誰一人気にしてないので安心してください

ほんこん

…久しぶり、ばぁう

ばぁう

……どうも

ほんこん

ポケをここに連れてきたのばぁうなんだってね、ほんとにありがとう。ポケを助けてくれて

ばぁう

いや、俺はそういうのじゃなくて…ただ、ポケが泣いて周りに見られてたから仕方なく連れてっただけ

ほんこん

…そっか

ほんこん

…ポケ立てる?

ポケカメン

…、……うん…、

ほんこん

…ポケその服は?

ポケカメン

そうまが、貸してくれたやつ…服ボロボロだったから…

ほんこん

そうなんだ……色々話聞かせてもらいたいんですけど時間いいですか?

ななもり。

もちろんです。こちらとしても社長さん交えてお話したいことがありましたので

ポケはほんこんさんに支えられながら二人でテーブルの方へと歩いてくる時すかさずちぐがみんなに席移動を誘導し二つ横並びになるように椅子を空け、そこに二人が座り会議は再開した

ななもり。

まずはこれのことなんですけど…

ほんこん

…なんですか?これ

ななもり。

まだ確定的に特定はできていませんがGPSかと

ほんこん

GPS…あいつらどこでこんなもん…

ポケカメン

ななもり。

こちらで壊そうとしてみたんですが中々壊れず今もずっと機能した状態で…

ほんこん

下手したらあいつらがここに来る可能性もあるってことですよね

ほんこんさんの言葉になーくんが顔を縦に振りその場の空気はさらに重くなる

もし今ちょこらびメンバーがここに来たら、そんなの考えたくもない。今の状況から察するにきっと今のちょこらびメンバー達の心情は「ポケを連れ去られた」そんなところな気がする。

ポケカメンだと考えれば全くと言っていいほど有り得ないような場所にいて更には他の男の服を着ているわけで、あいつらがここに来ればポケだけじゃなく俺らにだって危害を加えられる可能性があるわけで気が気じゃない

ここはSTPRの事務所だからポケとは関係ない普通の一般社員達にも被害があるし事務所で問題を起こされればこちら側も今後の活動に影響が出かねない

ほんこん

これはこっちで持ち帰ります。ほんとにすみません

ななもり。

いえ、大丈夫ですよ

会話が止まり気まずい沈黙が流れる。この場にいる皆が暗い雰囲気の中まぜ太が口を開いた

まぜ太

あの…ほんこんさんにちょっと聞いていいですか?

まぜ太

ほんこんさんは、その……ちょこらびメンバーがポケカメンさんに対してそういう好意を抱いていたことは知ってたんですか?

ほんこん

…うん、知ってたよ

ポケカメン

ぇ、…?

ほんこん

黙っててごめんねポケ。俺はあいつらにとって相談役みたいな感じだったんですよね

ほんこん

「俺らと出会う前のポケのこと教えてほしい」とか「どうしたらポケが俺らの好意に気づいてくれるか」とかそういう相談に乗ってて

ほんこん

正直ポケのことほんとに好きなんだなとしか思ってなかったしそこまで深くは考えてなかったんだけど

ほんこん

…こんな思い、させちゃったんだもんな…

そう言って隣にいるポケの頭を優しく撫でる。そんなほんこんさんの表情は一見穏やかなのに奥底に悔しさを感じているように見える

ほんこん

……ポケ、歩ける?

ポケカメン

え?歩けますけど…、

ほんこん

よし、…じゃあ俺らはもう帰ります

ちぐさ

えっ…

ポケカメン

……ほんこんさん、?

ほんこん

このGPSがここに留まっていたらあいつらがここに来るのは時間の問題です。あいつらが気づいてここに来る前に別の場所に移動しなきゃいけないので

少し考えるように顔を俯かせた後ポケに質問をし帰ると言い出すほんこんさんに少し悲しそうな顔をするちぐさ。ポケが不思議そうに尋ねればそれ相応の理由を話してくれた

ほんこん

これ以上STPRの皆さんに迷惑はかけられません。それでは

ポケカメン

ほんこんさ…!?

ちぐさ

あ、あの…!俺は全然大丈夫だから解決方法一緒にさが…!

ほんこん

これは俺らちょこらびの問題だから。それにちぐさが良くたって周りは良くないかもしれないでしょ?

ちぐさ

でも…!!

ほんこん

そうま、服は後日洗って返しに行くから住所と家にいる時間帯後で教えて

そうま

え、ああ…はい…?

ほんこん

それじゃあこれで

ポケカメン

ちょ、ほんこんちょっと待って…!!

ほんこん

…ポケ?

ポケカメン

どうしたの、?なんでそんな焦ってるの?

ほんこん

…………メンバーは、もう

モブ

ななもりさん!!

ほんこんさんの言葉を遮るように会議室の扉が開き先程までオフィスで働いていたはずのスーツを着た男性社員が入ってきた

ななもり。

なに?会議中だよ

モブ

それが!複数人の男が突然ビルに入ってきてしまったみたいで…!

ほんこん

!…それって何人ですか!?

モブ

え、?確か……五人…?

ポケカメン

…め、んばー……

絞り出したようなポケの言葉に全員の息が詰まる 訪れてしまった、全員が恐れていたこと

この場にいる全員に緊張と焦りが迫り空気が張りつめていく。社員さんが言うにビルの中は既に混乱状態であいつらが未だビルの何処にいるかもわからないらしい

ポケカメン

……どうしよ……、、

ほんこん

………。

ななもり。

……とりあえず二人ともここに残ってください。今二人が消えたらかえって五人を刺激するだけです

ほんこん

…ありがとうございます

ポケカメン

この場に沈黙が流れる。ポケはずっと何かを考えるように俯いていて表情を伺うことが出来ないがなんとなく悔しくて悲しい、そんな感情を抱いているような気がした

突如として誰も喋らない静かな会議室にバンッという扉が勢いよく開く大きな音が響き、その先にいたのは紫髪に青と黄の星型のピンをつけている端正な顔立ちをした見覚えのある男

ゆぺくん☆★

…やっと見つけた

ポケカメン

……ゆぺ……、

ゆぺくん☆★

探したよ。四人も今頃ポケのこと探して走り回ってるから、早く戻ろ?

ほんこん

ゆぺもうやめろ

ゆぺくん☆★

……ほんこんさん。なんでいるんですか

ほんこん

道端でポケを拾ったって報告受けてポケを迎えに来たんだよ

ゆぺくん☆★

帰っていいですよ。ポケは俺らが迎えに来たんで

ほんこん

そういう訳にもいかないでしょ…

守るようにポケの前に立ちはだかるほんこんさんとそんなほんこんさんを睨むように見つめるゆぺ。二人のどっちも引かない討論にまた空気が張りつめた

ほんこんさんの後ろで体を震わせているポケをこちらへと移動させるように体を支えながらちぐと二人でポケとゆぺの距離を離すと憤りを示すように低い声で話し始める

ゆぺくん☆★

ポケに触るな

ゆぺくん☆★

触るな、近寄るな、話しかけるな、ポケは俺らのだ、お前らが触っていい相手じゃねぇ

ふぇにくろ

ゆぺ!ポケ見つけ…ッ……

まいたけ

ちょっとふぇにはえーよ……って、ポケ…

さくらくん。

おーい、置いてかないでよ…ね……

かにちゃん

……ポケ、!!よかった無事だったんだ!

ゆぺが怒り始め悪い雰囲気になりかけた時それを壊すように現れた残りの四人のメンバー。ふぇにくろ、まいたけ、さくら、かにちゃんの順に会議室に入ってきたと思えばかにちゃんがポケの方へと駆け寄ってきた

止めようとしたほんこんさんを素通りしてポケの元へと走りバッと手を握る

かにちゃん

よかった〜…俺らずっと心配してたんだよ?

ポケカメン

…ぁ、………

かにちゃん

勝手に居なくなっちゃダメじゃん、もー…

かにちゃん

早く帰ろ?俺ら六人の家に

ちぐさ

ッ…まってッ…!!

かにちゃん

…………離して。ちぐさ

ちぐさ

いや!絶対離さない!!

ポケは震えているというのにかにちゃんは淡々と言葉を並べていき握っていた手をそのまま引いてポケを連れていこうとするのをかにちゃんの腕を掴んだちぐが止めた

珍しく怒っているような雰囲気でかにちゃんは低く話すがちぐはそれに引いたりせずかにちゃんの手を弾いてポケをこっちへと追いやりポケの前に立つ

それによりずっとポケだけを写していたすっかり暗く染ってしまった柳色の瞳をようやくこちらに向けた

かにちゃん

ちぐさ、ポケを返して?

ちぐさ

……無理

かにちゃん

なんで?ポケを裏切ったのはちぐさでしょ?

ちぐさ

!!……ぁッ…、、

ちぐさ

……ッ違う!裏切ったんじゃない!俺は、ずっとポケのこと…!!

かにちゃん

何が違うの?ポケ泣いてたよ?なんで、って…

かにちゃん

そんなちぐさにも嫉妬してた。俺らじゃダメなのかなってずっと思ってた

かにちゃん

だから俺は嬉しかったよ。ライバルが減ったって思って

かにちゃん

でも結局、ちぐさはポケのこと好きなんだね

ちぐさ

ポケカメン

…ちぐ、さ…、、?

ちぐさ

…うん。ポケのこと好きだよ、ずっと

ちぐさ

でもそれを抑えなきゃいけないってわかってたから

ポケカメン

……

聞いたこともなかった。ちぐがポケに関する本心を話すのはこれが初めてだった

でも、ちぐがそれを言うなら俺だって、

かにちゃん

…そ、まぁそんなことどうでもいい

まいたけ

俺らの目的はポケだけだしな

さくらくん。

そうだね、ポケくん。俺らはポケくんを迎えに来たんだよ

ふぇにくろ

ポケ帰ろう?俺らの家に

ゆぺくん☆★

また一緒に暮らそう。六人で永遠に

ポケカメン

………

ほんこん

…行かせない。絶対

ほんこん

お前らそろそろ目覚ませ、お前らはポケを傷つけてるんだよ

ふぇにくろ

…ほんこんさん、言ってくれましたよね。俺らの応援するよって

まいたけ

邪魔しないでください、これが俺らの幸せなんです

さくらくん。

そう、俺達は幸せを掴もうとしてるだけなんですよ?

ばぁう

……これが幸せとか…馬鹿げてるだろ……

ポケカメン

ッ…?ばぁう…?

ばぁう

お前ら馬鹿じゃねえの。これの何が幸せなんだよ

ばぁう

好きなやつ監禁して無理やり犯して、お前らならポケが傷つくことの一つや二つわかってただろ?

ふぇにくろ

口出しすんな。それこそばぁうだってちぐさと同じだろ

ばぁう

………そうだよ、俺もちぐと同じなんだよ

ばぁう

ポケのこと好きだし忘れられねぇし、でももう会うことなんてないんだからブロ解して俺の目に留まらないようにしてた

ばぁう

嫌いになろうって頑張り続けてたのに…今日また話して、こいつはなんも変わってないんだなって安心感すら覚えたし嫌いなんて思えるわけなかった

ばぁう

好きだよ、好きなんだよポケのこと

ポケカメン

…………ばぁ、…う…、、

ばぁう

…っ…だから…!!

自分でも驚くくらいスラスラと言葉が出てくる。今までの思い全部吐き出すかのように全てをぶちまけた

言葉にしてよりポケへの好意を実感してしまい、それと同時にポケを傷つけたちょこらびメンバーへの怒りが湧いてくる

流れ、と言うと最低かもしれないがもうどうにでもなれ、とポケの腕を掴んで自分の方へと引き寄せ体制を崩れさせ震えていた唇にそっと触れた。ほんの少しだけ触れただけで唇はすぐに離れ体制を崩させたせいか倒れ込んでくるポケを受け止めゆっくり立たせる

突然の行動にポケは驚愕したようで口元に指先を添え目を見開きながら俺を見下ろしていた

ばぁう

だから、俺はお前らを許さない

ばぁう

お前らのやってることは犯罪だ。通報されれば警察に捕まる可能性だってあるし何よりお前らはポケを傷つけた

今まで何を言っても通じなかった五人が俺の言葉にピクっと反応した。きっとあいつらが引っかかったのは「お前らはポケを傷つけた」という言葉だろう

ばぁう

愛を伝える表現はもっと他に沢山あるはずだしどっちか片方を傷つけて満たされる恋とか、幸せになんてなれないだろ

まいたけ

……おれら、……ポケを………

五人は絶望したようにポケを見る

ズボンが履けず露出されている足には大量のキスマと噛み跡。サイズが合わずオーバーサイズのパーカーなせいで鎖骨も露出されていてその鎖骨も足と同じように大量の跡が着いていた

それはどうも痛々しく見えて傷つけた、と自覚させられるには丁度良かっただろう

ふぇにくろ

…ポケ……

かにちゃん

……っそれ、痛い…?

ポケカメン

…ぇ、?ううん…今は、痛くないよ

ゆぺくん☆★

ごめん、俺らポケのこと……

ポケカメン

……傷ついてないよ、俺。確かにずっと怖かったけど…

ポケカメン

でも、それでもお前らは大切にしてくれてたの知ってるから

さくらくん。

……ポケくんごめん…俺ら酷いこと……ッ

まいたけ

…ちゃんと、償うから……通報でも何でもしてくれ

ポケカメン

…いや。通報はしたくない

ほんこん

ポケ!?何考えて…!

ポケカメン

だって、俺こいつら居なかったら毎日楽しくないもん

ポケカメン

俺は、こいつらとほんこんさんと七人で撮影したりする時間が好きだったしちょこらびだってなくしたくないしこれからも活動続けていきたいし

ポケカメン

……俺も俺で、こいつら居ないとダメだから

少し悔しそうにでも幸せそうに笑って言ったポケは何よりも輝いていた

ポケカメン

だからさ、また活動してリスナーにいいもん届けよ?動画撮って公式放送してLIVEして……また前みたいになれない、かな?

座り込んでしまったちょこらびメンバーの前に膝立ちになり微笑みながらそう告げる。そんなポケに安心したのか一斉にポケに飛びかかり泣き始めた

各々ごめん、と謝りながら五人でポケに抱きついていてポケは苦しそうにしながらも嬉しそうにしていた

ばぁう

……ポケ…

しゆん

ばぁう、お前結構大胆だな

ばぁう

はッ!?ばっ…いやちげーよ!!あれは…!!

そうま

えぇ?嘘なのぉ??ばぁうの顔めっっちゃ本気だったけど?

てるとくん

てか嘘だったらキスなんてしてないよね〜

ばぁう

いや、あれは……

ちぐさ

……じゃあ、俺がポケもらっちゃおっかな…

ばぁう

ダメに決まってんだろ!言っとくけどちぐ、抜け駆けしたら罰金だからな!!

ちぐさ

なんで罰金!?てか今の聞こえたの!?こわっ!?

ころん

…なーくん?どうしたの?

ななもり。

……いや、……俺なんか間違えてたのかなって…

ころん

ななもり。

ねぇころちゃん。ポケカメンくんって…すごいんだね

ころん

……そう、かもね…

まいたけ

…ほんと、ごめんなポケ

ポケカメン

いや、もうほんと気にしてないし、これからまたよろしくな

かにちゃん

…うぅ…ポケ〜!!

ポケカメン

かにちゃん泣きすぎ

かにちゃん

ポケが優しいからぁぁ…!!

ふぇにくろ

おいかに!俺らももう離れたんだからどさくさに紛れて抜け駆けしてんじゃねぇよ!

かにちゃん

はぁ!?してないし!てかそんなこと言ったらみんなだって抜け駆けばっかしてきてたじゃん!

さくらくん。

それとは関係ない!みんなでお互い平等にって約束したでしょ!

ゆぺくん☆★

てか抜け駆けっつったらそこ二人もそうだからな!

ばぁう

はっ!?

ちぐさ

俺らにも来るの〜!?

ふぇにくろ

ばぁうなんかキスまでして…昔の縁と今日の感謝があるから今回は許すけど、今後抜け駆けしたら許さないからな!

ばぁう

抜け駆けもなにも!そんなのポケ自身の問題だし関係ないだろ!

ちぐさ

そうだよ!問題はポケが誰に魅力を感じるかなんだから、それまで俺らはアピールしていかないと!

まいたけ

じゃあみんなで勝負するぞ!

かにちゃん

いいねそれ!ゲーセンでも行く!?

さくらくん。

じゃあゲームセンターで対決!

ばぁう

よっしゃ行くぞ!絶対負けねぇ

ゆぺくん☆★

こっちのセリフだっつの!

ほんこん

なんなんだこいつら…

ポケカメン

ははっ、でも楽しそうっすよ

ほんこん

ポケもポケで楽しんでるだろその笑い方…

ポケカメン

はい、楽しいです

ほんこん

…そう

ほんこん

……この先、またメンバーの様子おかしくなったらすぐ言えよ?そうなった時今度は止めれるの俺ぐらいしかいないから

ポケカメン

…はい!なんかあった時はあいつらぶっ飛ばしてください!

ほんこん

めっちゃ笑顔で怖いこと言うなお前!

その後、今度はポケの服装についてちょこらびメンバーに詰め寄られるそうまとの一件を素早く終わらせばぁうとちぐさがゲームセンターに行く気になってしまい会議は別日へと変更、全員でゲームセンターへと向かい予想外すぎるきっかけで交流を深めたSTPRとちょこらび、そしてばぁうとポケカメンであった

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