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話作るの上手いですね!! 続き楽しみです( *´꒳`*)
ある所に双子がいた。
いわゆる一卵性双生児
違いといえば目の色とホクロくらい。
目元を隠せば親ですらどちらがどちらか分からなかった
その双子は人一倍暇を嫌っていた
その双子は人一倍楽しいことが好きだった
馬鹿げた話をしよう。
童話で知られる桃太郎の話は実在し
現代にまでその戦いが続いているらしい。
双子の親はそれぞれ別の『血』を引いていた
父親は鬼の血を
母親は桃太郎の血を
2人は自分が何の末裔であり、祖先を知らないまま出会い
結婚し
愛し合い
子供を授かった
そして双子が生まれた
双子はそれぞれ、 『桃太郎の血を濃く引く者』 『鬼の血を濃く引く者』
キッパリと別れてしまった
双子はとても仲良しだった
二人だけの世界
そう言っても過言ではなかった。
しかし、ある日のことだ
『それ』は突然現れた
少年
突然、二人だけだったはずの世界に入ってきた異物。
可愛らしい声と、青い髪の毛はよく覚えている。
双子
少年
双子
少年
双子
少年
初めは無視していたが、その異物は中々頑固で自分達から離れない
双子
少年
どころか、双子の服を掴んで今にも泣きそうな顔をしながら、頬をふくらませている。
双子
なぜかは分からなかった
双子
けれど
確実に
双子
少年
その異物《少年》に心惹かれていた。
少年
少年の質問に双子の青眼の方は言う
羽屋天
次に双子の赤眼の方は言う
照屋
最後に双子は言う
双子
目の前の少年は口を開く
少年
少年は近くの酒屋の一人息子だった。
正直なところあまり顔は似ていなかったが
少年は片親である父親とは仲が良さそうで微笑ましかったのを覚えていた
偶然が必然になり
必然が当然になる
いつしか双子は少年のことを 『しーちゃん』 と呼ぶようになった
他の子供よりも大人びていた双子は
羽屋天
照屋
少年
羽屋天
少年
照屋
同い年であるにもかかわらず
少年
羽屋天
少年
少年
照屋
少年
少年をまるで『本物の弟』のように扱った。
少年
クスクス…
少年
少年
双子
少年
ある日は隠れんぼをしたり
少年
羽屋天
照屋
鬼ごっこをしたり真っ当に 子供らしい事をしたものだ
少年
少年
羽屋天
照屋
少年
またある日は互いの 家に泊まりに行ったりした。
ある日のことだったか
三人は双子の家でくつろいでいた。
だらりとして、平和なそんな時
双子の片割れが口を開いた
照屋
その言葉に、もう片方は言う
羽屋天
羽屋天
双子の言葉に、間に挟まれていた少年が言う
少年
羽屋天
羽屋天
羽屋天
照屋
少年
少々不貞腐れたように頬をふくらませる
双子
その返答が予想外だったのか、双子は腑抜けた声を出す
少年
少年
ニカッと笑うその姿に双子は困惑する
羽屋天
照屋
こんな感覚は初めてだった
双子は基本的に、浅く広い交友関係を 結んで来た。
『二人の世界』を邪魔されないように
しかしながら、この少年は その世界に当たり前のように入ってきて
瞬く間に『二人の世界』から 『三人の世界』にしてしまった。
双子
今更、そんなことに気づいたのだ。
少年
双子の腕を掴みながら 笑うその姿は
いつも以上に幼く見えて 可愛かった
少年
少年
そんな、彼にとっては何気ない 少年の一言で双子の見ている世界は
より一層色づき煌びやかになる
双子
さて
少年の宣言どうり三人はずぅっと一緒 だった
あの日までは
それから3人は成長し
同じ高校に進学した
だと言うのに……
羽屋天
照屋
そう、少年は入学初日だというのに問題行動を起こし、 初日から退学処分になったのだ。
こんなことは異例だ、と担任になった教師も言っていた
羽屋天
照屋
そんなお兄ちゃん目線の発言をしながら 二人は少年の家に向かう
きっと今頃、親父さんに叱られて
喧嘩して
不貞腐れているだろう。
そんな少年の頭を撫でて
甘やかして
優しく窘める
そんな、当たり前だと
胸を張って言えるような日常が
始まるはずだったのに
少年の家の一回にある酒屋が、まるで 車が突っ込んだかのように 荒れ果てていた。
羽屋天
照屋
少年の姿も、親父さんの姿も見えない
ただ、そこには荒れ果てた酒屋があるだけ
羽屋天
照屋
双子は急いで少年の部屋がある二階へ駆け上がる
羽屋天
部屋にも少年の姿がない。
窓ガラスが割れ、外から来る風が双子の髪の毛を揺らす
それからしばらくして、親父さんの死体が見つかった、それと同時に──
───少年が行方不明になった
羽屋天
双子は探した
照屋
暇な時間を見つけては探した
少年を……
『一ノ瀬四季』を
それから双子の片方は、『桃太郎機関』 と呼ばれるところに所属し
もう片方は無所属として 一ノ瀬四季を探すことに決めた
羽屋天
照屋
そう、固く決意しながら。
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