別世界との決別

私は箸を進めながらふと気になった事を口にする

静かに、冷静を装い話していた口元は震え、別カピは額から汗を流し始めた

私の頭を昔のように優しく撫でてくれるカピバラの目には、光るものがあった。

よぉ

俺だ

カピバラだ

今日の昼いつもの場所で決着をつける

遅れるんじゃねぇぞ

2025 7/25

みな声を揃えて士気を高める

俺は思わず震える手を抑えた

俺は思わずにかっと笑う

気配を消した急降下で脳天を狙う

…が流石に躱された

先手を切って龍馬が別カピと火花を散らす

龍馬の拳が別カピの髪をかすめる

一歩後退した別カピの足元が光り始める

蓮はそこをトラップで抑えろ

軽やかな足運びで罠は避けられた

したらばあいつはもちろん飛び上がって回避する

そこを凜香のブラックホールで空中の動きを奪うんだ

空間を捻じ曲げ空中に光をも吸い込むブラックホールが現れた

もう一つぶつけて相殺するのさ

二つの深淵がぶつかり合い、強力な衝撃波が生まれる

太く重い一撃がカピバラの腹に入る

激しい衝撃と共にカピバラは地面にめり込んだ

めり込んだカピバラに向かって、海斗とフクロウの一撃が炸裂する

海斗からは雨も乾くほどの熱を放つ朱雀、フクロウからは空高くから稲光が放たれる

が、煙が晴れて見えたのは、ただの焼ききれた地面だけだった

血で作られた竜巻にカピバラは為す術なく呑み込まれた

突如として竜巻の中に血で作られた刃が舞う

血の竜巻が振り払われ、視界が広がる

その瞬間、珠洲を除いた皆が周りに飛び上がる

黄色いオーラを纏った回転斬りに、周りの奴らの胴体が切り離される

次の瞬間、皆の姿が次々に変わり、ついにその正体が明らかになった

※カピバラは煙を吸い込むと咳が止まらなくなって行動不能になる

フクロウと和倉の間から白い閃光が走る

その時、異常が起こった

その瞬間、煙幕の壁を破り、目にも止まらぬ早さでカピバラが姿を現した

全ての力を込めた渾身の振り抜き…手応えもあり命中したかに思えた…が

別カピは刀を盾にして防いでいた

が、次の瞬間 刀の刀身が音を立てて崩れ落ちる

別カピがさっきとは見違える程の速度でカピバラを殴り飛ばす

そう言いながらも、何故かカピバラの口角は上がっていた

そこからは他の誰も介入しようと思わない程の殴り合いが発生していた

長く本格的に戦っていなかったからか、この世界のカピバラが先に膝をついた

その言葉の後、重い沈黙が走る

先に動いたのは

別カピだった

目にも止まらぬ速さで距離を詰め、轟々と燃え盛る炎をその手に宿す

負けじとカピバラも蒼く光るベールを纏い拳を振るう

お互いの拳が全く同じタイミングで確実に顔を捉える

カピバラに生じた一瞬の隙…その隙を別カピは見逃さなかった

けたたましく音を鳴らし、黒雲から雷がカピバラに向かって降り注ぐ

黄金に輝く巨大な盾が雷を弾き飛ばす

別カピが指を鳴らした瞬間、絶え間なく振り続けていた雨が水滴となり、空中に止まった

水滴から飛び出した無数の雷の槍がカピバラを貫く

カピバラの体が塵となって消え始める

別カピが龍馬達に振り向いた瞬間

黒い渦が生まれ、その中から何かが飛び出し別カピに飛び蹴りを喰らわせる

その何かは

カピバラだった

カピバラが見違える程の速さで近づき、別カピに強烈なアッパーカットが炸裂する

別カピの口から赤黒い血が吹き出す

別カピの体が光になり消え始める

そしてカピバラは

目を閉じた

次に目を開けた時には雲の上だった

いつもの吸血鬼とは思えないほどの眩しい笑顔が降り注ぐ

久しぶりの空気感、久しぶりの顔揃い…

もう俺は、溢れ出す涙を止められなかった

頬から伝う涙が零れ落ち、遥か雲の下に落ちていく

こんなとこでぐらい静かにしてよ〜！！

呑気にそんな事を話している時に限って水は差される

そんな疑問を抱えながらも、少し騒がしい公園の入口に目をやる

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マジックショーの

始まりだ