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グレイス

ジーク…

グレイス

どうして…?

ジーク

―ぽたり、と。

冷えた地下牢の床に、一粒の涙が零れ落ちた。

勢いよく彼の脚にしがみついた私は髪を振り乱し、必死に彼に懇願する。

グレイス

どうして!?

グレイス

あなたは私と約束したはずでしょう!?

グレイス

一生を添い遂げると!!

グレイス

私とともに生き残り、この【ガルシオン家】の当主となると!!

グレイス

それなのに…

グレイス

それなのに、

グレイス

どうして、

ジーク

ははっ!

グレイス

ジーク…?

ジーク

お前が、ガルシオンの当主?

ジーク

本気でいってるのか…?

グレイス

え…?

ジーク

なれるわけないだろう?

ジーク

お前のような、母親の身分も低ければ、頭の回転も悪いような奴が

グレイス

な…っ

ジーク

お前は、『11人のガルシオンの子供たち』の中で最も早く死ぬ 

ジーク

それが証拠だ

グレイス

…っ

グレイス

グレイス

…でも、

グレイス

あなたは…っ

ジーク

俺がお前を愛したことなど、一度もない

グレイス

…!!

ジーク

すべては今日、今

ジーク

お前を殺すために吐いた戯言だ

グレイス

グレイス

…そん、な…

ジーク

残念だったな、グレイス・ガルシオン

ジーク

恋人ごっこは、これでおしまいだ

そう吐き捨てると、ジークは持っていた剣を高く振り上げた。

ろうそくで照らされた銀色の刀身が、私の頭上でぎらりと光る。

私はこれから、かつて愛した恋人の裏切りによって、殺されるのだ。

グレイス

嫌…

グレイス

嫌ぁああぁあぁあああ!!

―ガルシオン公爵家。

かつて英雄が治めたファーガス帝国に唯一存在する、由緒正しき公爵家。

しかしこの家門には、何百年と続く非情な習わしがあり、

優秀な後継者を選出するため、ガルシオンに生を受けた11人の子供たちは、【継承戦】の名のもと、互いに殺し合うことを強制されていた。

公爵家の四女で、「6番目」のガルシオンの子供である私―グレイス・ガルシオンは、

後継者になるための後ろ盾であり、恋人でもあるジーク・ブラッドベッツの裏切りによって命を落とした。

…そのはずだったのに。

メイ

…様

メイ

…お嬢様…、

メイ

起きてください、

メイ

グレイスお嬢様!!

グレイス

うぁッ!?

メイ

はぁ

メイ

やっとおきましたね

メイ

おはようございます、グレイスお嬢様

グレイス

グレイス

………

グレイス

…?

グレイス

え…

グレイス

メイ…?

グレイス

待って、私さっき死んだはずじゃ…

メイ

いつまで寝ぼけていらっしゃるのですか

メイ

夢の話はお控えください

グレイス

夢…?

グレイス

(…いや、違う…)

グレイス

(あれは…)

グレイス

でも

グレイス

私はっ…

メイ

それよりも、早く身支度をなさいませ

メイ

今日は、ブラッドベッツ卿がいらっしゃる日でしょう?

グレイス

えっ…

グレイス

ジークが?

メイ

はい

メイ

明日の婚約発表について話し合うと、

メイ

昨日ご自分でおっしゃっていたではありませんか

グレイス

私が…?

グレイス

(婚約発表は、確か半年前だったはず…)

グレイス

(なら、半年も前に戻ってきたってこと…?)

グレイス

グレイス

(けれど、どうして…?)

メイ

お嬢様?

メイ

本当に大丈夫ですか?

グレイス

あ…

グレイス

え、えぇ

グレイス

大丈夫よ

グレイス

心配しないで

メイ

メイ

水でもお飲みになりますか?

メイ

少しは目も覚めるかもしれません

グレイス

…そうね、いただくわ

グレイス

注いでくれる?

メイ

かしこまりま…

ヒース

ねえええちゃぁあぁああん!!

その時。

勢いよく扉が開き、突如黒髪の少年が私に抱き着いてきた。

彼は公爵家の三男であり、ガルシオンの7番目の子供。

私の腹違いの弟―ヒース・ガルシオンだ。

グレイス

ヒース…!!

ヒース

おはよ、姉ちゃん!

ヒース

あ、もしかしておきたばっか?

グレイス

ええ

グレイス

そうだけど…

メイ

ヒース様…

メイ

どうして、こちらに…

ヒース

あ、水!

ヒース

ねえ、それ俺にもちょうだい!

ヒース

走って来たからあっつくて!!

グレイス

えっ

メイ

お待ちください!

メイ

ヒース様、それはお嬢様の…っ

ヒース

ぷはっ

ヒース

…ん?

ヒース

なんか言った⁇

メイ

い…いえ、

ヒース

グレイス

グレイス

それで、ヒース

グレイス

こんな朝からどうしたの?

ヒース

あ、そうそう

ヒース

姉ちゃん、朝食まだでしょ?

ヒース

だから、一緒にどうかなーって!

グレイス

あぁ、そうだったの

ヒース

今日は姉ちゃんの好きなデザートもあるってさ!

ヒース

ね、

ヒース

早く行こうよ!

グレイス

ヒース

…?

ヒース

姉ちゃん…?

グレイス

ヒース、誘ってくれたところ悪いのだけど…

グレイス

今から、ジークに会いに行かなくちゃいけないの

ヒース

え、

ヒース

アイツに?

ヒース

なんで?

メイ

明日の婚約発表について、お二人で話し合うそうです

メイ

候補者の後ろ盾を公表することは、継承戦を有利に進めていくには欠かせないことですから

メイ

ですので、ヒース様は…

グレイス

いいえ

グレイス

違うわ

メイ

え?

グレイス

気が変わったの

グレイス

ジークとの婚約は、破棄する

グレイス

…今から、その話をしに行くのよ

公爵家のデスゲーム~たった一人しか生き残れない公爵家で、悪女は当主になる~

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