亜嵐
………
心
…亜嵐くん、手
亜嵐
ごめん、嫌かもしれないけどちょっと待って
人影のなさそうな控室に入る亜嵐
心
………
亜嵐
………
心
……亜嵐くん、手…
亜嵐
あ…ごめんね、…痛かった?
心
(首を横に振る)
亜嵐
………
心
………
亜嵐
…心ちゃん
心
?
亜嵐
…その…玲於の言ってたことなんだけど…
心
………
亜嵐
気にしてる…よね…?
心
…(ゆっくり頷く)
亜嵐
だよね…
心
…3年間経験してきたことは正しかったはずなのに…もしかしたら自分の勘違いだったのかもって自信なくした…
亜嵐
………
心
佐野さんの言ってた通り、あんな人目がつく場所で片寄さんの優しさに甘えて相談なんてして自分が情けない…
亜嵐
………
心
………
亜嵐
心ちゃん
心
?
亜嵐
俺が今から言う言葉がどれだけ心ちゃんの力になれるかわからないけどさ…何一つ俺の中で偽りのない事だから信じて聞いてくれる?
心
(ゆっくり頷く)
亜嵐
心ちゃんがこの3年間経験してきたことは全部正しかったと俺も思う
心
………
亜嵐
EXILEのスタッフとして頑張ってた姿を俺もメンディーくんも他のスタッフさんだって知ってる、その結果今は独り立ちして…ジェネのスタッフとして指導者として一緒に働いてる。それは紛れもない事実じゃない?
心
…(頷く)
亜嵐
玲於にあんな風に言われて自信なくしたって言ってたけど…心ちゃんはもっと自分に自信を持って仕事しても良いと思うよ
心
………
亜嵐
これに関しては今すぐ変えられることじゃないから大変かもしれないけど…少し意識するだけで違うと思うんだよね
心
………
亜嵐
…今のは…あまり納得いかなかった感じ?
心
(首を横に振る)
亜嵐
なら良かった(微笑む)
心
………
亜嵐
それと涼太の優しさに甘えて情けないって言ったよね?
心
うん…
亜嵐
甘えていいよ
心
………
亜嵐
心ちゃんは情けなくなんかないよ
心
…ダメなの
亜嵐
ダメ?
心
(頷く)最近全然仕事に集中できなくて
亜嵐
………
心
あげくの果てには小森さんにも片寄さんにも心配かけて
亜嵐
それなら俺に電話してくれていいのに
心
(首を横に振る)
亜嵐
なんで?全然いいよ
心
…亜嵐くんのことだから
亜嵐
え…俺!?
心
(頷く)
亜嵐
えっ、マジか…ごめん………えっ…でも…何で俺?
心
……亜嵐くんが…いいって…
亜嵐
え?
心
…かわいいって
亜嵐
あ…あー///…言った…確かに言ったわ…
心
亜嵐くんにそんな風に言われたのも初めてだったし…その後もなんかいつもと違うような気がして…
亜嵐
それが気になって仕事に支障をきたしたと…
心
(頷く)
亜嵐
それは本当にごめん…ごめんなさい
心
………
じっと亜嵐を見つめる心
亜嵐
えっ…なに///?
心
あの時、何か言いたいことがあったんじゃない…?
亜嵐
言いたいこと…?
心
(頷く)
亜嵐
ないと言えば嘘になるけど…
心
けど…?
亜嵐
今ではないと言うか…
心
どうして?どうして今じゃダメなの?
亜嵐
それは…また時が来た時に伝えたいっていうか…場所も場所だし
心
…このまま仕事に集中できないって言っても?
亜嵐
……いいよ?…言ってもいいけど、今まで以上に集中できなくなるかもよ?
心
え…?
亜嵐
それでもいい…?
心
…(頷く)
亜嵐
……わかった…
心
………
亜嵐
………
心
………
亜嵐
心ちゃん
心
………
亜嵐
俺は心ちゃんが好き
心
…えっ…
亜嵐
さっき心ちゃんが仕事に集中できないって言ってたように俺は仕事に集中できなくなるくらい心ちゃんが好き
心
………
亜嵐
心ちゃんがEXILEのスタッフになってから…心ちゃんの笑顔に…努力する姿に気がついたら惹かれてた
心
………
亜嵐
初めてのツアーで悔しくて泣いてる姿を見たときには俺が支えてあげたいって守ってあげたいって思った
心
………
あまりにもまっすぐな亜嵐の視線に思わず俯く心
亜嵐
困ってる?
心
…そんな…困るっていうか…
亜嵐
俺が心ちゃんを好きでいたら困る?
そう言いながら近づき、俯く心の顔を覗き込む亜嵐
心
…だって…このままじゃ仕事に支障が
亜嵐
それでもいいって
心
言ったけど…
亜嵐
いいよ
心
…?
亜嵐
困らせるってわかってたし
心
………
亜嵐
俺が心ちゃんを好きって気持ちが少しでも伝わったならそれでいいから
心
………
亜嵐
伝わった?
心
…(頷く)
亜嵐
(微笑む)心ちゃん
心
?
亜嵐
今は付き合ってほしいとは言わない…ただこれからは俺のこと1人の男として見てほしい
心
………
亜嵐
俺はずっと好きだから
そう言って優しく心の頭に手をのせる
心
…///…わかった
亜嵐
(微笑む)先に控え室に戻ってるから
心
(頷く)
そう言ってその場を去って行く亜嵐
心
…………