剣持
ふぅ〜…
剣持
ゴホッ ゴホッ
剣持
本当は知ってる…
剣持
でも…
自分のほっそりとした腕を見ると、
自分が真実を知ってしまいそうで、怖い。
でも、そうだったとしても、がっくんと一生一緒にいたい。
剣持
…流石に痛いな…はは…
壁に擦った背筋は、鞠の様に丸まっている。
まだ齢16の少年だ。
その小さな体にどれだけの苦心を秘めているのか。
どれだけ時間が残っているのか。
これを知れる者は彼のみであり、又、最も知りたくない者も彼のみである。
鴉も鳴く頃、僕は落ち着くために街を歩いていた。
もう人もいない。丁度いい時間だ。
剣持
あ、あの〜、
店主
なんだい
剣持
この指輪って、いくらですか?
店主
8銭だよ
剣持
じゃあ、これください
店主
毎度あり
店主
…なぁ坊や、きっとそりゃ恋人やろ。
店主
ええなぁ、大事にするんよ?やないと離れてくっからな。
剣持
はい。そりゃ大事にしますよ。
剣持
ありがとうございます、それでは!
店主
おう!全く、色男やなぁ