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ゆとり

ん”ん”…んー…

ボクは出社して間もなく、 自分の机の前で伸びをする。

ゆとり

昨日あんま寝てないから眠い……

いつもと変わらず仕事を始めるボクにも、 普段と違う部分がある。

あん

よぉ愉鳥。
…お、髪おろしてんの珍しいな。

そう。 ボクは今日、首まである髪をほどいている。

ゆとり

……まぁ、たまにはね

あん

そうだな、いつもは折角綺麗な髪なのに
視界の妨げだって言ってひとまとめにしちまうからなぁ。

ゆとり

なんですかそれ、
ボクを口説こうったって無駄ですよ…

ゆとり

今日は残業せずに帰りたいので。

そう言ってパソコンを起動しようとすると、 諳さんはこちらをじっと見てきた。

かと思うと、

あん

その髪…さては女絡みの事情か?

といった調子で突拍子もないことを言い出すのだ。

ゆとり

そ、そんなわけ…!
てかなんでそう思ったんですか!?

あん

んーまぁ既婚者の勘かな~

あん

あーいいな、俺まだ嫁とは
行ってきますのキスくらいまでしかいってないのに。

そう言って指をさしたのは、 ボクの首筋あたりにつけられた痕。

ゆとり

………っ!!

ゆとり

(流石にこんなとこまでは隠せないよ…!まったく、
ほまれさんのばか…
あちこちにキスマークつけてってからに…!)

昨日のことを思い出すと、やっぱり ほまれさんの顔が浮かんでくる。

ゆとり

(あの時ボクを見てたときの、
恍惚とした表情…好きだな…)

ゆとり

…また会いたい

ボソッと呟いてから、 ボクははっとした。

ゆとり

(そういや連絡先聞いてない!!)

ゆとり

(うわー…うっかりしてた、
昨日は眠すぎて頭回ってなかったからだ…
連絡手段ないし…また会おうって言ってたのにどうしよ)

そうして考えた末に、 またあのガールズバーへ行こうという結論に至った。

ほまれ

はぁ………

昨日は一夜の感情に任せて、 ついやってしまった………

ほまれ

(ゆとりさんに、会わせる顔がないけん…)

ほまれ

いや、いろいろ考えても変わらんし!
今はバイトバイト!

ほまれ

えと…まだなんも注文してない席
回ればいいん…よね……?

接客は苦手なので、できる限りで仕事をしようと 近くの席へ向かうわたし。

するとそこには、 まだ合わせる顔もできていない相手が座っていた。

ほまれ

へ…えっと、
ゆとりさん…?

ほまれ

(おいおいおいおいおい)

ほまれ

(思いっきり寝てるやんゆとりさん!!?
バーに来てまで爆睡する神経どーなっとるん!!)

わたしはその状況に、ちょっとラッキーと 思いつつ隣に座った。

ほまれ

疲れとったんかな…
やっぱり昨日は、わるいことしたかも…

ゆとり

……………ん

ゆとり

あれ…寝てしまってたのか……

ほまれ

(……!!ゆとりさん起きちゃった!)

ゆとり

ああ…ほまれさん、
本日は君に会いたくて来たんですよ…

しれっとそんなことを言うゆとりさんは、 寝ぼけていて…なんだかぽやぽやしている。

ゆとり

昨日のことは―――

ほまれ

ちょちょちょちょい!!
あ、あの話は場所変えてしませんか!!?

ほまれ

その辺の居酒屋とか、
確か個室ありましたよ!
ねっ!

ゆとり

分かった…そしたら移動しましょうか…

寝起きのゆとりさんは、なんだか可愛げがある。

ほまれ

(……って!
なんてこと考えてるんわたし!!?
…昨日のこと、ちゃんと謝らなきゃじゃん!)

ほまれさんの提案で居酒屋に場所を替え、 二人でお酒を頼んだところ。

ゆとり

…個室、埋まっちゃったって

ほまれ

はい…すみません
こんな騒がしい店しかなくて…

ゆとり

いいですよ、逆に会話内容聞かれなくて
良いんじゃないですか?

ゆとり

騒がしい店のお陰で。ねぇ?

ほまれ

む……
白々しいですよ、もうっ

ほまれさんはグラスに口をつけ、 一息ついてから続けた。

ほまれ

それで…
昨日…その、わたしが…

ほまれ

ゆとりさんを……
襲っちゃった…みたいで…

ほまれ

その件は、本当に申し訳ありませんでした!!

ゆとり

え、えっと、
どうして謝っているんですか?
何か悪いことでも?

ほまれ

悪いことありありですよ!!
初対面、かつ同意の無い男性を
せ、性的な意味で食うだなんて…!

ゆとり

それはボクの方にも非がありましたよ、
家に招いたのボクですし。

ゆとり

正直……ほまれさんは顔も性格も
好みなので…

ゆとり

…初対面でキスされても、別に嫌な気分はしません

ほまれ

………!!

ほまれ

…………わたしもです。
昨晩は楽しかったので。

ゆとり

ほまれさんもそう思ってくれていたとは…
嬉しいで――嬉しいよ。

ほまれ

じゃ、じゃあ…っ!
わたしなりに責任を取らせて欲しいです!

ほまれ

わたしと付き合ってください、ゆとりさん!

ゆとり

…ほまれさん、もしかして
もうアルコール回ってます?

ほまれ

いえ、冗談ではなく。
だめでしたか…?

困ったようにこちらを見つめる ほまれさんが可愛かったので、もちろんですと答えた。

ゆとり

…急にふと、国の名前が出てくることって
ありますよね

ほまれ

むっ……
むっちゃあります!

ほまれ

あとそれと、秒針のリズムにベースとメロディーを
つけることとかしょっちゅうあるんよね!

ゆとり

分かります。秒針に限らず、ボクは
一定のリズムがあるものには大体つけてます。

ほまれ

うわ~~~!!
同じやけん!

ほまれ

わたしら気ぃ合いますね!
なんでこんなシンクロするんやろ、気持ち悪
ってくらい!

ゆとり

やだなー、気持ち悪いだなんてそんな…
………へ?

ゆとり

というかほまれさんって方言強いですね。
可愛い。

ほまれ

へぁっ!?
わたしそんな方言でちょりました?

ゆとり

現在進行形で方言だったよー

ほまれ

ええほんとに…?
わたしだって最初の方は頑張るんですよ、
知らんひとの前では出んように……

ゆとり

そうなんですか?

ほまれ

(やばいやばい酔いが回って
方言と標準語の区別分からん!
…というか―――)

ほまれ

(ゆとりさん全ッ然
酔わねーーな!!)

ほまれ

ゆとりさんお酒強いですね…
結構な時間飲んでますよ、わたしたち…

ゆとり

確かに結構時間経ってますね…
眠くなってきた……

ほまれ

そういやゆとりさんって、
夜弱いんですか?

ゆとり

おっしゃる通り…ですよ…
最近は特に仕事詰めで

ほまれ

それなのにわたしに会いに来てくれたん…?
とにかく、ちゃんと寝てください。

ほまれ

疲れた状態の彼氏と会っても、
申し訳なくなりますから。

彼氏。 その響きがボクにとって聞きなれなく、心地の良いもの だったかどうかはほまれさんには教えない。

ゆとり

そう…ですか。
それはありがたいです…

こうして、ボクが少しうとうとし始めていた時。

ほまれ

……それでゆとりさん。
夜のお身体の方は元気ですか?

ゆとり

っ!!?

ほまれ

身体は元気ですか、って聞いただけですよ…

…お陰で完全に目が覚めてしまう。 でも悪い気はしていない。

ほまれ

ほら、昨日は「またやりたい」って
言いましたし…ね♡

そう言ってほまれさんはボクの頬に手をかけ、 距離を縮めた。

ゆとり

………今日はちょっと、
元気ないです…///

ほまれ

あら…残念です

ほまれ

(顔背けよるの可愛すぎ…!
こりゃ明日にでも抱いてあげんとな)

こうして、今夜は連絡先だけ交換して、 しっかり寝ることになった。

【創作カプ】※エロ描写あり「嫌われるほど好きじゃない。」

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コメント

1

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りた様の小説、カンヒュも良すぎるのに他界隈も良すぎるって何事ですか!?天才ですか!?天才ですね!!!(?

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