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窓から照らす夕陽。 仕事が休みなので家で寝室のベッドに横たわっていたが、なぜだかさっきから息苦しい。 今日は暑くもないはずなのに。
体が火照る感覚。 熱...だろうか? いや、こんなにも腹の底が煮えるような熱になったことがない。 ……つまり
エイジング
潮平 翔斗
まさか。と信じられない俺はベッドに置いてあった携帯の検索ページを使い、調べて見た。
潮平 翔斗
エイジング 体内アルコール度数が最高潮に達し、身体が火照った微熱状態になること。 パートナーか処方箋で対処可能。
潮平 翔斗
放置がダメなら、やることは1つだった。 なんせ、俺にはパートーナーはいない。 処方箋を貰いに行くしかないだろう。 それにしても、俺はNのはずなのに...
潮平 翔斗
頭をよぎるのは「特異体質」の文字。
潮平 翔斗
額から流れる汗が首をつたってスウェットが滲んでいく。 とりあえず、保険証と診察券が入ったままの財布とポケットに入っているスマホだけを持ってマンションの扉を開けた。 火のように熱い何かが腹底から溢れかえってくる。 しまいには目眩だってしてきた。
俺は病院へ足を運んだ。
さっきよりも暗くなってきたが数メートル先には3ヶ月に来た病院がある。 携帯と保険証を握りしめて近くへと歩み寄った。
潮平 翔斗
段々、症状が悪化している。 このまま自身のアルコールに酔って死ぬのももうすぐかもしれない。
?
潮平 翔斗
明らかに大先生ではないイカつい男性が人気のない入口の近くにいた。 Yシャツにベストを着てサングラスを付ける整った顔の彼はマフィアやヤクザの仕事でもやっていそうだ。 何か言いかけた彼はただ事じゃないとわかったからか、その少し厚い唇を閉じた。
潮平 翔斗
?
潮平 翔斗
?
そう言って近くによってから俺の腕を自身の肩へと回し、一つの手で俺の腰を支えた。 彼のおかげでいくらか楽になった。 見た目とは裏腹にいい人なのかもしれない。
潮平 翔斗
一般人が聞いたら鳥肌がたってしまう程の咳が喉を通る。 そんな俺の様子に彼はうるさく口を開いて俺の身体を支える手に力を加えた。
?
重そうなガラスの扉に向かって叫ぶが誰も来る気配はない。 それは彼もわかっているのか、次は脅すようなことを言い出した。 俺が聞いてもいいのかと疑問に思うようなことを大声で話す彼に怖気付いた大先生は顔を青ざめながら入口のガラスのドアを押して出てきた。
青山 大
俺を見てきょとんと度肝を抜かれた大先生は今の状況が理解ができていないようだ。
コネシマ?
ぐい、とそれは病人を扱ってるつもりかと聞きたくなる荒さで俺の身体を大先生へ近づかせた。
青山 大
潮平 翔斗
なにやら2人は話しているようだが俺は眠くなってきた。 今日は色々疲れた。 せっかくの休みが台無しだ。 でも今寝たらこの身体はどう──
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コネシマ?
大先生と呼ばれる彼はベチベチ翔斗の頬を厳しめに叩く金髪の手を急いで止めてから、こっちへ来いと翔斗を背負っている金髪に手招きをした。 どれだけやぶ医者な彼でも目の前の患者は見捨てれないらしい。
青山 大
コネシマ?
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潮平 翔斗
...数分寝ていたらしい。 いつの間にか診察室にいた。 ツンとした薬品の匂いがするこの部屋は3ヶ月前に来た時と同じだった。
青山 大
コネシマ?
青山 大
彼から受けとった1錠の薬と水入りコップ。 慣れた手つきで薬を飲み込んだ。 ツンとする苦味は未だに慣れない。
潮平 翔斗
青山 大
先程の薬のおかげか身体の火照りは無くなった。 早くこればよかったと後悔するも遅いこと。 まぁ、いい経験になったとポジティブに考えることにした。
潮平 翔斗
青山 大
コネシマ?
潮平 翔斗
青山 大
潮平 翔斗
青山 大
舐めると言って勢いで土下座しそうな彼の目の前に手のひらを出して止めてから安堵(あんど)のため息をついた。 そういうこと……
潮平 翔斗
水島 拓人
潮平 翔斗
水島 拓人
青山 大
水島 拓人
青山 大
潮平 翔斗
青山 大
真面目な雰囲気になったことを感じて、すぐに彼へと向き合った。 彼の目はいつもの「みんなが憧れる大先生」だった。