鬱病

じりりりと目覚まし時計が鳴る。

大きなあくびをしてから目覚まし時計を止める。

今日は土曜日だから皆、学校も仕事も休みだ。

家族全員とのんびりしよう。

せっかく家族の皆と仲良くなれたのだから。

昨日、一斉にな。

俺はベッドから降り、部屋を出た。

リビングに行くと、親父がソファに座っていた。

相変わらず親父は起きるのが早いな。

親父がいつもの事かのように挨拶を返してくれた。

昨日、起きた事は夢ではなかった。

嬉しさでにこりと微笑む。

次の瞬間、カナダが俺に飛びついて来た。

カナダとは、以前よりも仲が良くなった気がする。

すると親父が俺達の方を見てこう言った。

カナダとタイミングが揃う。

お互いの事を見合って、くすくす笑う。

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それから3人で雑談をしていた。

雑談をして数十分が経った頃に、オーストラリアとニュージーランドが来た。

オーストラリアは朝が弱く、すごく眠そうだ。

それと比べてニュージーランドはすごく元気だ。朝は強いのだろう。

ごもっともだな。

朝っぱらから和気藹々としている。

この家族は本当に仲がいいもんだな。

確か今日は、何の予定もないはず。

みんな家で過ごすのだろう。

まあ、家で過ごすと言っても家族全員と団欒をするくらいだろう。

そんな事を思っていたら、カナダがこんな事を言った。

カナダの案にみんなは、

賛成の声を上げている。

まあ俺も家族のと仲をより深めたいし、丁度いいか。

みんな嬉しそう。

よし、じゃあまず出かける準備をしよう。

各自、準備をしに部屋に戻って行った。

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出かける準備が皆終わった。朝ご飯も身支度も済ませた。

出かけに行く準備はできた。最終チェックをし、家を出た。

こうやって家族全員で出かけるのはニュージーランドが言っていた通り初めてだ。

正直、こう言う時は何を話せばいいのかよく分からない。

世間話でもしていればいいか。

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久々に来たな。ショッピングモールだなんて。

小学低学年の頃にほんの数回か来ただけで、高学年になってからは一切行っていない。

中学と高校でも、全然行かなかった。

ずっとパジャマで過ごしてきたようなものだから。

外に出るなら学校に行くくらいで私服など一切持っていない。制服だけだ。

だから今日は、カナダの私服を借りている。

カナダは俺よりも体がでかいから、俺がカナダの服を着たら肩が見えてしまう程ぶかぶか。

ショッピングモールに来たから、私服くらい買ってもらえるだろう。

安っぽいのなら買ってもらえそうな気もする。

カナダがそう言うと、皆は俺に視線を向けた。

急に視線を向けられ、少しびっくりしたが、多分俺が行きたい場所を決めていいという事なのだろう。

すると皆は財布から金を出し、合計10000円はある札束を俺に渡した。

俺がこの量の金を使っていい？

聞き間違いか何かだろうか。

聞き間違いじゃあ、なかった。

本当にいい家族を持ったものだ。

今まではそう思わなかったけど。

ほとんどは親父が出したのか。

面白い家族でもあるな。

服屋だ。

満遍なく服が置いてある。

沢山の服に囲まれて、この場にいるだけで楽しくなってしまう。

目的は私服を買う事だ。

自分の好きだと思った物を試着してみよう。

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俺にはファッションセンスがないのかもしれない。いや、ないにも程がない。

選んだ物全てがダサいし、全然似合っていない。

困っている俺に気がついたのか、それとも偶然なのか4人が服を持って俺の所へと向かってくる。

と言って、俺にシンプルなデザインのジャージを渡した。柄は胸の辺りに少し描いてあるだけのもの。

これいいな。と思ったら他の3人からも服を渡された。

皆、俺に似合いそうな黒とか紺色の暗い色を持ってきている。

それにどれもセンスがいい。

一旦、全ての服を試着してみた。

最初にニュージーランドが持って来てくれたジャージ。

運動用にはすごく良く、動きやすい。

次にオーストラリアが持って来てくれた、パーカー。

下はダボっとしたズボンだ。

これまたすごくいい。本当にシンプルなのに、ダボっとした服がおしゃれな感じを引き立てている。

次は、親父が持って来てくれた黒の半袖とズボンに、薄い肌色のもふもふがついた暗い緑の羽織もの。

今までで一番似合っている様な気がする。

そして最後に、カナダが持って来てくれた、半袖短パン。

どちらも黒色で同じ柄。セットなのだろう。

これまたすごく似合っている。皆、センスがあって羨ましい。

結局全部良かったため、全て買う事にした。

でも、1番のお気に入りは親父が買ってくれた物だ。

すごく似合っていたし、個人的にも好みの服だった。

意外にも全て安く、残り1000円ちょっと残っていたため、次はアクセサリーを買う事にした。