テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
…
とある暗い暗い森の中
迷子になったその子は
必死に助けを求めていました
きっといつか誰かが救いに来てくれる
きっと自分は助かる…
そんな希望を抱いていたのでしょう
でも
その子の元には誰も来ませんでした
その子は段々色んなものを忘れていきました
寂しさも、悲しさも、辛さも、苦しさも
お腹は全く空きませんでした
寝るのも必要なくなりました
生きる希望さへも
光が無くなって
ただ無だけがその子の生き甲斐になりました
無になれば全部忘れられるから
それから何年経ったのでしょうか
その子は何故か死にませんでした
そしてふとその子は思いました
僕は死ねないのかな
と
その時でした
ホワッ
光が見える
明るくて暖かい…包み込まれる様な光…
ザッ
いつの間にかその子はその光の方に向かって進んでいました
あそこに辿り着いた時何が待ってるかは考えませんでした
ただ…、その子にとって、あの光は
きっと
希望の光だ