１年とTOPふぉー

〈駅前〉

〈夕食後〉

大通りを外れているため、街灯が点々としかない薄暗い通りを手を繋いで歩く

不意にガッチマンの腕を引っ張り、道を90度曲がっていくレトルト

細い道を抜けて大通りに出ると、歩道にある街路樹のイルミネーションがキラキラと輝いていた

上着のポケットに手を突っ込み肩をすくめるレトルト

話す度に口から白い息が漏れ出ている

自分が巻いていたマフラーを取ると、おもむろにレトルトの寒そうな首元に巻きつける

冷えた顔を覆い隠すように、マフラーを口元まで引き上げる

📱パシャッ

向けられたスマホの画面には、マフラーで半分隠れたほんのり赤い顔のレトルトが穏やかに笑っている

📱パシャッ

もう一度ガッチマンにスマホを向けて、いろいろな角度でベストポジションを探す

📱パシャッ

〈レトルト宅〉

ガチャッ

身体を縮こませながら急いで靴を脱ぐレトルト

玄関のドアを閉めて、脱いだ靴を丁寧に揃えるガッチマン

その後、着ているロングコートをバサッと広げる

ガッチマンの様子を見て何がしたいのか理解したレトルトが、無言で胸の中へ飛び込む

コートに包み込まれたことにより、夜の外気に触れて冷たくなった身体がじんわりと温まっていく

ぎゅーーっ

ひとしきり抱き締めたあと、スパッとガッチマンから離れる

こたつに入ってぬくぬくタイム

ガッチマンの対面に座り、腕までこたつの中に入っているレトルト

中で伸ばされている足を見つけたレトルトの手が、ガッチマンの足首をガシッと掴む

こちょこちょ……

こたつの中で暴れるレトルトの手を捕まえるガッチマン

お茶を入れたマグカップをテーブルに置き、対面ではなくわざわざガッチマンの横に座るレトルト

隣に腰を下ろした後、腕を絡めて肩にこてんっと頭を預ける

照れて俯くレトルトをゆっくり押し倒す

伸ばされたガッチマンの腕を枕にして胸に疼くまるレトルト

心配しつつ腕の中の温もりを抱き締める

ダメだと分かりつつも、自分も静かに目を閉じるのであった