伊野尾慧
はぁ、
伊野尾慧
(紅魔館のベランダから身を乗り出して月を眺める。)
伊野尾慧
前、見たときはもっと、綺麗に見えたんだけどな…。
伊野尾慧
(その時の気持ちによって見え方が変わるとは不思議なもんだ。)
伊野尾慧
…。山田、俺は、邪魔させてもらうからね。
ゆかり
あぁ、邪魔しなくてもいい結果になりそうよ?
伊野尾慧
え、あ、ゆかり。それ、一体どういう…。
ゆかり
フフ、それは後のお楽しみとしてとっておきましょう?大丈夫、貴方に悪い方向には転がらないわよ。
ゆかり
(私にとっても‥だけど。)
ゆかり
あ、そういえば貴方たちのために歓迎会を開くそうね。山田が探していたわよ。行ってきたら?主人公さん。
伊野尾慧
俺が、主人公…?
ゆかり
えぇ。この世界は貴方が主役だし。
伊野尾慧
…。そっ‥か。
伊野尾慧
(俺が、主人公…。これで、ようやく…❗)
ゆかり
(主人公‥ね。どうしてそこまで固執するのかしら。ヒーローだって、そんな楽なもんじゃないのに。)
ゆかり
(ねぇ?霊夢、)
伊野尾慧
じゃあ、俺は行ってくるね。
ゆかり
えぇ、楽しんできなさい。
伊野尾慧
タッタッタ‥
伊野尾慧
やまだー!
山田涼介
えっ、あっ!いたいた!伊野ちゃん❗
山田涼介
(伊野ちゃんが部屋をでていくときに感じた違和感はもうなくなっていた。)
山田涼介
(もう、大丈夫なのかな…。)
山田涼介
もー!探したんだよ❓️どこ行ってたの…。
伊野尾慧
あはは、俺らがすんでるところって都会だからあんまり綺麗に星見えないでしょ?こっちは、すごく綺麗に見えるからさ、ベランダに行って、一人で見てたんだ。
山田涼介
へぇ、そうなんだ!後で一緒に見よーよ!
山田涼介
歓迎パーティー終わってからさ!
伊野尾慧
歓迎パーティー❓️
山田涼介
そう!まだ聞いてなかったよね!レミリアさんたちが俺らの歓迎パーティー開いてくれるんだって!
伊野尾慧
えっ!じゃあ、行こ!今すぐ❗
山田涼介
あ、ちょ、待ってよ、伊野ちゃん! タッタッタ…。
ゆかり
(すれ違う運命よね、マリさと霊夢のように…。あぁ、どっちの気持ちも私は分かってあげられない。)