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注意 irxs nmmn 青桃、桃青 cp表現ありません。 桃青が国の継承位を巡って争い、国の事実に気付いて頑張るお話。
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俺とまろは、小さい頃親に英才教育を受けていた影響で、同じぐらい頭が良かった。
頭がいいと一概に言っても、同じ種類の頭の良さでは無かった。
俺は思考面での頭の良さ、まろは勉強面での頭の良さを持ち備えていた。
だが、成長するにつれ、その違いが浮き彫りになってきた。
テストの時は必ず同じ点数を取っていた。間違えるところは違ったが、間違えた数は同じだった。
当然、大きくなるにつれテストの難易度だってあがる。俺はそれに着いていけていなかったようだった。
どんどんまろと点数が離れていった。
その度に努力した。寝る間も惜しんで勉強をした。今日できなかったところの復習をして、明日は完璧に出来るように予習もして。
だけど追いつけなかった。
差は大きくなるばかりだった。俺だって点数は上がってる。1回だって下がったことはない。
だけどそんなのはまろだって同じだ。だからいつまでも追いつけない。
母上はまろが良い点数を取るたびにまろのことを褒めた。
その度に父上に比べられた。 それに比べてないこは、だって。
ふざけるなよ。俺だって努力してるんだ。
そう言いたい気持ちを抑えて、いつもいつも笑って過ごしていた。
そうだった。ずっとそうして過ごしてきた。
それなのに。俺の方が何倍も努力していたはずなのに。
どうやら俺の努力は報われないようだった。
その夜はなんだか寝付けなくて、勉強にも手が付かなかったから、城の中を散策していた。
中庭にでも行こうかと考えていた時だった。聞き覚えのある声が聞こえて、思わず足を止めた。
よく聞こえず、声のする方へ足を進める。どうやら客間の扉が薄く開いていたようだ。
隙間から静かに中を覗いた。
…決める。その一言で理解してしまった。
この時期に決めることなんてひとつしかない。 きっと今継承者を決めているんだ。
緊張して生唾を飲んだ。息をするのも忘れて会話の行先を見つめた。
桃
全く会話が耳に入ってこなかった。
"ないこはダメだな"ってなんだよ。なんだよ、その言い方。
俺だって息子だろ?お前らの大切な子供なんだろ?
なぁ、なんだよ、その言い方。そんな言い方、あるかよ。
ふざけんなよ。
俺の方が何倍も、…何十倍も…!!
悲しみより、憎しみや怒りのほうが勝った。
震える手を痛いぐらいに握りしめて、早足で部屋に帰った。
心の内側に湧いてきた、醜い感情を全て押し込むようにして。
何だったんだろうか。今までのあの血が滲むような努力は。
部屋に帰って、ベットに突っ伏したまま、そんなことをただ呆然と考えていた。
桃
何馬鹿なことを考えているんだろうと、片隅で思った。だけど、その考えは大きくなるばかりだった。
せっかく抑えていたはずの憎悪が一気に全面に押し出てくる感覚だった。もう、どうでも良くなった。
桃
桃
手当たり次第にものを掴んで床に叩きつけた。 最初はほんの少し残る理性が音を立ててはいけないと、音が立たないものだけを投げていたのに、途中からそれすらもどうでも良くなってしまった。
ガラスが割れる音、床に当たって破損する音、周りのものと一緒に倒れる音。
部屋中に響く五月蝿い音は、きっと隣室にも廊下にもよく聞こえていたのだろう。
騒ぎを聞きつけたであろう人々がドアを開けて部屋へと足を踏み入れた。
普段ならこんなこと絶対にしない。物に当たりなどしない。上手くやりすごして、全部抑えて、勉強するだけだった。そうすれば、この努力も感情も、全部いつか報われると、そう信じていたから。
だけどそんなことはもうなくなった。 なら俺が何かを抑える必要も何も無い。
メイドや執事が制止の声をかけても、その手を止めることはしなかった。この感情を抑えることが、俺にはもう出来なかった。
次々に呼ばれる名前に更に怒りが増した。 その名前で呼ばないでくれ。何が"様"だ。何が"第二王子"だ。
継承者にもなれないような俺がそう呼ばれるだなんて、とんだ皮肉だ。
手を止めて、視線を大衆の方へと向けた。 冷たい、下民を見るような目でこちらを見下ろしている、二人の視線には、気づけずにはいられない状況だった。
誰もが俺が手を止めたことにほっとした表情をした。だけど、その二人の表情は変わることがなかった。
お前らに、今俺は、どのように写っているのだろうか。突然騒ぎ出す俺を問題児だとでも思っているんだろう。ただでさえ成績も悪いのに、出来損ないだと。
青
こいつと違って、俺が出来損ないで悪かったな。 こいつと違って勉強が出来なくて、こいつと違って感情の制御が下手くそで。
桃
桃
青
桃
青
部屋に固い音が響いた。
まるで何かに亀裂が入ったような音がした。
青
桃
最後にそう言い放って、窓の方へと歩み寄る。 そして、
ないこは窓から逃げ出した。
俺の足は縫い付けられたかのように動かない。目の前の大切な人が突然そこからいなくなってしまったというのに。
青
そっとないこが最後に壊したものを拾い上げた。
輝かしい王家の紋章。その下には、俺とないこ、母様と父様が笑顔で写っている。
紋章も入った家族写真を壊すこと、それはつまり家族の存在を否定すること。自分が王家の人間であることを否定すること。
青
口からこぼれる言葉はそればかりだった。頭はフルで動いているのに口がそれに追いつかない。
ないこがここまで感情を爆発させているところを、俺は見たことがなかった。
昨日の今日まで、ないこはいつも通りだったはずだ。
いつも通りご飯を食べて、いつも通り遊んで、いつも通り…、テストをして。
俺がまた点数を上回った。俺はいつも母様に褒められていたけど、じゃあないこはどうだったんだろう。今の今まで隣にいたはずなのに、俺は果たして横を見たことがあっただろうか。
…ああ、もしかしたら最初からだったのかもしれない。俺がテストで点数をあげる度に、ないこは苦しめられていたのかもしれない。
こうなってしまったのも、もしかしたら偶然ではなく必然だったのかもしれない。いつかなることだったのかもしれない。
…もし俺がないこよりも点数が下回っていたら、ないこはここを出ていかずに済んだのだろうか。
…いや、きっと変わらなかった。俺が下回ったとしてま、あいつは自分の力で上に登れたと思えない。
青
一度考え事は辞めよう。今はないこのことだ。
青
王
青
王
王
青
王
青
青
王妃
青
青
青
王
王妃
青
部屋を飛び出して廊下を走る。
連れ戻して説得すれば、きっとまた一緒にいてくれる。ちっぽけな希望でしかないけど、今はそれを信じていたい。
俺は失いたくない。ないこも、父様も、母様も。
絶対に見つけ出す。見つけ出して一緒に帰って、また一緒に生活するんだ。
いいよ、もう。大丈夫、まろとももう関わんない
蘇ったないこの声には、聞こえないフリをした。
コメント
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うわぁぁぁぁぁぁ✨ 受験お疲れ様です!! 久しぶりに読んだんですけどやっぱり神すぎます✨ 次も楽しみにしてます!
( ՞߹𖥦߹՞ )いまこんな感じになってしまっです、w ほんとに毎回ストーリー、表現方法が素敵ですよね!!自分も書いてるんですけどこんなに上手くかけなくて萎えてますww続き楽しみにしてます!!
初コメ失礼いたします!! すっごい気になります! なんか、設定諸々が、好きです! 応援しています!