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雨の降る中、裏社会最強クラスの二人が睨み合い 火花を散らす

瓜生龍臣

北条、テメェを今すぐに正気に戻してやるからな…しっかり受け取れよな

小湊奏

ふざけたこといわないでほしいね…本当にめんどくさい、早く死んで

霧ヶ峰那由多

これ、マジどうなっちゃうの…っ⁈

どちらも元組織の最強の人間、

この闘いの結末は、おそらく誰も予想ができないだろう…

私の名前は霧ヶ峰那由多

小湊奏

丁度また、血を見たい気分だったんだ…

小湊奏

瓜生くんの中も見てみたいなー?…

瓜生龍臣

大分狂ってんな、北条

瓜生龍臣

まぁ俺は、
そう簡単には殺せねえぞ?…

狂ってしまった元相方を救うべく、瓜生くんに協力してもらう元殺し屋だ

霧ヶ峰那由多

(二人とも凄い圧…
こっちまで潰れそうっ…)

目の前にいるこの二人の纏う気迫に、私は今圧倒されて腰が抜けかけていた

元CODE-EL最強の殺し屋、死龍こと瓜生龍臣…

そして同じく元CODE-ELの最強の暗殺者、北条奏

霧ヶ峰那由多

(二人の戦闘能力と経験、レベルなどは全て同格…)

霧ヶ峰那由多

(これは、どちらかが倒れるまでの闘いになりそう…)

このまま二人の戦闘が始まれば、ここら一帯は数刻もかからず更地になるようにも感じる…

どうにかそれだけは避けたいと思っていたところ

奏が急に、刀を鞘におさめた

小湊奏

…場所、変えよっか

小湊奏

ここだと人目に付くし、万が一逃げられでもしたら困る…

瓜生龍臣

へぇ…随分と余裕だな

小湊奏

面倒なだけさ…

奏は私の心でも読めるのか、場所を変えようと提案してきた

勿論、私達はそれを承諾した

奏が選んだのは、意外にも錆びれてた廃工場だった

小湊奏

ここなら、誰も来ないし叫んだって聞こえない

小湊奏

つまり、助けなんて誰も来ないってこと…

そういいながら振り返る奏、その顔には狂気を含んだ不適な笑みがあった

瓜生龍臣

お前なんで自分で自分の墓穴掘ってんだよ…?

瓜生龍臣

自分がやられるポジションになったらどうするつもりなんだよ

霧ヶ峰那由多

(瓜生くん⁇、それってワンチャンあちに達もだよ??)

と、瓜生くんがズバッと正論気味のツッコミをいれる

小湊奏

殺られなければいいだけ…

小湊奏

(それに、此処で死んだって別に…

すると奏が少し俯きボソっと何か呟いたらように見えた

だがそれを気のせいと感じさせるほどに不気味な笑みをこちらに向けてきた

小湊奏

それじゃあまずは、その両手を貰おうかな!!!

瓜生龍臣

直後、奏が口火をきって瓜生くんの懐へと飛び込んでくる

そして振るわれる剣はまさに、龍 突き上げるように瓜生くんの腕を切りにかかる

しかし

瓜生龍臣

おぉおぉ、これは当たったら痛そうだな…

瓜生龍臣

だから当たってやんない

それを恰も当然のように軽やかに躱してみせた

小湊奏

あちゃー、躱されちゃったか
流石瓜生くん…

攻撃を避けられた奏がバックステップを踏む…

すると今度は瓜生くんからスタートをきった

瓜生龍臣

悪いが刀は使わせない…

小湊奏

おっと…!

そして奏が刀を握る手を強引に解く

そして瞬きをする間に、

瓜生くんの、まさに音速とまで呼べるスピードの発勁が奏の腹目掛けてとぶ

瓜生龍臣

一旦吹き飛んどけええ!

小湊奏

ゴフッッッッ…‼︎

そして奏は勢いよく鉄屑の山へと吹き飛んだ

小湊奏

ゲボッッ)ッッッッ…、!

そして軽く血を吐くと、何事もなかったように立ち上がった

瓜生龍臣

お前もやるなぁ…拳が当たる直前に飛んだろ、

小湊奏

はは…受け身をとってこの威力
すっごぉー…‼︎

さらに奏がとった行動は受け身のみではなかった

瓜生龍臣

ちぃ…あの一瞬でドス抜きやがったのか…痛えな、このヤロー

なんと奏は、吹き飛ぶ寸前に 瓜生くんに一撃を与えていた

小湊奏

その傷、大分深いよねぇ

小湊奏

僕も力には自信があるからぁ、瓜生くんの硬ーい腹筋も軽々切り裂けるんだよぉ…?

奏の筋力は異次元なみ、細い腕からは伝わらないほど、

その筋肉の密度は凄まじかった

瓜生龍臣

まぁ今ので刀も折れた、今度は受けれないほど殴るからな‼︎

小湊奏

これはまたすごいのがきそうだねええ?‼︎‼︎

そして再び二人が真正面からぶつかり合う

男二人の、拳がぶつかり合う鈍い音が響く

互いの肉が弾け、血が吹きだす

瓜生龍臣

うおおおおらああああッッ‼︎

小湊奏

はあああああッッ‼︎倒れろ死龍‼︎‼︎

一見奏が有利に見えるが、瓜生くんがなんの策もなく殴り合うわけなかった

小湊奏

チッ…ちゃっかり足混ぜやがってええッッ‼︎

小湊奏

(対処が追いつかない…‼︎これが元組織の最強…伊達ではない‼︎)

瓜生くんは器用にも拳に混ざって蹴りも飛ばしていた、

まさに、歴戦の猛者ならではの大技だ

瓜生龍臣

この一発はキツいぞおおお‼︎

小湊奏

ぐふッッッッうぅ"ッッ‼︎

全体重を乗せた右拳が奏の頬を抉った

だが奏は耐える

小湊奏

負けないからなあああッッ‼︎

瓜生龍臣

ぐぅぅッッ‼︎

そして瓜生くんの顔目掛けて頭突きをいれてくる

すると瓜生くんが頭を後ろへと反らせてしまう

霧ヶ峰那由多

瓜生くん!!‼︎

しかし、____

瓜生龍臣

…俺だって負けてねえ…頭突きなら俺も強えぞぉお!‼︎

そしてその反った体を前に向けて倒してきた

瓜生龍臣

俺は最強の石頭だああああっ‼︎‼︎

小湊奏

ぅ"ぐぁあッッッッ‼︎‼︎

小湊奏

(マズい…ッッ前に割られた箇所がッッッッ……ッッ‼︎‼︎)

その一撃は、前に伊集院さんに割られた箇所に当たり、

さらなる負担をかけていた

小湊奏

ァ"ッッッッ…ぅあぁ"ッッ……

それが酷く効いたのか、奏が白目をむきその場に膝をついた

そしてそのまま前のめりに倒れ込んだ

瓜生龍臣

ってぇえ…やべえやり過ぎたか…?

瓜生くんはケロッとした顔で立っていた

霧ヶ峰那由多

(ば、バケモンなの瓜生くん…‼︎アンタも頭、割れてんのよ⁈!!)

そしてこの闘いは、静かに幕を下ろした____

暖かな風が、俺の頬をくすぐってきた

小湊奏

ん…っ…んーー……

目が覚めると、そこは見慣れない場所だった

小湊奏

此処、は…確か僕は……

小湊奏

ッッ!…

体中が痛い、特に頭が凄く痛い

小湊奏

なにこれ…全身包帯だらけだ…

するとカーテンの向こうから、こちらに賭けてくる足音が聞こえた…

霧ヶ峰那由多

奏っっ!!

その足音の主は那由多だった、すごく焦ったような、安心したような顔を浮かべて

小湊奏

なゆ、た…どうして…そんな…に

質問をしようとした瞬間

俺は全てを思い出した…

小湊奏

あ…あぁ…俺、俺は…ッッ

小湊奏

な、那由多…那由多ぁッッ

そして自分がしてきたことの後悔が心を満たした

俺は感極まり、涙をこぼしてしまった

小湊奏

那由多っごめんっ、酷いことしたッッ

小湊奏

俺、混乱してて…それでッッ

俺が謝罪の言葉をだそうとすると、那由多は遮るように俺を抱き寄せた

小湊奏

っ…!…

霧ヶ峰那由多

いいよ、謝らないで…分かってるから

霧ヶ峰那由多

奏が辛いのも、悔しいのも、お兄さんをなくして…苦しかったことも…

小湊奏

なゆ、た…ッッ…

霧ヶ峰那由多

ごめんね、気づかなくて、本当にごめん

霧ヶ峰那由多

俺が奏の苦しみを理解してあげようとしなかったから…っ

霧ヶ峰那由多

側に居て、支えてあげられなかったから…

霧ヶ峰那由多

お兄さんを亡くして、怖かったよねッッ

霧ヶ峰那由多

ごめんごめんッッ…本当"にごめん"ッッ

那由多の頬から涙だ次々と溢れ落ち、俺の頬までもを濡らしていく

それを見て…僕も我慢するのが嫌になった

小湊奏

怖かったっ…兄さんがいなくなっちゃって…一人になって

小湊奏

またあんな思いしたくないって…ッッ

小湊奏

失いたくないって…ッッ

霧ヶ峰那由多

奏……ッッ

小湊奏

僕と関わって傷ついてほしくなかった"から"ッッ‼︎…

小湊奏

でもッッ…

小湊奏

結局…ッみんなを苦しませた、悲しませたっ本当に、本当にごめんなさいッッ

僕は思っていたことを全て吐き出した

自分と関わってくれる人が不幸に見舞われ、いなくなってしまう恐怖

失うくらいなら、自分とは関わらないでほしかったから…と

みんなのためといいながら、そんなのはただの独りよがりだった

そうして、何度目かも分からない謝罪をした後

那由多が僕の頭を撫で、こういった

小湊奏

…!……那由多…?っ

霧ヶ峰那由多

今更かもしれない…でもどうしても伝えたい

霧ヶ峰那由多

今回のことも、奏をみてあげられなかった…助けてあげられなかった…

霧ヶ峰那由多

“あの時”もそうだった…

小湊奏

あの、時……

霧ヶ峰那由多

父さんが怖くて、母さんと揃って奏を侮辱して…

霧ヶ峰那由多

苦しめて悲しめて、痛めつけて…

霧ヶ峰那由多

挙げ句の果てには忌子だなんていって虐げた…っ‼︎

小湊奏

!…

小湊奏

え、それ…って…

その話は、僕の過去の話だった

だがその話は那由多達には話していないはずだった…

そして僕、ようやく

那由多がなんで僕に対してあんなに、鬱陶しいほどに馴れ馴れしく優しかったのかが分かった

小湊奏

那由多…君は、もしかして……

霧ヶ峰那由多

奏…もしもまた、やり直せるなら…

霧ヶ峰那由多

また、“家族”になれるなら…っ

霧ヶ峰那由多

奏の、“兄さん”として、生きてもいいかな…?____

小湊奏

っ!…っ

あ ー 、 や っ ぱ り …

小湊奏

兄…さん…っっ

僕はまた、病室に響くほどに泣き叫んだ

外は、前に見えていたように濁っては見えず…

そこには澄んだ青空が広がっていた

小湊奏

ッッ

小湊奏

“光夜”兄さぁあんっっ!

瓜生龍臣

こりゃー俺達は入れねえな、カリン

カリン

そうね、でも本当によかった…

瓜生龍臣

だな

瓜生龍臣

さーて!事務所帰ってメロンパンでもつくりますっかっ‼︎

カリン

そうね、また腕が落ちないようにしないと!

そしてその知らせは、この男にも届いていたらしい…

北条(父)

奏…光夜…

北条(父)

よかった…

霧ヶ峰那由多

俺の本当の名前は

“北条光夜”

“北条 光夜”

小湊奏

僕の本当の名前は

小湊奏

北条奏

“北条光夜”

…少し照れるな…

小湊奏

ふふっ

“北条光夜”

奏のもう一人の、

小湊奏

北条光夜の

“兄さん”です “弟”です!

〜僕と兄さん達の関係〜完   ここまでご視聴していただきありがとうございました!!   続編も出しますので、またお会いできる日まで

小湊奏

さよーならーー!!
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コメント

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すごくいい話だった。奏に優しさが戻って本当に嬉しい!

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