雨の降る中、裏社会最強クラスの二人が睨み合い 火花を散らす
瓜生龍臣
小湊奏
霧ヶ峰那由多
どちらも元組織の最強の人間、
この闘いの結末は、おそらく誰も予想ができないだろう…
私の名前は霧ヶ峰那由多
小湊奏
小湊奏
瓜生龍臣
瓜生龍臣
狂ってしまった元相方を救うべく、瓜生くんに協力してもらう元殺し屋だ
霧ヶ峰那由多
目の前にいるこの二人の纏う気迫に、私は今圧倒されて腰が抜けかけていた
元CODE-EL最強の殺し屋、死龍こと瓜生龍臣…
そして同じく元CODE-ELの最強の暗殺者、北条奏
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
このまま二人の戦闘が始まれば、ここら一帯は数刻もかからず更地になるようにも感じる…
どうにかそれだけは避けたいと思っていたところ
奏が急に、刀を鞘におさめた
小湊奏
小湊奏
瓜生龍臣
小湊奏
奏は私の心でも読めるのか、場所を変えようと提案してきた
勿論、私達はそれを承諾した
奏が選んだのは、意外にも錆びれてた廃工場だった
小湊奏
小湊奏
そういいながら振り返る奏、その顔には狂気を含んだ不適な笑みがあった
瓜生龍臣
瓜生龍臣
霧ヶ峰那由多
と、瓜生くんがズバッと正論気味のツッコミをいれる
小湊奏
小湊奏
すると奏が少し俯きボソっと何か呟いたらように見えた
だがそれを気のせいと感じさせるほどに不気味な笑みをこちらに向けてきた
小湊奏
瓜生龍臣
直後、奏が口火をきって瓜生くんの懐へと飛び込んでくる
そして振るわれる剣はまさに、龍 突き上げるように瓜生くんの腕を切りにかかる
しかし
瓜生龍臣
瓜生龍臣
それを恰も当然のように軽やかに躱してみせた
小湊奏
攻撃を避けられた奏がバックステップを踏む…
すると今度は瓜生くんからスタートをきった
瓜生龍臣
小湊奏
そして奏が刀を握る手を強引に解く
そして瞬きをする間に、
瓜生くんの、まさに音速とまで呼べるスピードの発勁が奏の腹目掛けてとぶ
瓜生龍臣
小湊奏
そして奏は勢いよく鉄屑の山へと吹き飛んだ
小湊奏
そして軽く血を吐くと、何事もなかったように立ち上がった
瓜生龍臣
小湊奏
さらに奏がとった行動は受け身のみではなかった
瓜生龍臣
なんと奏は、吹き飛ぶ寸前に 瓜生くんに一撃を与えていた
小湊奏
小湊奏
奏の筋力は異次元なみ、細い腕からは伝わらないほど、
その筋肉の密度は凄まじかった
瓜生龍臣
小湊奏
そして再び二人が真正面からぶつかり合う
男二人の、拳がぶつかり合う鈍い音が響く
互いの肉が弾け、血が吹きだす
瓜生龍臣
小湊奏
一見奏が有利に見えるが、瓜生くんがなんの策もなく殴り合うわけなかった
小湊奏
小湊奏
瓜生くんは器用にも拳に混ざって蹴りも飛ばしていた、
まさに、歴戦の猛者ならではの大技だ
瓜生龍臣
小湊奏
全体重を乗せた右拳が奏の頬を抉った
だが奏は耐える
小湊奏
瓜生龍臣
そして瓜生くんの顔目掛けて頭突きをいれてくる
すると瓜生くんが頭を後ろへと反らせてしまう
霧ヶ峰那由多
しかし、____
瓜生龍臣
そしてその反った体を前に向けて倒してきた
瓜生龍臣
小湊奏
小湊奏
その一撃は、前に伊集院さんに割られた箇所に当たり、
さらなる負担をかけていた
小湊奏
それが酷く効いたのか、奏が白目をむきその場に膝をついた
そしてそのまま前のめりに倒れ込んだ
瓜生龍臣
瓜生くんはケロッとした顔で立っていた
霧ヶ峰那由多
そしてこの闘いは、静かに幕を下ろした____
暖かな風が、俺の頬をくすぐってきた
小湊奏
目が覚めると、そこは見慣れない場所だった
小湊奏
小湊奏
体中が痛い、特に頭が凄く痛い
小湊奏
するとカーテンの向こうから、こちらに賭けてくる足音が聞こえた…
霧ヶ峰那由多
その足音の主は那由多だった、すごく焦ったような、安心したような顔を浮かべて
小湊奏
質問をしようとした瞬間
俺は全てを思い出した…
小湊奏
小湊奏
そして自分がしてきたことの後悔が心を満たした
俺は感極まり、涙をこぼしてしまった
小湊奏
小湊奏
俺が謝罪の言葉をだそうとすると、那由多は遮るように俺を抱き寄せた
小湊奏
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
小湊奏
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
那由多の頬から涙だ次々と溢れ落ち、俺の頬までもを濡らしていく
それを見て…僕も我慢するのが嫌になった
小湊奏
小湊奏
小湊奏
霧ヶ峰那由多
小湊奏
小湊奏
小湊奏
僕は思っていたことを全て吐き出した
自分と関わってくれる人が不幸に見舞われ、いなくなってしまう恐怖
失うくらいなら、自分とは関わらないでほしかったから…と
みんなのためといいながら、そんなのはただの独りよがりだった
そうして、何度目かも分からない謝罪をした後
那由多が僕の頭を撫で、こういった
小湊奏
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
小湊奏
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
小湊奏
小湊奏
その話は、僕の過去の話だった
だがその話は那由多達には話していないはずだった…
そして僕、ようやく
那由多がなんで僕に対してあんなに、鬱陶しいほどに馴れ馴れしく優しかったのかが分かった
小湊奏
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
霧ヶ峰那由多
小湊奏
あ ー 、 や っ ぱ り …
小湊奏
僕はまた、病室に響くほどに泣き叫んだ
外は、前に見えていたように濁っては見えず…
そこには澄んだ青空が広がっていた
小湊奏
小湊奏
瓜生龍臣
カリン
瓜生龍臣
瓜生龍臣
カリン
そしてその知らせは、この男にも届いていたらしい…
北条(父)
北条(父)
霧ヶ峰那由多
“北条光夜”
小湊奏
小湊奏
“北条光夜”
小湊奏
“北条光夜”
小湊奏
“兄さん”です “弟”です!
〜僕と兄さん達の関係〜完 ここまでご視聴していただきありがとうございました!! 続編も出しますので、またお会いできる日まで
小湊奏
コメント
5件
すごくいい話だった。奏に優しさが戻って本当に嬉しい!