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未彩達が病院で舞婪の治療を見守っていた頃

キーン……

透き通るような、響くような…

そして、繋ぐような、耳鳴りにも近い音が月影神社中に響く

そんな音と共に、1人の少年がそっと置かれるように現れる

??

……

少年は気を失って倒れている

白いパーカーに黒いTシャツ、グレーのズボンに黒いスニーカー…

手荷物のようなものは見当たらず、計画性もなく飛び出したのだろうと推察できた

コツコツコツ

そんな少年に近付く1人の少女

本李 遥花

……新入り君…か

彼女は本李(もとい)遥花(はるか)

未彩の友人であり、よく月影神社に遊びに来る

本李 遥花

…全く、どうして未彩はこんな時にどこか出かけてるんだか…

本李 遥花

そのせいで僕がこの町のこと説明しなきゃいけないじゃん…

先程響いていた耳鳴りのような甲高い音は、麗流楼水へ新しい人が辿り着いたことの合図となっている

町中を結界で囲われている麗流楼水への入口は、月影神社にしか存在していないため、新しい住人がやってくると、この場所に現れるのだ

本李 遥花

おーい、意識あるー?

本李 遥花

死んではないはずだけどー?

遥花が顔をぺちぺちと叩きながら声をかけると、少年がモゾっと動き出す

??

うぅっ……

少年が体を起こすと、遥花が話しかける

本李 遥花

あ、起きた?

少年が目を開くと、どこか昔ながらで、どこか幻想的な神社

…と、こちらを睨んでくる少女

…いや、睨んでいるというよりは、それがこの少女の元の目付きなのかもしれない

??

…誰…?

??

てか、ここは…?

少年は遥花の顔や神社を交互に見る

本李 遥花

僕は本李遥花

本李 遥花

ここは麗流楼水

??

れいりゅう…るん…すい……

本李 遥花

で、君は?

??

えと…俺は…

??

火桜志杏……です

火桜(ひざくら)志杏(しあん)

彼は状況が呑み込めず警戒しているのか、恐る恐ると名乗った

本李 遥花

そう、志杏

本李 遥花

端的に言う

本李 遥花

君は辛いことがあってこの町に来た

本李 遥花

以上

遥花はそれだけ言うと、志杏の腕を掴んで無理矢理立たせる

火桜 志杏

ちょっ…急に何っ…

本李 遥花

詳しいことはここの管理人に聞いて

本李 遥花

というわけで未彩を探しに行くよ

火桜 志杏

え?管理人?ミア?

遥花は志杏の困惑に気付いていないのか無視しているのか…

腕を掴んだまま神社を後にする

火桜 志杏

ちょっ…ちゃんと着いてくからとりあえず離して…

一方その頃、病院にいる未彩達の様子

星川 悠希

ところで舞婪

星川 悠希

お前なんでそんな怪我したんだ?

悠希はカルテを書きながら問いかける

或那 舞婪

んえ?

星川 悠希

顔の怪我と足の怪我はコケたとの事らしいが、にしてもちょいと大きな傷だし…

星川 悠希

そもそも腕を10cm切るって何があったんだよ

星川 悠希

自分で腕でも切ったか?

悠希が舞婪に詰め寄っていると、未彩からガチガチと歯を鳴らすような音が聞こえてくる

月影 未彩

ちっ、ちちちちちちちち違うよ?

月影 未彩

別に未彩ちゃん足引っ掛けたりとかしてないもんねぇーーー

月影 未彩

舞婪が勝手にコケただけだもんねぇーーーー

月影 未彩

だって私は天才美少女巫女月影未彩ちゃんだからねぇーーーーー

未彩が声を震わせながら言うと、悠希と澪は若干蔑んだような表情で未彩を見つめる

冬本 澪

未彩……

星川 悠希

OK、犯人は未彩だな

冬本 澪

前確か梨菜にもやってたよね…

前科あったのかよ

星川 悠希

あの怪我は結構治すのキツかったぞ

或那 梨菜

あれは痛かった

冬本 澪

痛かったじゃ済まない怪我だったと思うんだけど…

或那 梨菜

だって1週間くらい歩けなかったよ、私

結構酷いことやらかしてるじゃねぇか

冬本 澪

梨菜、その時の怪我は腕だよ…

歩けなかったの関係ねぇじゃねぇか

星川 悠希

んで、舞婪の腕の傷はなんなんだよ

星川 悠希

未彩にでも刺されたか?

月影 未彩

待ってそれは本当に違う!

月影 未彩

今日舞婪と会った時には既に腕怪我してたから!

その言い方はコカしたのは認めてるんだよ

或那 舞婪

えっとねー

或那 舞婪

僕最近サーカスにハマっててさー

或那 梨菜

あーそういえばジャグリングのやつとかいっぱい買ってたね

或那 舞婪

それでね、ナイフ3本でジャグリングできるかなってやってたの

冬本 澪

えっ

星川 悠希

はっ?

或那 舞婪

そしたら失敗しちゃって、腕に刺さっちゃったんだ

何してるんだよ

冬本 澪

うーん…ボールとかで練習したらいいと思うよ

その通りだよ

星川 悠希

…むしろ、腕で良かったな

星川 悠希

頭に刺さったら流石に俺でも治せる自信はないぞ

そりゃそうだ

未彩達が会話をしていると、誰かが治療室に入ってくる

本李 遥花

未〜彩〜?

入ってきたのは、未彩を探していた遥花と志杏だった

月影 未彩

あれ、遥花じゃん

或那 舞婪

初めて見る子もいるー!

火桜 志杏

あ、どうも

月影 未彩

どうしたの?遥花も怪我したの?

本李 遥花

そんな訳ないでしょ

本李 遥花

未彩がほっつき歩いてるせいで大変だったんだから…

本李 遥花

図書館とかゲーセンとか、未彩が行きそうなところ片っ端から探したんだから

月影 未彩

そうだったんだ

星川 悠希

まあ…未彩の行動範囲広いからな…

本李 遥花

ほら未彩、新入り君だよ

遥花は、背後にいた志杏をグイッと押し出す

火桜 志杏

えっ、ちょっと

月影 未彩

ありゃあ気付かなかった

火桜 志杏

えと、俺まだ状況が掴めてなくて…

志杏が状況説明を願おうとすると、未彩はわざとらしく咳払いをする

月影 未彩

ん"ん"っ

星川 悠希

…あ、これは始まったな

冬本 澪

そうだね

月影 未彩

ここは麗流楼水

月影 未彩

居場所のない者が集まるところだよ

月影 未彩

あなたは過去に何があってここに来た?

月影 未彩

あなたはここで何を望む……?

未彩はドヤ顔で志杏に向かって手を伸ばす

本李 遥花

いや名前聞けよ

火桜 志杏

えと…まず、俺は志杏です

火桜 志杏

過去…か…

火桜 志杏

えっと、家でちょっと色々あって…家出して…

火桜 志杏

気付いたら、ここに

本李 遥花

なるほどね

月影 未彩

さあ、あなたは何を望む?

未彩はドヤ顔を維持させたまま問う

火桜 志杏

えと…家族から離れて暮らしたい…ですかね

月影 未彩

わかった

月影 未彩

火桜志杏さん、あなたを麗流楼水に歓迎致します!

火桜 志杏

あ、はい…

未彩が「決まった」とでも言うようにドヤ顔で言うと、澪と悠希が歓声を上げる

冬本 澪

お〜!!

冬本 澪

未彩のそのセリフ久々に聞いたー!

星川 悠希

入ってきたら必ず聞くセリフだな

月影 未彩

もー野次馬うるさいなー

月影 未彩

さあ、志杏、まずは私の神社に行こう

月影 未彩

そこでやることが色々あるからね

火桜 志杏

あ、はい

或那 舞婪

やることってなんだろー

或那 梨菜

お菓子でも食べるのかなー

んな訳あるか

星川 悠希

そんなん掃除だろ

冬本 澪

未彩は掃除嫌いだからね〜

冬本 澪

新入りに儀式と称して掃除させてるんじゃない?

月影 未彩

ちっがーう!!

月影 未彩

ちゃんとやることがあるのー!!

星川 悠希

どうだか

悠希が嘲笑うように言う

本李 遥花

はぁ…結局神社に戻るんだし…

本李 遥花

最初から神社に居て欲しいんだけど…

遥花がボソッと呟く

そして未彩と遥花、志杏は神社へと向かった

死にたかった子たちの“ゆかい”な生活

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