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月が綺麗な夜に、キミの一番星になりたい_#1_

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月が綺麗な夜に、キミの一番星になりたい_#1_

1 - 月が綺麗な夜に、キミの一番星になりたい_#1_

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2020年06月16日

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〚怜side〛

住宅街にある一軒家。

私はその二階の自分の部屋のベッドから窓際に掛けられた鳥籠を見上げる。

あのね、セイラ

その白いアンティーク調の籠の中にいるのは

頭が黄色くて体は水色のインコのセイラ。

部屋に一人でいるのが寂しいと言ったら

1年前にお母さんが買ってきたんだ。

もちろん、動物を飼いたいという意味で言ったわけじゃない。

私は部屋の外に出たいってことを伝えたつもりだった。

でも、お母さんには初めからその考えがなかったみたい。

私ね、自由になりたいんだ

セイラにだけ、本当のことを話そう。

私は今、ものすごく息苦しい。

なんでって?

学校に行く以外、私はこの部屋から出ることを禁じれているから。

その理由は、紆余曲折あって長くなるけど……。

第一に、私が痛みを感じない難病__。

『先天性無痛症』

だから。

骨折しても、皮膚を切っても、火傷しても気づかない。

だって、少しも痛くないんだもの。

しかし、痛みだけでなく、熱い、冷たいという温度感覚も鈍い。

みんなに知られたら、きっと気持ち悪がられる……

私が無痛症だと分かったのは、生後9ヶ月頃。

私がこんな身体じゃなかったら……

思い出される苦い過去に思いを馳せる。

痛みを感じないことをラッキーだと思って生活していた私。

その考えが180度変わる出来事があった。

あれは中学一年生の時のこと……。

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