テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
26,959
94,004
【避難警報】
「緊急警報。灰級残滓の出現を確認」
「住人の皆様は、速やかに避難してください」
ザーッ…
雨が降っている
商店街には、 もう誰も居なかった。
白狐 颯
白狐 颯
白狐 颯
遠くで、 何かが潰れる音がした。
グシャ。
白狐 颯
足が止まる。
静かだった。
雨の音しか聞こえない。
でも。
“何かいる”。
路地の裏。
黒い影が、 ゆっくり動いた。
人の形。
でも違う。
腕が長い。
首が曲がってる。
顔が無い。
【対象確認】 【灰級残滓】 【危険度︰低】
淡々としたアナウンスが流れる。
白狐 颯
その瞬間。
残滓が、 ゆっくり顔を上げた。
顔なんてない。
なのに。
___目が合った。
白狐 颯
残滓が走る。
早い。
地面を滑るみたいに迫ってくる。
白狐 颯
反射的に走り出す。
息が苦しい。
足音が近い。
逃げ切れない。
そう思った瞬間。
「……たすけて」
白狐 颯
女の人の声だった。
白狐 颯
残滓が目の前まで迫る。
黒い腕が振り上がる。
白狐 颯
死ぬ。
ザンッ。
白い閃光。
次の瞬間。
残滓の腕が宙を舞った。
???
白狐 颯
白いコートの男。
雨の中、 静かに立っている。
でも。
空気がおかしい。
怖い。
本能が、 そう叫んでいた。
残滓が、 後退る。
まるで怯えてるみたいに。
???
瞬間。
残滓の身体が崩れた。
灰みたいに散っていく。
その中で。
颯は見てしまった。
残滓が最後に、 “笑った”のを。
白狐 颯
男が振り返る。
その瞳の奥。
赤黒いノイズが、 一瞬だけ揺れた。
人間じゃない。
何故か、 そう思った。
???
男が、 颯を見つめる。
初めて見るような目だった。
???
雨音だけが響く。
???
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!