昼休みに1人で屋上でご飯を食べるのが
最近のマイブーム
本当は立ち入り禁止なんだけど
鍵が壊れてるから自由に出入りできる
○○
お腹すいたぁ〜

今日もいつものように
屋上の隅っこでお弁当を広げる
誰も来ないはずのドアが空いて
金髪の男子生徒が1人出てくる
○○
(金髪…絶対ヤンキーだ…)

不幸中の幸いと言うべきなのか
その人は私の存在に気づいていない
FUMIYA
外きもちー!

FUMIYA
なんの曲にしよっかなー

1人でいるはずなのに割と大きめな声で
独り言を話すその人
変な人だなぁなんて思いながら
しばらく様子をうかがっていると
スマホで曲を流して踊り始める
FUMIYA
•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪

○○
ガチャン

キレのあるダンスに目を奪われすぎて
自分の手にもっていたお箸ケースを
地面に落とした
○○
あっ、あの、ごめんなさい

○○
別にかくれてたとかそういう訳ではなくて…

FUMIYA
びっっっっくりした!笑

FUMIYA
お化けでも出たのかと思った!

○○
え、あの、

FUMIYA
ここさでるって噂じゃん?

FUMIYA
昔この屋上から飛び降りた女子高生がいるとか、いないとか?

○○
そ、そうなんですか、?

FUMIYA
そういう話があったら面白いよねって話

○○
なんだ、作り話か…

FUMIYA
びっくりした??笑

FUMIYA
びっくりのお返しー

FUMIYA
ってかここ立ち入り禁止だよね?

FUMIYA
入ってきちゃダメじゃん!

○○
それはあなたもだと思うんですけど…

FUMIYA
ははっ!確かに笑

FUMIYA
ってかあなたじゃなくて俺、楓弥って名前だから

○○
ふみや、さん…

FUMIYA
さんじゃなくてふみやでいいよ後輩だし

○○
えっ…

金髪だしどこか大人びた話し方をするから同い年か先輩かと思った…
FUMIYA
先輩は?名前なんて言うの?

○○
あ、えっと○○です

FUMIYA
おっけー○○ね

FUMIYA
ここ、いいよね

FUMIYA
めっちゃ穴場

○○
はい…

FUMIYA
あ、敬語もダメね先輩なんだから

○○
あ、うん

FUMIYA
俺さ、この見た目だから怖がられちゃって友達いないから昼休みたまにここで踊ってるんだー

○○
ダンス得意なの?

FUMIYA
ダンスしてるとさ嫌なこととか全部忘れられるから好き

○○
そっか…

○○
いいな、そうやって好きなものがあるの

○○
何か好きなものがある人ってすっごくカッコよく見える

FUMIYA
えー俺も?

○○
うん笑

FUMIYA
めっっっちゃ嬉しい

FUMIYA
○○はないの?なんか好きなこと

○○
なーんにもない

○○
適当に生きてたら中途半端な人間になっちゃった

FUMIYA
俺はそんなことないと思うよ

FUMIYA
俺、本当はここに○○がいるの知っててきたの

FUMIYA
○○は覚えてないかもしれないけど、俺が入学したてでまだ髪が黒かった時

FUMIYA
迷子になってた俺に音楽室の場所教えてくれたでしょ?

FUMIYA
自分も移動教室なのにわざわざ音楽室まで送ってくれて

FUMIYA
その時この人絶対いい人だって思ってずっと気になってた

○○
それ、覚えてる

○○
あの時の1年生が楓弥なの、?

FUMIYA
そーなの

○○
全然わかんなかった…

FUMIYA
まぁ髪金髪になったしね笑

FUMIYA
困ってる俺を助けてくれた○○は中途半端な人間なんかじゃないから

FUMIYA
もっと自信もってよ

○○
うん、ありがと

FUMIYA
明日も明後日もここでご飯食べよ

FUMIYA
俺もお弁当持ってきて一緒に食べるから

○○
……うん

FUMIYA
やった!

FUMIYA
毎日ランチデートだね

○○
デ、デートって

FUMIYA
あ、まだデートじゃないか

○○
まだって…

FUMIYA
俺がもう少し落ち着いた男になったら絶対○○に告白するって今決めたから!待ってて!

○○
なっ…告白!?

FUMIYA
うん、そのうちねそのうち

FUMIYA
やば!予鈴なっちゃった!

FUMIYA
次移動教室なの忘れてた!

○○
え!はやくしないとじゃん!

FUMIYA
次コンピュータ室なんだよね

FUMIYA
コンピュータ室ってどこだっけ?

○○
も〜笑

○○
ほら、一緒に行くよ!着いてきて!

FUMIYA
はーい笑笑
