1周1500mの池の周りをたかし君は分速60mで走っておりさやかさんは分速10mで歩いています。
と言うのも野球部でキャプテンをしているたかし君は甲子園を目指して3年間汗を流し、ひたすら頑張ってきました。
そして三年間野球部を支えてくれたマネージャーである彼女に甲子園の景色を見せてあげたいと思っていました。
しかし三回戦で敗退してしまい、甲子園に行けなかった悔しさと彼女に甲子園の景色を見せられなかったやるせなさから池のまわりを無我夢中で走っていました。
一方さやかさんは落ち込んでる彼を見て心を痛めていました。しかし彼女が「大丈夫?」と慰めても「一人にしてくれ」と言われ、すれ違いから二人はだんだん話さなくなってしまいました。
さやかさんはどうすれば良いか分からず毎朝彼が自主練をしていた池の周りを俯きながら歩いていました。やがて二人は衝突しそれぞれ後ろに倒れ込みます。
さやかさんは急いでたかし君の元へ駆け寄ります。そしてこんな所で何してるのか聞くとまさかの自分と同じ答えが返ってきました。更にその事をたかし君に伝えました。
「なんか漫画みたいだな…」 「そうだね笑」 「二人とも同じ事考えてたんだね」 「どんだけお互いの事好きなんだよ!」
池の周りの木々では蝉がその小さな命の価値を人間に主張するかの様にうるさく鳴いていて、その隙間を縫って男女の笑い合う声が聞こえます。
フワッと青みを含んだ温かい風が吹き、強い日差しが梅雨が明けて二人の夏がこれから始まる事を知らせます。 二人の心の距離はあと何cmですか?
コメント
7件
どうでもいいんだけど、、、 分速10メートルって遅すぎん?w
天才かよ
恋愛の距離間をテスト問題にするなんて、お洒落で面白い発想ですね👍