【軍パロ】死んでもいいって心から思えた

右眼を隠す紺碧の髪。

その上に深く被る軍帽。

漆黒の軍服に描かれた『W』という文字。

堂々たる足取りで、彼はこちらへ歩み寄る。

——この世の統治者・天使ラミエルさん

—基地内 南部 司令室前—

「ん？チーノか？」

部屋の中からロボロの声が聞こえる。

ガチャ。

目線を下に下げていって、やがて「天」と書かれた顔布が目に映る。

あっさり承諾。これはラッキーだな。

これは事が上手くいきそうな、そんな気がした。

［基地内西部高台及び、東部高台の兵たちに告ぐ——］

［直ちに高台を離れ、基地内中央に集合せよ——］

ロボロの声が、基地内に轟く。

［基地内西部高台及び、東部高台の兵たちに告ぐ——］

［ただt………ん？］

ブォォォォォォォ

［な、何の音や？これは……］

ピーピー

ピーピーピー ピピッ

《コネシマ部隊曹長です！ただ今、目の前にライオン……？のような頭に、

４枚の翼とサソリに似た尾を持つ、人とも言えないような謎の生物が、

熱風を起こして暴れまわっています！》

［なんやて？］

［ライオン？翼？サソリ？何を言ってるんや？］

《は、はい！全て本当のことです！》

《さらに、“それ”はラミエル？を殺してやるなどと言ってまして…》

《今現在、コネシマ部隊とシャオロン部隊が戦闘を開始しておりますが、

攻撃が当たらない…？ようです……！援軍を！》

［りょ、了解…！前線にゾム部隊を向かわせる！］

［待機中のゾム部隊は前線へ！］

［そして、エーミール部隊は直ちにそのライオン頭の正体を調べろ！］

なんだよ、これ……

前はこんなの、無かったぞ……？

一体どうなってるんや……？

『ラミエルを殺してやる』