7話ー支えー
悠
…怜さ、…
悠くんがうちに来て数日
怜
…ん、…。
ある日悠くんはひとつの提案をしてきた
悠
……外…行きましょ…
怜
…え、…?
体が弱く歩くこともままならない。
悠
…俺が…ついてますから…
悠
大丈夫、ですよ。
なのに、悠くんは散歩に誘ってきた。
怜
…そうか、……
ベッドから出て立ち上がる。
怜
…っ、…
怜
…う、っ…
すると悠くんがすぐに支えてくれた。
悠
…昨日、いい所を見つけたんです。
悠
一緒に行きましょ、
怜
…わ、わかった…
怜
ほ、ほんとに大丈夫か、?
悠
大丈夫ですよ
メイドさん
あら、怜様…ここにいらしたのですね
メイドさん
どこかへ行くのですか?
怜
い、いや…僕は知らな…
悠
俺が連れて行きます。
悠
きっと、怜さん気に入ります。
メイドさん
…そうですか、…
メイドさん
ですが、お父上様は…
悠
…大丈夫です、
悠
なにかあれば俺のせいにしてください
怜
…ゆ、悠…
メイドさん
…何をされるか分かりませんよ、
悠
……そんなこと、もう慣れましたから
悠
…いいですよ、目開けてください
怜
…っ、ん……
目を開けると1面に広がる 綺麗な桜の木があった。
怜
……わ、…すご……
悠
…怜さん、桜好きでしたよね…
怜
…ぇ、あ…なんで…
悠
…毎日桜の本、読んでばっかりだったので…そうかな、と…
悠
…違いましたか、…?
悠くんは僕のことを ちゃんと見ていてくれたのか…
怜
いや、…
怜
…弟の好きな花だったから…
悠
…そうですか、
2人でベンチに座って 桜を眺める。
桜の匂いが風に乗って優しく吹いてる。
僕達はベンチの上で静かに過ごした。
怜
…悠、
悠
…?…はい
怜
…そろそろ帰ろう、
悠
…わかりました。
悠
じゃあ、ちょっとまっててください。
怜
…ぇ、…わかった、
悠
…じゃあ、帰りましょ…
悠の手に桜の木の枝があった。
怜
……ぅ、…けほっ……
悠
…どうぞ、お水です。
怜
…ぁ、ありがとう…
悠くんは持ってきた木の枝を花瓶に 入れてくれた。
怜
…それ、取ってよかったのか、?
悠
…昨日、許可取ってましたから、
悠
大丈夫です。
コンコン
メイドさん
失礼します。
メイドさん
悠様、お父上様がお呼びです…
悠
……すぐ行きます、
怜
悠…僕のせいにしてもいいんだよ、
悠
いや、俺が連れて行ったので、
怜
……。
パタン。
怜
…悠…。
怜
…ごめん、…
コンコン
怜
……どうぞ、
メイドさん
失礼します。怜様
メイドさん
…お食事をお持ちしました
怜
…ああ、
悠
…ッ…あ"…ぁ"…!!
父上
…うるさいぞ、
俺は怜さんの父から暴行を受ける
悠
ぃ"、だッ…!…ま"っ、…!!
この人は骨を折れるか折れないか ギリギリを狙ってくる。
父上
懲りないなお前は、
父上
何度言ったら分かるんだ
この家の当主だから、 口答えなんかできない。
だからやられるがまま、
怜
……。
コンコン。
怜
……どうぞ、
悠
…遅くなりました。
怜
いや、いいんだよ…
僕はいつも悠くんが暴行を受けているのは知っている。
十分辛いだろうに、 悠くんは僕の前じゃいつもと変わらない