n.e__. 様からのリクエスト
V × JIN
『僕、拾われました』
どうぞお楽しみ下さい~🌟
暗い路地裏、激しく雨の降る日に
僕は飼い主に捨てられた。
何度鳴いても、蔑んだ目で見下すだけでその場を去ってしまった。
苦しい、辛い、悲しい、寒い、不安
頭の中が様々な感情でいっぱいになった。
これから、僕はどうなるんだろう
もしかしたら、このまま死ぬかもしれない
そう思うと、怖くて仕方がなかった。
でもそんな時、ふと雨が止んだ。
ソクジン
ずぶ濡れの僕の頭を撫で、僕もそれに応えるように擦り寄る。
ソクジン
ゆっくり抱き上げられ、暖かい彼の腕の中に収まった。
ソクジン
テテ
そんな簡単に決めていいことなのだろうか…
ソクジン
ユンギ?? それは誰だろう、
ソクジン
ほえー、この人はユンギって人と一緒に住んでるんだ
ソクジン
テテ
ソクジン
彼は何か悩むような仕草をし、うーんと唸り声を上げた。
ソクジン
テテ、か…。
テテ
ソクジン
ソクジン
ソクジン
テテ
勿論人間の言葉は話せないので心の中で呼んだ。
ソクジン
また優しく頭を撫でて、ジンヒョンと共にどこかへ向かった。
買い物を終えて歩いていると、犬の鳴き声が聞こえて
こんな雨の中どうしたんだろうと思い、見ると
そこには悲しそうに鳴く1匹のわんこちゃんがいて
しかも雨に打たれて寒そうに震えていた。
可哀想だと思い、傘を差してあげると
くりくりな目で僕を見上げた。
ソクジン
そう言って頭を撫でてあげると、嬉しそうに顔を擦り付けてきた。
ソクジン
ゆっくり抱き上げると、わんこの震えは止まっていて
この子は絶対守ろうと決めた。
ソクジン
テテ
犬なのに、おどおどしたような表情を浮かべる。
そこがまた可愛いポイントだ
ソクジン
ユンギヤは何だかんだ言って可愛い生き物には勝てないからね!!
ふとわんこの方を見ると、いかにも?って感じの顔を浮かべていた。
多分、ユンギヤが誰かを知りたいんだな
ソクジン
ほえー、みたいな顔をするわんこ。
ほんと表情が豊かだな笑
ソクジン
テテ
ソクジン
まぁわんこが答えられるはずもなく、ただ可愛らしく吠えるだけだった。
なんとなく、昔居なくなった彼を思い出して
その子の愛称であった『テテ』と名を付ける。
ソクジン
一瞬悩んだ顔になったが、すぐにぱっと明るい表情になって吠えた。
テテ
ソクジン
ソクジン
ソクジン
テテ
まるで本当に『ジンヒョン』と呼ばれているようで
ソクジン
嬉しくて、テテの頭を撫でて家に帰った。
今日もいつも通り仕事を終え、家に帰る。
すると、大好きなあの人の匂いがした。
ソクジン
ユンギ
ヒョンの足元には、見慣れない生物がいた。
ユンギ
ソクジン
ユンギ
俺をじっと見つめて尻尾をぶんぶん振りまくってるコイツ。
近付いて撫でてやると、さぞ嬉しそうな顔をした。
ユンギ
ソクジン
ユンギ
それって、ヒョンと俺の、
ソクジン
ソクジン
ユンギ
テテを見ると、リラックスしたようにゴロゴロ転がっていた。
ソクジン
ソクジン
ユンギ
ソクジン
テヒョンア
彼は俺達の友達でもあり、弟だった。
それと同時に、ジンヒョンの『恋人』でもあった。
人懐っこくて、誰よりも優しくて
皆から愛されるような人だった。
そんな彼だから
自分の事より相手の事を優先にする彼だから
あの時俺達が遊びに行く約束なんてしなければ
カフェで待ち合わせなんかしなければ
テヒョンアは死ななくて済んだのかな
2年前
3人で、いつものように遊びに行く予定を立てて
朝の10時から遊園地に行くため
とあるカフェで待ち合わせをしていた。
俺とジンヒョンが普段通り先に着いていて
少し遅れてきたテヒョンアを見つけ
店の外に出た瞬間だった。
ソクジン
何かを追いかけ、道路に飛び出した男の子を
庇うようにして轢かれたのは
テヒョンアだった。
ソクジン
ユンギ
暗い雰囲気になり、ユンギさんがどこかへ行ってしまった。
不安になってキョロキョロしてると、ジンヒョンが泣きそうな顔で笑って
ソクジン
頭を撫でて、リビングへ行った。
テテ
テヒョン、とは誰だろう。
その名前に妙な親近感を覚えている自分が不思議で堪らなかった。
その後も落ち着かず、ウロウロしてると
ソクジン
テテ
ソクジン
走ってユンギさんの部屋に行き、ドアを爪で引っ掻く。
するとゆっくり扉が開いた。
ユンギ
テテ
ユンギ
抱っこされ、ベッドに降ろされる。
ユンギ
テテ
ぎゅっと抱き締められて、なんだか胸がいっぱいになった。
ユンギ
テテ
彼は、泣いていた。
人が泣く所は、悲しくて苦しくなる。
ユンギ
テテ
首を傾げると、鼻で笑ったユンギさん。
ユンギ
ニコッと笑い、僕を抱き上げた。
ユンギ
テテ
頷くと、また笑われた。
ユンギ
テテ
ユンギ
テテ
ユンギ
絶対分かってないよね、この人。
ソクジン
ユンギ
ソクジン
ソクジン
ユンギ
テテ
ぼ、僕もお腹空いた…
ソクジン
ソクジン
テテ
ソクジン
デレデレの笑顔で僕を撫でてくるヒョン。
ヒョンは僕には弱いらしい笑
ユンギ
ソクジン
テテ
何も知らないような顔をすると、ユンギさんに鼻で笑われた。
何故かムカついて睨むと、呆れた顔をして肩をすくめた。
ソクジン
ユンギさんから僕を奪って、上機嫌で下に降りた。
ジンさんが買ってきてくれたご飯は、とても美味しかった。
無我夢中で食べてたら、2人に笑われてしまった。
ご飯を食べ終わると、ユンギさんに連れられてお風呂に入れられる。
ユンギさんの着替えをじっと見てると、めちゃくちゃ嫌そうな顔をされた。
ユンギ
テテ
ユンギ
テテ
ユンギ
テテ
鼻を鳴らして浴槽で転がっていると、腰にタオルを巻きつけたユンギさんが入ってきた。
ユンギ
テテ
丁度いいくらいのお湯が出てきて、気持ちよかった。
ユンギ
頭を擦り付けると、微笑んで身体を洗ってくれた。
ユンギさんの身体は白くて、綺麗だった。
じーっと眺めていたら睨まれた。
ユンギ
テテ
ユンギ
ユンギ
いたずらっぽく笑うユンギさん
確かに、その姿は色気があって魅力的だと思う。
でも、僕はどちらかと言うとジンヒョン派なんだよねっ
思いっきり舌を出すと、やっぱりお前とは無理だと言われてしまった。
ユンギさんのばーか!!
ユンギ
テテ
ユンギ
テテ
ユンギ
ユンギ
少し苦しそうな顔をしたユンギさんが無性に愛しくなって
犬ながらに人間のユンギさんを抱きしめた。
ユンギ
ユンギ
ああ、これ程まで人間の言葉を話したいと思ったことは無い。
もし、僕が人間の言葉を話せたら
ユンギさんにこんな表情させることもなかったのかな。
深夜、目を開けると
そこは花畑だった。
訳が分からなくて、辺りを見渡していると
前の方から若い顔の整った男の人が歩いてきた。
何故かすぐに僕の大切な人だって分かった。
テヒョン
テテ
テヒョン
テヒョン
テヒョン
テヒョン
テテ
テヒョン
テヒョン
テテ
テヒョン
テヒョン
テヒョン
テテ
テヒョン
テテ
テヒョン
テヒョン
テヒョン
テテ
テヒョン
テヒョン
テテ
テヒョン
僕の、1番の望み……
テテ
テヒョン
テヒョン
テヒョンさんは四角い口でニコッと笑って僕の頭を撫でた。
その時、辺りが眩しい光で包まれた。
テテ
目を開けると、目の前にジンヒョンが眠っていた。
身体に違和感を感じて、自分の手を見ると
元々の体より5倍くらい大きくなっていた。
テテ
驚きのあまりベッドから転げ落ちて
たまたまあった鏡に自分が映る。
テテ
夢で見た、彼だった。
テテ
よく見ると、僕は一糸まとわぬ姿で
急に恥ずかしさが込み上げてきた。
テテ
ジンヒョンのクローゼットを開け、大きめの服とズボン、下着を借りた。
テテ
下に降りて、軽い朝ごはんを作っていると急に叫び声が聞こえた。
テテ
ソクジン
あ、それ僕です
ドタバタと上から降りてくる音がしたので、無視してトーストをお皿の上に置いた。
ソクジン
テテ
ソクジン
ソクジン
テテ
ソクジン
テテ
ソクジン
テテ
ソクジン
テテ
ジャムを塗ってると、急に抱きしめられた。
ソクジン
テテ
ジンヒョンの腕を撫でると、ぎゅっと抱き締める力が強くなった。
ソクジン
テテ
ソクジン
テテ
ソクジン
ソクジン
そこまで言って、ジンヒョンは泣き崩れた。
テテ
ユンギ
テテ
ユンギ
テテ
椅子に座り、2人の顔を見つめる。
ジンヒョンは泣きすぎて目が赤くなっていて、ユンギヒョンは怪訝そうな顔をしていた。
テテ
テテ
ユンギ
ソクジン
テテ
ユンギ
テテ
テテ
ユンギ
ソクジン
テテ
テテ
テテ
テテ
ユンギ
ソクジン
ぎゅっと抱き締められて、胸がいっぱいになった。
テテ
テテ
テテ
ソクジン
ユンギ
これが、幸せか。
やっと、幸せとは何かを分かった気がした。
その幸せを今度は僕が
ヒョン達にあげられますように。
Fin .
コメント
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よーし、私も今から犬になろっと
テテ可愛い❤️
犬になりたい🐶( '-' 🐶 )ワンチャン