少女
ねぇ
少女
私が魔法使いになって
少女
どれくらい経った?
従者
127年と345日
少女
そう
少女
もうすぐ128年経つのね
少女
……
従者
どうした?
少女
最近考えるの
少女
魔法使いにならなかったら
少女
私の人生はとっくに終わってるんだなって
従者
長い時間を生きたい
従者
そう願ったのはお前だ
少女
そうね
少女
もちろん後悔はしてない
少女
魔法使いにならなかったら
少女
私は病気で死んでいた
少女
ただ
従者
ただ?
少女
私は孤独になった
少女
子どものまま成長が止まり
少女
一緒に遊んだ友達は大人になった
少女
好きになった男は
少女
大人になった女と結婚した
少女
それでも私といてくれる人もいた
少女
子どもの体がゆえに
少女
母親になることはできなかった
少女
歳をとらない私
少女
どんどん老いていく最愛の人
少女
当たり前に訪れる死
少女
仲良くなった人は
少女
時間とともに死んでいく
少女
そのうちに人と接する事さえやめてしまった
従者
俺がいる
少女
そうね
少女
でも
少女
あなたは私が作り出したただの従者
少女
ケンカをする事もなければ
少女
一緒に食事を楽しむ事もない
少女
私はね
少女
死んでるの
少女
世界中で私を知ってる人はいない
少女
私がどこで何をしようが
少女
気に止める人はいない
従者
……
少女
だからね
少女
私は生き返る事に決めた
少女
私は生きている
少女
その事を世界に証明する
従者
まずはどこから行く?
少女
そうね
少女
日本なんてどうかしら
少女
東京という街を
少女
まるごと消し去れば
少女
いい宣戦布告になるんじゃないかしら
従者
付き合うぞ
少女
ありがとう
少女
さぁ、行きましょう
少女
私という存在を知らしめるために