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⸻深夜
時計の針が、静かに日付を越えていた
寝静まった空気の中――まだ灯りのある部屋がひとつだけあった
リビング
ソファに座るのは、蓮・朔矢・龍牙・零斗の4人
薄く照らされた明かりの下、それぞれに静かに時間を過ごしていた
蓮
蓮が、グラスの中を軽く揺らしながら呟く
蓮
朔矢
朔矢がスマホをいじりながら、ふっと笑う
朔矢
龍牙
龍牙が低くつぶやく
その時――
麗央
どこかから、かすかな気配
ふと全員が顔を上げると、廊下の奥から、ぽそ……ぽそ……と、足音が近づいてくる
麗央
リビングのドアがそっと開いて、そこに現れたのは――
くしゃくしゃの髪。半分落ちかけたパーカー
手には、ふわふわのブランケットを引きずったままの麗央だった
麗央
目はとろんと潤んでいて、声もかすれて甘い
麗央
朔矢
朔矢がふっと口角を上げる
零斗は驚いたように、眉を上げた
零斗
麗央
ほにゃ、と笑うその顔は、普段のツンとした麗央とはまるで別人だった
朔矢
朔矢
龍牙
龍牙がソファの横にあったブランケットを手に取り、ふらふらと近づいてきた麗央にそっとかけてやる
龍牙
麗央
麗央はそのまま、素直にこくりとうなずいた
キッチンで温められたのは、雑貨屋で買ったばかりの――猫のマグカップ
両手で抱えたそれに、鼻先を寄せる
麗央
ひと口、ゆっくりと口をつけて、満足げにふぅっと息を吐く
麗央
零斗
麗央が、とろんとした目のまま言う
麗央
その一言に、一瞬、部屋の空気が止まる
零斗
零斗がぼそっと呟いた
麗央は少しだけ身体を揺らし、パーカーの袖を握りながら――
顔を上げて、真っ直ぐに言った
麗央
呼ばれた名前。甘ったるい声
それだけで、零斗の心臓が不自然なほど跳ねた
零斗
麗央
拒めるわけがなかった
ソファに座ったまま、そっと腕を広げると、麗央はすっとその中に入ってくる
体温が触れ合う。ふわりとした髪が頬にかかる
麗央
零斗
小さくつぶやいて、ぎゅっとその細い身体を抱きしめる
朔矢と蓮は視線を合わせて、小さく肩をすくめた
龍牙は飲みかけのカップを置いて、軽く目を閉じる
4人の視線がそっと注がれるなか、麗央は、安心したように目を閉じた
トロンとしたまま、また夢の入り口へ――
でも今度は、誰かの腕の中で
麗央
また小さくつぶやいて
毛布に包まれながら、彼は微睡のなかへ沈んでいった
だいふく
だいふく
コメント
9件
零央君、起きてる時と 寝ぼけてる時の可愛さ違いすぎない…❔ 起きてる時はツンツンした感じで可愛いんだけど 寝ぼけバージョンは、うとうとしててしゃべり方とかトロトロしてて甘えてる感じで可愛い どちらにせよ尊い…グハッ
可愛い、尊い、最高全部そろってる
神回すぎる!続き待ってます!