私の泥を落として

私、ヒモ男に好かれる体質みたい。

元彼はsex依存症。元々彼はニート。元元々彼は浮気性。

もう疲れた。そう思っているのに誰かを愛したいという願望は消えない。 私を一途に愛す王子様。私はここですよ。

早く迎えに来て

私はただのOL菊池来未。ごく普通の人間だが、１つ変なところをあげれば、びっくりするくらいダメンズに好かれる。

休憩時間中

そう言っていたずらに笑う。

そう言って華奢な白石くんの手が私の髪を触れる。彼に何か触れられるたび全神経が集中してしまう。頬が熱い。

ただの社員飲み会だった。

「飲みに」と言っただけで「2人だけ」とは言ってない。どこかで2人で飲めるのではないかと期待してた自分が恥ずかしい。

そしてそれ以上に、彼と一緒の夜を想定してしまった自分が嫌になる。

彼は頬杖をついて、お酒で頬を赤ませながら赤ちゃんのように大きくて綺麗な目で私をまっすぐ見つめた。

私があなたの前で平常心を保つのがどれだけ大変な事なのか貴方には一生わからない。

「ピロリン」と携帯に通知が届く。そこには「まゆか」と女性の名前があった。

心臓がドキッとする。

これでも私、結構勇気振り絞って「彼女」って言いました。